「恋愛細胞」パク・ソンホ“うまくいく”条件をすべて備えた新人の登場…ダイヤモンドのように輝く未来

TVREPORT |

すらりとした高身長と強烈なマスクが視線を釘付けにする。何を考えているのか掴むことのできない無表情からは鋭さが、両目を細めながら顔いっぱいに微笑むと純粋さが伝わってくる。あっという間に両極の姿を見せてくれる新人パク・ソンホに会った。

どんな役でもこなせそうな魅力的なマスクに目が留まり、落ち着きがありながらも自身の考えをきちんと明かそうとする本音が盛り込まれた努力には、耳を傾けるようになった。これに聞き手を深く見つめるキラキラと光る目はおまけだ。初めてのインタビューだと言いながら明るく笑っていたパク・ソンホは、今日よりも明日がさらに期待できる新人であることに間違いなかった。


「恋愛細胞」マ・デチュン役、せっかくだから“リアルに”

パク・ソンホはウェブドラマ「恋愛細胞」(脚本:チャ・ヒョンジン、演出:キム・ヨンワン)で一度も恋愛したことのない無職のマ・デチュン役を務め、熱演を披露した。花柄のTシャツ、起きたばかりのようなぼさぼさの髪は、彼のキャラクターを一目で見せてくれる。息をすることさえ面倒くさがりそうな人物だ。

「恋愛細胞」は彼の体の中で死にかかっていた恋愛細胞が最後を迎えないように「今一番好きな彼女と3ヶ月内に恋愛を始めなさい」とマ・デチュンに宣言し、彼の恋愛をサポートするストーリーを描く。

幼いころから決まったスケジュールに沿って、計画的な人生を生きてきたパク・ソンホにとって、無職マ・デチュンの初印象は不慣れなものだった。原作のウェブ漫画で自身のキャラクターを見て、まず「果たしてうまくできるだろうか」と心配したという。

「時間の流れに沿って仕事もせずに遊んでばかりのマ・デチュンというキャラクターを、僕がどう表現すれば良いのか心配になりました。それで街に出て、多くの人々の動きを一つ一つ観察し、姿勢などを工夫しました。僕が作り出したマ・デチュンは、ウェブ漫画の中の姿とは少し異なりましたが、自信のない、人生が退屈な人物に設定しました。ここに現場で得た相手俳優との呼吸が加わり、マ・デチュンというキャラクターが誕生しました」

そうやって生まれたマ・デチュンからは“自然なくだらなさ”が感じられた。自身の恋愛細胞を覚ますために努力する猫のネビ(キム・ユジョン)の話に半信半疑ながらも従う純粋さもあった。大げさな滑稽さとキュートなCGが加わったユニークなウェブドラマの主人公として視聴者に会った。花柄のタンクトップ、乱れた髪はおまけである、マ・デチュンに没入するために欲張った。

「衣装チームがマ・デチュン役に合わせて飾ってくれると、僕がさらに欲張って手を加えました。起きたばかりのシーンなら、手で後ろの髪をもっと押さえたり、目の下のクマももっと濃く描いてほしいと言いました。キャラクターをより確実に見せるために努力しました」

パク・ソンホにとって「恋愛細胞」はデビュー以来2番目の作品だ。ウェブドラマの男性主人公、演技者としての一歩を踏み出したばかりの彼にとっては大きなプレゼントであるはずだ。そして、その分パク・ソンホの可能性が、彼に対する期待が感じられる部分でもある。

「主演は最初から最後まで中心を取りながら劇をリードしなければなりませんが、僕は新人なのでいろいろとプレッシャーがありました。幸い一緒に出演した先輩の方々がたくさんアドバイスをしてくれました。監督にも『思う存分遊んでみなさい』言われましたし。硬い雰囲気だったらむしろもっと難しかったと思いますが、おかげで僕はやりたいことを全部やったような気がします。視聴者に気に入られることだけが残っていますね(笑)」


パク・ソンホの恋愛細胞は“無事です”

ドラマでネビはマ・デチュンの恋愛をサポートするために、7つのスペシャルアイテムをプレゼントする。好男子香水、キツネ耳、ボクサボクサ豆など、名前からして独特なこのアイテムは顔をハンサムに見せたり、相手の心に入らせてくれるアイテムで、恋愛経験のないマ・デチュンが恋愛を始めることにおいて大きな助けになる物だ。22歳のパク・ソンホは何を必要とするだろうか。

「あまりにも不思議なものなので全部ほしいのですが、相手の本音が聞けるキツネ耳が一番ほしいです。そして、僕は口下手なのでカッコウのガムもほしいです。周りの人々から『何をしても硬い』とよく言われるからです。自由な感じが足りないと言われます」

通常、歌手の人生は自身の歌のタイトルのように、俳優の人生は作品に沿っていくと言われる。ハンサムなルックスを見ていると「そんなはずはないだろう」と思うが、それでも気になった。パク・ソンホの恋愛細胞は無事なのか。もしかしてマ・デチュンのように恋愛経験がないのではないか。

「僕の恋愛細胞は無事だと思います。普段もよくときめきますから。今は恋愛をしていませんが、ドラマや映画を見ると間接的にはまって感情に没入するようになります。仕事を始めたばかりなので、今は仕事に集中しなければならない時期だと思います。もちろん良い縁に出会えれば、恋をしたい欲もあります(笑)」


まだは見慣れない“パク・ソンホに対して”

本音をそのまま表す顔が、気まずい雰囲気に耐えられない純粋さを「僕は硬い」と言うパク・ソンホには、また別の何かが知りたくなる妙な魅力があった。インタビューをする間、まだ隠している、まだ出すことができなかった多様な姿が楽しみになった。

「僕はほかの人に比べて、演技の面で生まれつきの才能はないと思います。なので熾烈な芸能界で生き残るためには死ぬ気で練習し、努力するしか方法がないと思いました。休む時は本を読み、先輩たちの演技を見ながら習得しようと努力し、僕の演技をモニタリングしながら反省したり、力を得たりします」

努力の重要性を知り、消えない情熱を望み、自身に与えられたキャラクターをそのまま“私”にしたいという希望も、先輩たちの長所をすべて吸収したい欲も、そして休みの日には必ず練習室に行くという真面目さまで。本当に情熱的なこの新人は“うまくいく”条件をすべて備えていた。

「僕にとって2014年は“夢の始まり”と記憶されると思います。長い間夢見てきたことを明確にし、演技者としての道にちゃんと一歩を踏み出した年だからです。“俳優パク・ソンホ”の人生にとって始まりになる1年でもありますし。今年10月にはドラマアワーズのプレゼンターとして出席しましたが、来年には『その場で新人賞をもらえたら』と願ってみます。もっと頑張れば叶いますよね?」

地球の構成物質のうち、一番固い物質であり最高の宝石と挙げられるダイヤモンド。情熱という一つの元素でいっぱいなこの新人からはダイヤモンドのように輝く未来が見えた。“征服できない石”だというダイヤモンドのように、俳優という名で長く輝くことを願ってみる。

記者 : チョ・ヘリョン、写真 : イ・ソンファ