Vol.2 ― アナウンサーのチェ・ヒ「顔のおかげで人気を得たと言われると悔しい」

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女子高校生のチェ・ヒはトッポッキを食べて、カラオケに行くのが好きな普通の高校生だった。人気はかなりあった。本人によると「チェ・ヒに会うために学校に訪れた男子高校生もいた」という。少し得意げに話す姿からこの話は事実であるようだ。

上品なイメージと信頼感を与える声から生まれつきアナウンサーの素質がある人だと思われるが、実際に大学生の時には「あえて私がアナウンサーに?」と思ったという。アナウンサー塾に初めて通うことになったのも、他の学生のように一般の会社で面接を試みたが、その面接で落ち、挫折した日だった。「どうせ無職になるなら、私がやりたいことをやって見よう」と、勝ち気であったという。

インターネット野球サイトで自身に関する話が掲載されると必ず読んで見て、“野球の女神”を比較する書き込みはかなり気にしている。そんなチェ・ヒと飾り気は除いて話し合った。

―最近、多く活動している。インタビューもたくさんやっているようだが、インタビュアーとインタビューのうち、どっちがいいのか?

チェ・ヒ:インタビュアーのほうがいい。私のことを話すのに慣れてないから。選手たちの話を聞いて質問するのが楽だ。まだ私のことや考えを話すのがぎこちない。

―JTBCの「ソル戦」での進行が上手に見える。

チェ・ヒ:「ソル戦」は主題があるため、勉強を熱心にすると話すことがたくさんある。楽しい。しかし、私の過去の経験を話すことが大変である。まだ経験も少なく…その理由でトークショーが難しい。

―XTMとKBS Nの雰囲気はどう違うのか?

チェ・ヒ:KBS Nの「アイラブ・ベースボール」は安定して整理されている雰囲気である反面、XTM「Baseball Wanna B」は後発走者であるため試みも多く、自由な雰囲気である。私が意見を出せる部分もある。家風のある家で教育を受けた後独立して私の家を飾る感じだ。

―元々の夢がスポーツアナウンサーだったのか?

チェ・ヒ:違う。一般企業に入るために多数の会社に願書を入れ、面接も試みた。デパートや流通業界にも入ろうとしたが落ちてしまった(笑) 実は自己紹介書を書く時、なぜ我が社に入りたいかに対して書く部分があるが、本当に書くことがなかった。嘘を付くことはできなかった。

―ではどうやってスポーツアナウンサーになったのか?

チェ・ヒ:まだ覚えている。ある日、ある会社の面接に行ったが、落ちた。すでに他の会社には願書だけ出し尽くして落ちていた時だった。その時「どうせ無職になるなら、私がやってみたかったことをやろう」と思った。そしてすぐ面接の時に着た黒色のスーツ姿でアナウンサー塾に行った。

―元々アナウンサーに関心があったのか?

チェ・ヒ:そうだったが、私には相応しくないと思った。アナウンサー準備をする人を見ると、本当にきれいでショートカットで…何かアナウンサーの雰囲気がする人たちが多いでしょう。私は資格もなさそうで、友達に「アナウンサーになりたい」と話すのも恥ずかしかった。それでも「一度やって見よう」と思い、すぐ塾に登録し、塾の先生から「やって見よう」と言われ、その時から頑張って準備した。

―準備してからどれくらい経ってKBS Nに入社したのか?

チェ・ヒ:6ヶ月で合格した。

―本当に早かった。

チェ・ヒ:KBS Nの前にある放送局に願書を入れたが落ちた。その次にKBS Nに合格したのだ。運命だと思った。本当に嬉しかった。

―特にスポーツアナウンサーになりたかった理由があったのか?

チェ・ヒ:キム・ソクリュ先輩がやるのを見て面白そうだった。元々スポーツに関心が多く、友達から「あなたは野球やサッカーが好きだから相応しい」と言われた。面接のときも他の志望者よりスポーツに詳しくて役に立った。

―実際にスポーツアナウンサーになって、夢見たこととは違った部分があったはずだと思うが?

チェ・ヒ:体力的に大変だった。私が新人の時は今より人が少なくて1週間に4、5回は地方に行った時もあった。毎日が大邱(テグ)、大田(テジョン)、光州(クァンジュ)、釜山(プサン)を回るスケジュールで大変だった。しかし、体は大変だったが楽しかった。そしてもう一つ、スポーツアナウンサーが人々に人気を得る人になるとは思えなかった。スポーツアナウンサーに対する関心が高まるのを見て本当に驚き、意外だと思った。

―野球場に行くと、男たちの世界であるため大変なことがあると思うが?

チェ・ヒ:初めには間違ったこともないのに何か萎縮してしまう感じがした。気まずくて選手たちと目を合わせることさえできなかった。行動一つ一つに慎重を期した。しかし、時間が経ってある程度気楽になり、今は選手たちに取引先の社員に対してのように接することができ、私の同僚たちのようにも感じられる。

―元々周りの反応に敏感な方なのか?

チェ・ヒ:たくさん気にする!書き込みも一つ一つ読んでみる。

―傷ついた書き込みがあったのか?

チェ・ヒ:私なりに4年間最善を尽くしたと思ったが、そんな努力さえ無視された時。「綺麗な顔のおかげで人気を得た」という書き込みがあったが、私は顔を信じたことが一度もない(笑) 4年間真面目に働くために努力した。最善を尽くさなかったと言われると少し悔しい。もちろんルックスに対しては人によって好みがあると思う。「不細工だ」と言われたらちょっと悲しいけれど「ではより綺麗になる!ダイエットしよう」と思うようになるが、「あの人は何もないくせに努力さえしない」と言われると腹が立つ。「私がいくら努力したのかあなたたちが分かるの?」と話したい。いい書き込みを見ると全部キャプチャーし、IDも覚えておく。

―「MLB PARK」「DCインサイド野球ギャラリー」にも入るのか?

チェ・ヒ:入る。掲載したことはなく、ただ見るだけ。

―“野球の女神”を比較する書き込みも見たのか?

チェ・ヒ:昔は気にして、嫉妬したこともある。新人の時には他の放送局のアナウンサーも気にしたが、時間が経つと共に「ああ、私たちは一緒に歩くべきだ」と思うようになった。今は全然気にしない。後輩アナウンサーが入っても「今回はあの後輩が人気を得てるね」と思う。

―学生時代にはどんな学生だったのか?

チェ・ヒ:女子高校に通った。普通の女子高校生だった。ほとんどが女の友達だった。人の前に出るのも苦手だった。発表や手を上げて質問することも恥ずかしくてできなかった。時々カラオケやゲームセンターに行く普通の女子高校生だった。

―男たちに人気があったと思われるが?

チェ・ヒ:うん…(悩んだ後)少しあったようだ。

―女子高校だっただろう?塾で?

チェ・ヒ:塾もそうだし…隣の高校の生徒たちが会いに来たこともある(笑) このような話はちょっと恥ずかしい。

―大学生の時には?

チェ・ヒ:サークルに入った。ダンスサークルとサッカー部のマネージャー。そこで男の友達がいたが、皆就職や結婚、彼女ができた後は連絡が切れた。今はほとんど女の友達しかいない。親しい選手もいない。親しいとしても1年に10回も連絡しない。

―兄弟は?

チェ・ヒ:私より2歳年下の弟がいる。

―お姉さんがチェ・ヒだと人に自慢するだろう。

チェ・ヒ:弟は人に話さない。親友だけが私が姉という事実を知っている。弟も人の前に出るスタイルではない。運動が好きで静かな男らしい男だ。そして自分のせいで私が被害を被るかも知れないと思ってそうするようだ。

―もっとも好きな本や作家は?

チェ・ヒ:面白く読んだ本は「本は斧だ」。好きな作家はチョン・ヨウル。チョン作家の「その時知っていたらよかったもの」が好き。

―スポーツアナウンサーになってもっとも幸せだった瞬間はいつだったのか?

チェ・ヒ:「アイラブ・ベースボール」の最後の放送をした時、スタッフたちと打ち上げをしたが、本当に幸せだった。

―残念だったのではなく?

チェ・ヒ:もちろん残念だった。しかし何か幸せで胸がいっぱいだった。やりがいと言うか。私が「アイラブ・ベースボール」の最長寿MCだった。5年の内4年間MCを務めた。思い出も多く、人々と楽しく仕事した。また、私が辞めても私に取って代わる後輩たちがたくさんいる。辞めても心配することがなかった。「アイラブ・ベースボール」を辞める時、残念だと思いながらも胸がいっぱいだった。道理に従う感じがした。

―チェ・ヒという名前にはどんな意味があるの

チェ・ヒ:祖父が名付けてくれた。輝くヒ(熙)。輝く人、世の中を明るくする人になれ。

記者 : イ・スンロク、写真:ユ・ジニョン