ファン・ボラ「『約束のない恋』は個性派から演技派に移るターニングポイントになった作品」

OSEN |

ファン・ボラを“ワントゥッコン(王様のフタ:韓国のカップ麺)少女”と呼ぶ人は、今どれほどいるのだろうか。もう“ワントゥッコン少女”より女優というタイトルが似合う人になった。ドラマから映画、演劇まで様々な分野で演技のキャリアを積んできた彼女にデビューから11年という時間は短いものではなかった。

最近放送を終了したJTBCドラマ「約束のない恋」でファン・ボラは女優としてより深まった感情表現を披露した。個性豊かなイメージで主に巫女、悪女などの役を演じてきたが、「約束のない恋」だけは違った。世間知らずで無垢なスングム役を通じてファン・ボラは、自身の新しい面を見せてくれた。

スングムは利己的に振舞うことができない人で、人間関係において全く計算せず、ちょっとしたことにも胸を痛めて涙を流すキャラクターだった。それだけ感情演技が必要な人物だった。スングムはファン・ボラを女優として一段階成長させてくれた存在だった。

「今までユニークな役を沢山してそれほど感情演技が多い作品はなかったです。今回のドラマには泣くシーンが多かったです。スングムは情に脆い子で沢山泣きました。私は元々涙もろい性格で、他の作品ではそれが合わなかったけれど、スングムとはよく合いました。今回はよいキャラクターに巡り合ったと思いました」

これまで演技より先にイメージを見せてくれたファン・ボラは「約束のない恋」で感情演技への渇きを解消した。「約束のない恋」は人々の些細な話、人々の関係などを描いただけに、日常的な感情を表現する演技が求められた。

「個性的なキャラクターが多かったけれど、今回、感情演技といった部分が解消されました。私は俳優たちがいるところに必ずいました。演技しながら相手の演技にリアクションしました。それを監督が撮っていたんです。それで監督は私が知らなかった部分を見つけてくださったし、私も自分も知らない自分が分かるようになりました」

大きな目とやや厚めの唇が魅力で、個性的なキャラクターを演じてエネルギーを伝えたファン・ボラは「約束のない恋」を通じて個性派女優から演技派女優に跳躍することができた。今では多くの人がファン・ボラを“ワントゥッコン少女”ではなく、女優ファン・ボラと見るようになった。

「『約束のない恋』でドラマに復帰し、『約束のない恋』で従来のイメージを変えることができました。昔は人々が私を個性的な女優だと思っていたけれど、『約束のない恋』に出演してからは、見る目も変わってきました。一度は展示会に行ったけれど、ある方が私に『“ワントゥッコンファン・ボラ”だと思っていた。これほど清純な女性だとは思わなかった』とおっしゃいました。個性派から演技派に移っていくターニングポイントになった作品です」

デビューしてから10年を超えたファン・ボラは引き続き演技への熱望が胸に満ち溢れている。演技しながら自分の足りないところを強く感じ、それによって演技への情熱はさらに強くなった。自身の足りないところを知ってそれを埋めるため努力し続けているのだ。そんな態度がその人を“よりよい人”に成長させることは確かな事実だ。ファン・ボラは、今その過程を歩んでいる。

「私の足りないところが分かってから欲張りました。正直に言って、私は若い頃才能があって、感情も豊かだと思っていたけれど『約束のない恋』をしながら私の限界を見ました。本当にセリフが覚えられなかったのです。撮影で私が話すべき時に頭の中が真っ白になりました。気が滅入って台本を抱きしめて寝たこともあります。私に何もないことを知った時は死にたくなりました。ところが、その瞬間生まれ変わりました。役を問わず一生懸命に演技しなきゃと誓いました」

自分の足りないところを知って努力を怠らず「約束のない恋」で6ヶ月間ひたすら演技に集中したファン・ボラは「約束のない恋」に続き、MBC水木ドラマ「ずる賢いバツイチの恋」に出演し、絶えず演技している。その努力が報われるようだ。

「与えられたことに瞬間瞬間頑張りたいと思います。『約束のない恋』で良いチームと俳優たちに会ってやる気が出ました。本当に演技派に移ることのできる演技がしたいです。それで、うちの所属事務所の人々を私が全部食わしてあげたいです(笑)」

記者 : カン・ソジョン