B1A4 ジニョン“とても素敵な”歌手、そして俳優、そしてジニョン

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鋭い目つき、美しい顔のライン、今にも漫画を破って出てきそうな容貌が一番先に目に入った。しかし、これだけでは彼を十分説明することができない。人気アイドルグループのリーダー、作詞家、作曲家、プロデューサー、そして俳優に至るまで、多芸多才なこの男。それに、インタビューの間ずっと明るくて前向きなことを話して顔に微笑みを浮かべる姿は、多くの人がどうして彼に魅了されたのかをきちんと教えてくれる。

2011年のデビュー以来、自分たちの音楽的カラーを着実に積み上げてきた5人組アイドルグループB1A4。メンバーたちが歌詞を書いて曲を作るこのグループの中心にはリーダーのジニョンがいる。今年1月にリリースした2ndフルアルバム「WHO AM I」のタイトル曲も、ジニョンが作詞作曲した「Lonely」だ。B1A4はこの曲で地上波とケーブルの音楽番組で8回も1位を獲得した。さらに、映画「怪しい彼女」を通じてジニョンがスクリーンで注目される新人として浮上したことも欠かせない重要な事実だ。

何一つもいい加減にすることなく、絶え間なく挑戦を続ける24歳のジニョンと話をすればするほど、世の中のどんなことでも全てやり遂げそうな自信が生まれてきた。ジニョンがインタビューの間ずっと前向きなエネルギーを伝えてくれたからだ。ジニョンがB1A4のリーダーとして、歌手として、そして俳優として存在できるエネルギーは、まさにここから出ているのではないだろうか。

―2014年の初めから良いことが相次いで起こっている。1月に発売したB1A4の2ndフルアルバムのタイトル曲「Lonely」で8回も音楽番組で1位を獲得し、ジニョンが出演した映画「怪しい彼女」は動員観客数が800万人を超えた。

ジニョン:とても大きな愛を受けているようで申し訳ない気までする。今度出る時はより素敵な姿をお見せしなければならないとか、怠惰になってはいけないという考えもたくさんするようになった。そのためか、気を引き締めてより熱心に頑張っている。

―普通、会社では四半期ごとに業務実績を評価する。もしB1A4のここ3ヶ月、つまり1四半期を点数にすると、何点だと思う?

ジニョン:80点?(笑) 光栄な受賞も多かったし、バロはSBSドラマ「神様がくれた14日間」にキャスティングされた。僕が出演した映画「怪しい彼女」も良い成績を収めたし、シヌゥもMBCラジオ「シンドンの退屈打破」のレギュラーゲストとして出演している。サンドゥルとゴンチャンも自分ならではの実力を磨きながら色んなことを準備している。素敵な作品のオファーが来たら、出演すると思う。このようにメンバー全員のことを考えたら、それなりに充実して幸せだった3ヶ月だったと思う。

―それでは、残りの20点は?

ジニョン:それはより努力して満たしていくべき部分だと思う。

―今日はメンバーたちがいないので、メンバー一人ひとりの長所について話してみよう。一緒にいる時はお互いを褒めると照れるから。

ジニョン:まず、シヌゥは現実的な部分がありがたいメンバーだ。僕は未来志向的な性格が強過ぎて、たまに手綱を緩めた子馬のようにのさばる時がある(笑) 話にもならないことを考える場合が多いが、そんな時はシヌゥが少し現実的な目線で見てくれるのでそんな僕を落ち着かせてくれる。そして、年下のメンバーたちに兄としての役割をちゃんと話してくれるので、すごく気が楽になり、感謝している。サンドゥルは常に努力してたくさん研究するタイプだ。自分に課題が与えられたら、怠けず熱心に頑張る。それで、サンドゥルを見ていると気持ちが落ち着くし、安心できる。サンドゥルの今後の姿がとても楽しみだ。バロも自分がやるべきことは自分で分かってやる。僕が気を使う必要がない。何かを要求すると、100%ではなく200%完璧にやり遂げるから。それに、バロはB1A4のビタミンのような存在だ。僕たちが疲れていたら、バロが話かけてくれたり笑わせてくれる。ゴンチャンは末っ子だが心強い。僕たちが年上なのに、辛い時に末っ子の肩を貸りる時がある。末っ子がそんな役割まで果たすとは思わなかったが、ゴンチャンはとても強い心を持っていて頼れるメンバーだ。

―ラジオで、宿舎でサンドゥルと同じ部屋を使っているが、2人とも部屋の片付けが上手くできないと聞いた(笑) この場を借りて、ルームメートに部屋を上手く片付ける方法についてアドバイスを一言。

ジニョン:アドバイスできない。最近は僕の方が部屋を散らかしているからだ。本当に大変だ(笑) この間、きれいに片付けたばかりなのに再び服が積もり始めた。他のメンバーの部屋はきれいなのに……。最初からサンドゥルと僕が同じ部屋を使うこと自体が間違いだったのかもしれない。本来は2人で使ったら相手のことを意識して熱心に片付けるだろうと思ったが、むしろ相手に頼っている。「大丈夫。このぐらいでいい」「明日着るんだから。そのままここに置いておこう」のように話し合ってるから、部屋はだんだん汚くなるしかない。近いうちにまた片付けなければならない気がする(笑)

―B1A4のメンバーたちと離れ、映画やドラマの撮影現場で先輩や後輩、同僚俳優たちと共演した感想は?B1A4のジニョンではなく、チョン・ジニョン(ジニョンの本名)として撮影に臨んだから、普段と違う感じがしたと思うが。

ジニョン:そんなことよりも、B1A4の一員として撮影現場に行くという感じの方がより大きかった。グループを知らせなければならないという考えが大きかったから。もし僕がそこで上手くできないと、グループに直接的な影響を及ぼすだろうから、そんなことにもたくさん気を使った。一人だと感じたことは一度もない。メンバーたちは常に僕の心の中にいる。

―「優雅な女」と「怪しい彼女」でドラマと映画にそれぞれ1本ずつ出演した。演技とは何なのか、少しは分かるようになったのか?

ジニョン:魅力に気づいた。僕の場合は経験が多くないので知りたいことが多かった。色んなキャラクターを通じて誰かの人生を生きてみるということは、とても貴重な経験だと思う。「優雅な女」ではチャラ男のコン・ミンギュを演じて、やったことのない経験ができた。僕は彼のようにはなれないけど、キャラクターを通じてトラブルも起こしてみた(笑) また、映画での孫のキャラクターもすごく面白かった。

―普段、演技の練習をしているのか?

ジニョン:特に練習はしていない。練習というよりも、様々な作品を見ながら研究しようと努力している。演技は練習するからといって上手くなることではないような気がする。1人のキャラクターを理解して、その人物に夢中になって演じた方がより役立つと思った。作品に入る直前に、一緒にキャラクターを分析してくれる助っ人はいる。僕が理解できない部分や経験のないことが多くて、アドバイスをもらっている。「怪しい彼女」の時は最初から監督とたくさん話し合った。キャラクターについてより詳しく理解しているだろうし、望んでいる姿があると思ったので、監督に聞いてみた方が早いと思った。

―ところで、「怪しい彼女」ではロックバンドとはいえ、顔をあまりにも白く塗り過ぎて驚いた。声はジニョンに間違いないのに、あの顔は誰だろうと思った。

ジニョン:僕も最初は本当に驚いた。メイクの時に眠くなって少し寝て起きたら、あんな顔になっていた。どうしようと少し戸惑ったが、撮影を重ねるうちに徐々に慣れた。弘益(ホンイク)大学で初めて撮影を行ったが、通り過ぎる人たちが僕たちを避けて歩いた。怖いだろうなと思った。顔に稲妻まで描いていたから(笑)

―この辺で聞いてみよう。顔、音楽、演技のうち一番自信があるのは?

ジニョン:えーと、顔以外、音楽と演技だ。音楽と演技はあまり違わない気がする。表現する方法が違うだけで、同じようなことだと思う。音楽は歌詞で、演技は台詞で話すじゃないか。また、歌を歌いながら涙を流す演技をすることもある。演技と音楽の経験は互いに役立つ気がする。

―結論はいずれも自信があるという話だね。進取的で挑戦的な性格なようだ。

ジニョン:ものすごく挑戦的だ。とりあえずぶつかってみようとする性格だ。

―失敗した経験はないのか?

ジニョン:失敗したこともあったが、それも全部何かになるための過程だと思った。挫折はしなかった。悪いことがあっても「再び立ち上がればいい」と思った。どうせチャンスはまた訪れるから、「次にもっと大きいものを手に入れよう」と思うようになった。この分野で生き残るためには、そして今後僕が社会生活をやっていくためには、こんな心構えが必要だと思った。それで「そう、あなたはそうやりなさい。僕はこう考えるから!」のような考えが僕をより強くしたと思う。だからといって、他の人の話を聞かないという訳ではない(笑) 失敗と言わなければならないことについて問い詰めてみたら、そうだったようだ。

―非常に前向きだ。

ジニョン:今回のアルバムの歌詞にもこんな僕の性格が反映された曲がある。「愛、あの時は」という曲で、この曲の歌詞がとても前向きだ。「愛、あの時は僕に幸せを与えたが、結局別れという悲しみをくれました。別れ、あの時は僕に悲しみを与えたが、もう痛みよりも良い思い出」という歌詞だ。愛したから別れたことがとても痛くて辛いじゃないか。それであの時は大変だったが、今になって考えてみたらその経験があったから違う恋ができるという気がした。あの時の痛くて辛かった記憶が全て経験になったということを表現した。

―こうやって話しているうちにジニョンの魅力が分かった。人々がどうしてB1A4やジニョンが好きだと思う?

ジニョン:気楽さだと思う。ファンミーティングなどで見ると、僕たちのファンは僕たちを堅苦しく感じるのではなく、まるで隣の家のお兄さんのように接する。ファンたちが僕たちを気楽に思っているから、僕たちもそう思うようになる。そして、その方がむしろコミュニケーションも取りやすい。ファンは僕たちに会いに来たわけだし、僕たちもファンに会いに来たからかっこつける必要はないじゃない。たぶんそんな姿を気に入ってくれていると思う。

―B1A4といえば、一番先に善良なイメージが思い浮かぶ。ひょっとしたらこのようなイメージが後に負担になるかもしれないと考えたことはないのか?

ジニョン:もし僕たちがそんなイメージをわざと考えて作っていたのならそうなるかもしれないが、僕たちは素直な姿を見せているのだから負担になることはない。ありのままの姿でファンに接して一緒に話を交わしている。

―自身の持つ基本がまともじゃないと、“ありのまま”ということは非常に難しい部分だ。

ジニョン:性格が善良なのかどうかまでは分からない。人はどう変わるか分からないから(笑) でも、あえて頭の中で考えながら行動することはない。ただ心が向くようにやっている。こんなことを考えながらやる方がより大変だと思う。

―やはり生まれながらのアイドルだ。

ジニョン:そうかな(笑)

―アイドルは言葉や行動一つに対しても誰より色んな話を聞くことになる。それに、「僕がこう話したらこんな反応を見せるだろう」と計算する場合も多いが、ジニョンからはそんな気振りが全く見えない。

ジニョン:あ、僕たちも気にしていることはある。ファンに良い記憶、素敵な思い出を作ってあげたいので、ファンが好きなことをやりたいという気持ちは大きい。

―それは好きな人たちに何かやってあげたいという気持ちだろう?

ジニョン:そうだね(笑)

―ポータルサイトで「B1A4 ジニョン」を検索したことがあるのか?

ジニョン:もちろんある。

―それでは、人物情報の名前の隣に出てくる言葉も知っているだろう。歌手と……

ジニョン:(記者と同時に)作曲家。

―歌手と作曲家という2つの単語でジニョンを表現するには足りない感じがする。作詞、作曲、プロデュースまで行っているが、このうち一番気に入っていることは?

ジニョン:いずれも同じく気に入っている。それで、並行することができる。曲を作りながら歌詞を書くので、どちらかの一つがないともう一つが出てこない。歌詞の正確な内容までは出てこなくても雰囲気は出てくるので、最初からテーマを考えることはない。頭に自然と浮かぶ歌詞を見ながら、こんな歌詞が出たからこんなテーマにしようと考える。全てのことは言葉で表現するしかないじゃないか。でも作曲の場合、言葉ではなくメロディーであることを表現するということ自体がとても魅力的だ。経験したことややってみたいことをを曲に盛り込むので満足感もあるし、これ自体がもう一つの経験になる。

―一人で作詞作曲する場合はそんな風に作業するが、もしバロやシヌゥが作詞に参加する場合はどんな風に作業が進むのか?

ジニョン:ラップの歌詞は僕が書けない部分なので、2人とたくさん話し合う。ラップの部分だけおいといて、「この部分に歌詞を書いてほしい」とは言わない。僕が作った曲を聞かせて曲のストーリーを最初から最後まで全部話す。「こんな曲で、男女がこうなる曲だ。君のパートではこんなスタイルが欲しい。君もこんな経験があるだろう?その経験をできるだけ引き出して書いてほしい」のようにお互いに話し合ったら、曲についてより深く理解して作業できるようになる。

―プロデュースまでやっているから、メンバーたちの強みを誰よりももっと多く発見しなければならない立場だ。それでは、ジニョンの強みは誰が見てくれるのか?

ジニョン:以前は僕一人でディレクティングしていたが、最近は順番にやっている。メンバーたちにそのようにやってみたいと、それが非常に良い方法だと話した。歌はスキルも重要だが、歌の感情をどれだけ上手く生かせるのかというセンスも本当に重要だ。それで、曲を作る作曲家の立場になって考えたら、曲をより深く理解しながら歌えるだろうと思った。メンバー一人ひとりがその作曲者の立場になってディレクティングしてくれる。こうしたら歌に対する理解が高くなり、次に自分が歌う時はその曲により夢中になって歌うようになる。従来の曲のインスト(Instrumental:楽器だけで演奏された曲)バージョンを自分が作った曲だと思ってレコーディングする練習もたくさん行った。自分が作ったと思ってディレクティングしたら、それぞれの個性が出てくる。

―メンバーたちがお互いの強みをチェックしているということだね。

ジニョン:そうだ。僕が歌う時はメンバーたちがチェックしてくれる。僕が作曲した曲ではあるが、メンバーたちがそれぞれ自分なりにその曲を理解してどんな風に歌ったらいいのかについて考えてくれる。そして、話し合って僕はこう考えたが、君はこんな考えなんだと意見を調整していく。B1A4というグループが一つの音楽を作っていく。

―自分の声についてはどう思うのか?とても独特な方だが。

ジニョン:正直に言って好き嫌いが分かれる。それで、すべての人が好きな声に変えていくことが僕の課題である。気楽に聞けるが、僕だけのカラーも持つことが目標だ。

―メンバー全員の声のカラーが違う。

ジニョン:それで予測ができない。僕が先にガイドレコーディングをしておくが、録音しながらも「今と全く違う曲になるだろう」と思う。メンバーたちの声が入る瞬間、ようやくB1A4の曲になる。サンドゥルは非常にパワフルな中音を出して曲にインパクトを与える。シヌゥは高音が上手で、ロックな雰囲気の曲に合う。高音を上手く歌えるので、歌を華やかにしてくれる役割を担当している。ゴンチャンは美声が本当に美しい。それで、たくさん使いたくなる。声が一つの楽器のようだ。バロも歌を上手く活かしてくれる。洞窟のような低い声自体が素敵なので、どんな曲にも合う。

―作曲する時、メロディーはどこからインスピレーションを受けるのか?

ジニョン:頭が空っぽになっている時が一番たくさん出てくるようだ。作業室で考えると、むしろ良いメロディーが浮かんでこない。それよりも、道を歩く時や車に乗る時にメロディーがよく生まれる。歩く時は何も考えてないか、もしくは思い出のようなものを考えるじゃないか。そのように特別なことを考えない時、頭がすっきりしている時に僕も知らないうちにメロディーを口ずさむようになる。それで、「あれ?このメロディーいいじゃん」と思ったら、すぐに録音機に録音する。以前もこんなことが多かったが、その時は記録せずただ口から出たメロディーだろうと思っていた。でも、曲を書くようになってからはそんなメロディーを逃してはいけないと思うようになった。

―キャッチする能力を身につけたと思う。

ジニョン:それが本当に必要だ。歌詞の場合もメロディーがまだ出ていない状態で、色々話していると大きなテーマが出てくる。一つの単語や文章からテーマを探す。その言葉を見ながらこれは昔、僕が経験したことと似ていると思って歌詞のテーマにしたり、独特なテーマがあったら取り合えず保存しておいて後にそれについて書くこともある。でも、とにかく大衆に聞かせる曲なので、気にしなければならない部分が色々ある。単語自体もインパクトや共感が必要で、そんなことが難しい。

―寝る前に必ず音楽を聞くと聞いた。その習慣も曲を作ることに影響を与えていると思う。昨日はどんな曲を聞いたのか?

ジニョン:色々と聞いている。わざと音楽を聞いてから寝るようにしている。昨日は自分で作曲した曲を聞いた(笑) 曲を書いている時は自分が作った曲をたくさん聞く。聞いているうちに新しいメロディーが浮かぶ場合もあるからだ。

―だからか、“1人称視点”の小説のように、ジニョンが作った曲もジニョンの雰囲気が強く感じられる。自身の性向と似た曲を作る人もいるが、逆にそれから抜け出したいと思う人もいる。

ジニョン:大きく抜け出す必要はないと思う。僕たちの経験と曲を作る時の環境や状況が僕たちのカラーと出会い、ようやくB1A4のカラーになるからだ。このカラーを維持すると同時に、変化を与えていくつもりだ。でも、大きく変わることはないと思う。最初と最後だけを比べたら変化が大きいはずだが、違う歌手の曲のような感じは出したくない。曲を聞いて「B1A4の曲っぽい」と思ってくれれば成功だ。

―「Lonely」を初めて聞いた時、一番先に「感性はレトロなのに感覚は洗練されている」と思った。B1A4独特の感性と表現法がある。

ジニョン:そうだ。周りからもアナログ的感性が多いとよく言われる。「愛、あの時は」も古典的な雰囲気がたくさん漂っているし、「Lonely」も最初の部分はある意味、ださい感じがするかもしれない。でも、最近のスタイルのソースを使って以前のスタイルの編曲を試みたら、他の曲と違う感じがした。レトロな要素と現代的なものが調和を成して多くの人が共感できる曲になったようだ。歌詞も難しくないように書いた。「一緒にご飯を食べようとしたのに、君がいない。映画を見ようと思ったのに、君がいない」なんて本当にありそうなことじゃないか。難しい言葉を使うよりも、誰もが一度経験したようなことを簡単に表現することが最も重要だった。言葉を素敵にラッピングしたり、難しく表現しては共感を買うことができないだろうと思った。

―もう少し具体的に話してほしい。

ジニョン:僕が以前感じたことをそのまま書いた。遠回しに表現しなかった。僕の経験を話すと、「一緒にご飯を食べよう」という歌詞で思い出したのはピザだ。以前付き合った彼女とピザをよく食べに行ったからだ。彼女と別れた次の日、親しい友達と一緒にピザを食べに行ったが、ピザを食べても、友達といても全然楽しくなかった。そして、映画もいつも彼女と一緒に見に行っていたのに、友達と見る自分が何だぎこちなく感じた。そんな感情をそのまま表現した。曲を完成させてから少し不思議だったのが、以前の気持ちがそのまま表現された部分はなかなか声が出なかった。「歩く 歩く また一緒に歩いたら 僕たち一緒に歩けたら いいな」の「いいな」をわざとメロディーを入れず、ただ話すように歌った。「何かをしたらいいな」というその一言で曲の全体を表現した。何ともないと思ったが、録音の時にその部分だけ100回以上歌い直した。

―今、恋愛経験について話したが、映画のような恋を夢見るロマンチストだと聞いた。頭の中に描いているロマンチックな恋があるのか?

ジニョン:今は映画のシーンしか思い浮かばない。道を通り過ぎている時に一目惚れして、後ほど再び出会う。それで、「どこかで見たことがあるような気がするんだけど、僕たち会ったことありませんか?」と始まる恋もあるだろう。また、お互いにぶつかって本を落とし、恋に落ちるようなこともあるだろう。

―実際の恋愛経験の中で記憶に残った、ロマンチックな瞬間もあるのか?

ジニョン:もちろんある。でも、幸せなことは全体的にぼんやりとした記憶として残るようだ。むしろ大変だったことが一つ一つ針のように鮮明に痛く残っている。

―痛く残っている記憶とは?

ジニョン:苦しかった経験の一つを表現したのが「Good Love」た。男女の恋が冷めていく時を表現した曲だ。実際に以前、彼女とカフェで会ったが、その時僕たちは恋が冷めていく途中だった。それで、ほぼ一言も話さなかった。二人とも別れるだろうと直感していて、彼女が少し涙を見せた。でも、彼女も僕も別れようと言えず、ただ座っていて、帰った。「今日に限って言葉がないですね。どうしたのか話してください」という歌詞は正直、恋はすでに冷め切っているのにそのことを話す気力が出ない状態なのだ。それで、ゴンチャンにできるだけ淡々とした声で歌ってほしいと話した。「僕は悪いやつ」の部分からが本音だ。「あ、僕がこうしてはいけないのに、どうしたんだろう」と昔に好きだったことが頭に浮び上がる。この曲は頭が痛いほど悩んで書いたのではなく、本当にその日のその感情を書いた。最初は「どうしよう。B1A4の曲っぽくない」と思った。僕たちはこんな曲は歌ったことがないのにと、かなり動揺した(笑) それで、メンバーたちに聞かせるまで気持ちが重かった。僕の感情のまま書いてしまったと心配したが、メンバーたちがうまく歌ってくれて感謝している。

―今話した彼女は“ピザ”の彼女とは違う人なのか?その後、どうやって別れたのか?

ジニョン:他の人だ。その時が実際の別れだった。後に電話してちゃんと別れた。初めて二人が同意して別れた。僕も彼女も悪いと思ってなかなか言い出せなかったが、色々話しながら本当に気軽に別れた。愛の温度が下がるほど、悪い感情を持って別れたわけではない。非常に昔の話だ。高校の時だから(笑)

―聞くと力が出る言葉は?

ジニョン:「素敵な人だね」という言葉を聞くと嬉しくなる。

―今日話してみたら、本当に素敵な人だ!

ジニョン:ありがとう(笑) ハンサムだとかきれいだという言葉よりも、素敵な人だという話を聞くと自分がちゃんと生きているような感じがする。僕の人生が誰かに迷惑をかけてはいないという気がして、本当に嬉しくなる。

―今年24歳になったが、30歳になった時を考えてみたことがあるのか?

ジニョン:とても若い方だと思っていたのに、アイドルにしてはそうでもなかった。もうこんなに時間が流れたのかと思うと、少し怖くなる。すぐ30歳にもなるだろう。周りの人たちは「いや、まだ若いのにそんなこと言うの?」と言うかもしれないが、僕が感じる時間の早さは違う。

―30代のジニョンはどんな姿だと思う?

ジニョン:B1A4のメンバーとして活動しているだろうし、もう少し心の安定を見つけていると思う。音楽活動も、演技活動も熱心に頑張っているだろう。また、今はできていないことをたくさん試みて、その結果を手に入れていると思う。

―今後のB1A4はどんな姿を描きたいのか?

ジニョン:負担にならず、僕たちが今までやってきた通りに今後もやっていけばいいと思う。僕たちは曲も作っているから、僕たちの状況や経験を盛り込んでより発展した姿と僕たちのカラーを見せていきたい。少しずつ変わっていく姿をお見せしたい。

―2月のコンサートでファンたちが「力になってあげる」という応援ボードでB1A4を応援した。最後にファンに一言。

ジニョン:その応援ボードがなくても、ファンは僕たちにとって常に力になる存在だ。今も力を十分もらっているのに、さらに力を与えてくれて、その日は過負荷が生じて涙が出た。これからは逆に僕たちがファンに力を与えなければならないと思う。よりたくさん気遣って、好きだという話ももっとたくさん言いたい。

記者 : イ・ジョンファ、写真 : ク・ヘジョン、翻訳 : ナ・ウンジョン