東方神起「Spellbound」音楽番組のカメラワークを徹底比較分析

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パフォーマンスがアイドルの花だとすれば、それを効果的に映し出すカメラワークは音楽番組の花である。アイドルがカムバックする度にポイントとなる振り付けが常に注目され、パフォーマンスはもはや必須となった。特異で目を引く振り付けは、歌そのものよりも人気を集めることもあるため、彼らのパフォーマンスを映すカメラワークは音楽番組の中で最も重要な部分であると言える。音楽番組は歌手の華麗なステージを見ることができる最も身近な窓口であるため、そのカメラワークによって歌手たちが用意したパフォーマンスの効果は倍増、又は半減したりする。どの音楽番組がアイドルたちの音楽に花を咲かせたのだろうか?10asiaカメラマンでは毎週一組のグループを選定し、そのグループのポイントになっている振り付けを通して音楽番組のカメラワークを比較する。

一体この男たちの限界はどこまでなのか。1月「Something」の“ロープパフォーマンスで”一線を画し、今回は魔術師に変身したようなパフォーマンスを披露した。先月27日東方神起は、7枚目のリパッケージアルバム「Spellbound」をリリースし、本格的な活動に突入した。すでにワンテイク技法で撮影されたミュージックビデオで話題を集めた東方神起は、音楽番組のカムバックステージでもミュージカルを連想させる躍動的なパフォーマンスを披露した。「Spellbound」というタイトルのように手で呪文をかける動作、魔術師がパントマイムをする動作が際立っている。マドンナ、クリスティーナ・アギレラなど世界的な歌手の振り付けを演出した有名振付師NappyTabsの作品にふさわしいクオリティだ。どの音楽番組が東方神起のカムバックステージを一番効果的に捉えることができたのだろうか?

総評
どの音楽番組も万全の体勢を整えていた

KBS 2TV「ミュージックバンク」、MBC「ショー 音楽中心」、SBS「人気歌謡」、3局の音楽番組ともに万全の体勢を整えているような印象を残した。東方神起の「Spellbound」のミュージックビデオを何度繰り返して見たのだろうか、振り付けの理解度が100%に近かった。さらに今回のパフォーマンスはワンテイク技法で撮影することで効果的に捉えることができるので、各放送局が繰り広げたワンテイク技法でカメラワークの真髄までうかがうことができる。3局の音楽番組が先を争ってステージセットと華麗さを披露した。

番組ごとに異なる東方神起のスタイルも見どころだった。「ミュージックバンク」での白いスーツ、「ショー 音楽中心」での破れたジーンズ、「人気歌謡」での黒いスーツなど、モデルオーラを漂わせる東方神起を鑑賞するのも楽しい。これまで10asiaカメラマンはポイントの振り付けを選定して各音楽番組を比較したが、今回の「Spellbound」のステージはステージセット、衣装、カメラワークが絶妙な調和を成したステージだったため、各音楽番組のステージを別々に評価した。

2014年2月28日KBS 2TV「ミュージックバンク」原作を忠実に再現したカメラワーク
舞台セット:★★★★
カメラワーク:★★★☆
オマージュ点数:★★★★☆


「ミュージックバンク」はミュージックビデオと同じ衣装とほぼ同じようなセットで原作を忠実に再現した。原作のオマージュのようだった。また、他の放送局は必要な時にワンテイク技法を使ったが、「ミュージックバンク」はほとんど最初から最後までワンテイク技法を披露した。しかし、ワンテイクで少し平凡に見える部分もあった。さらに、ワンテイク技法の退屈さを紛らわすために斜めのアングルを使ったり、アングルを左側から右側に移動させたりしたが、このような方式を頻繁に使ったため、ダイナミックな振り付けを正確に捉えることができなかった。特に2節が始まる部分でユンホは「だけど、僕が思う通りにリードしたわけでもない、そうではない」と歌いながらステージの片方に移動する。そして、再び反対側に移動するが、カメラはその間をかきわけながら自然にチャンミンの姿をカメラに捉える。ミュージックビデオと「ショー 音楽中心」「人気歌謡」はこの方式でカメラワークを披露した。しかし「ミュージックバンク」はユンホの動きを追い、ただ左側から右側にアングル移動する平凡なカメラワークであった。しかし「ミュージックバンク」は原作を忠実に再現しただけに、ステージセットとカメラワーク、スタイリングが調和を成し、東方神起のパフォーマンスとコンセプトを最も正確に捉えることができた。

2014年3月1日MBC「ショー 音楽中心」ユンホ兄さん、このままずっと前髪を下ろすのはダメですか?
舞台セット:★★★
カメラワーク:★★★
前髪点数:★★★★★


「ショー 音楽中心」で最も注目を浴びたものは、カメラワークやステージセットでもない東方神起のスタイリングだった。東方神起は「Something」からスーツを着てダンディな姿を披露していたが、今回の「ショー 音楽中心」のステージでは破れたジーンズとチェック柄のベストを着てカジュアルな雰囲気を見せた。すでにジャケット写真で一度公開されたスタイルだが音楽番組で見るとさらに喜ばしい。特にユンホの前髪!前髪を下ろしたユンホのヘアスタイルはカジュアルさと相乗効果をなし、大学のフンナム(優しい癒し系の男性)な先輩のような温かさを漂わせた。これまでの東方神起がステージの上で紳士のようにスーツを着こなしていたなら、「ショー 音楽中心」での姿は親しみのある近づきやすいイメージだった。

しかし、「ショー 音楽中心」のステージセットやカメラワークはどこか物足りなかった。「ミュージックバンク」と「人気歌謡」は華麗なセットを披露したが、「ショー 音楽中心」は背景にトランプの柄を映しただけだった。赤と白が順番に映る背景はむしろ邪魔であった。重要な振り付けをすべて捉えることはできたが、フルショットで捉えたため物足りなさを残した。ダンスブレイクの後、ユンホとチャンミンが腕を広げながら、同時に両側に移動するパフォーマンスでユンホだけを捉えたため、振り付けを効果的に捉えることができなかった。さらに女性ダンサーたちとの群舞が重要な時にもアップで映したり、足だけをアップで映したりするなど、残念な瞬間もたびたびあった。

2014年3月2日SBS「人気歌謡」コンサートを彷彿とさせる華やかさ
舞台セット:★★★★☆
カメラワーク:★★★★
黒い幕点数:★★


華麗で、繊細だった。「人気歌謡」は東方神起の「Something」のミュージックビデオと同じようなステージセットを使い、むしろ「Spellbound」のミュージックビデオのステージより華麗なステージセットを準備した。また「TVXQ」と大きく書かれた大きな幕を活用し、格別なスケールでミュージカルの雰囲気を生かした。しかし“過ぎたるは猶及ばざるが如し”という言葉がある。意欲的に準備されたゴールドで「TVXQ」と書かれた黒い幕がゆっくり上がったため、ユンホとチャンミンの声は聞こえたが、画面に2度も幕だけが映った。特に最初、幕が登場した時はユンホがテーブルの上に上がって女性ダンサーたちとパフォーマンスを披露しており、見逃すには惜しい場面だった。ミスさえなければ、星5つのステージセットだった。

しかし、「人気歌謡」は1節のチャンミンのパントマイム部分と2節から続くワンテイク部分まで逃すことなく、すべてカメラに捉えた。それだけではなく東方神起の後ろから映し、ファンを見ながら踊る東方神起の姿、パパラッチが写真を撮っているようなカメラワーク、そして観客を捉えたカメラワークなどでコンサートを彷彿させる躍動感を与え、「人気歌謡」だけのカラーを表現した。

記者 : パク・スジョン、写真提供 : KBS 2TV・MBC・SBSキャプチャー・SMエンターテインメント、翻訳 : チェ・ユンジョン