“映画女優”miss A スジを見い出した制作会社、次のターゲットはEXO?

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写真=TVレポート DB
正統派恋愛映画として歴史に名を刻んだ映画「建築学概論」(監督:イ・ヨンジュ、制作:ミョンフィルム)はしっかりとしたストーリーと演出、俳優たちの好演で興行に成功した。特に、宝石のような新人の登場で多くの観客に愛された。

実際、miss Aのスジやチョ・ジョンソクなどの「建築学概論」が生んだスターはその後お茶の間とスクリーンを行き来しながら活発な演技活動を繰り広げている。何よりスジは“演技ドル”(演技のできるアイドル)の限界を乗り越え、“映画女優”というタイトルを得て高く飛び上がった。“初恋のアイコン”に浮上したスジは男性ファンの愛情を一身に受けた。映画界では「建築学概論」の最大の功労者はスジだと言う声もあがっているほどだ。

かつて映画界は演技派俳優を好んだ。誰もが簡単に見れるテレビドラマとは異なり、観客がチケットを直接購入する映画は演技力を備えた俳優だけが成功することのできる舞台だった。針の穴ほど小さく、厳しかったそんな場所にアイドルの存在なんて想像することさえできなかった。

そんな未知の地にも新しい風が吹き始めた。昨年だけで2PMのジュノとテギョン、MBLAQのイ・ジュン、FTISLANDのイ・ホンギ、BIGBANGのT.O.P、少女時代のユリ、ZE:Aのシワンというアイドル7人が映画に出演した。ジュノは「監視者たち」(監督:チョ・ウィソク、キム・ビョンソ)で550万人、シワンは「弁護人」(監督:ヤン・ウソク)で1130万人の観客を動員した。

チャンスが来たその瞬間に行動しなければならないという言葉通り、スジから始まった良い流れをジュノやシワンなど、すでに演技をする準備が整ったアイドルたちが引き継ぎながら“演技ドル”のスクリーンデビューがどんどん増えている。映画女優スジを生んだミョンフィルムの先見の目が映画界の流れを完全に変えたのだ。

ミョンフィルムのシム・ジェミョン代表は最近、TVレポートとのインタビューで演技ドルのパワーを強調した。シム・ジェミョン代表は「スター性のある俳優が大事な時代になった。意図的ではないが、ミョンフィルムはスター性のある新人に注目しており、作品ごとにそのような原石をキャスティングしようと努めている」と説明した。

彼女はスジをキャスティングした当時のことを振り返りながら「可能性が見えた。当時からスジは“国民の初恋”の条件を備えていた。清純な顔立ちに隠された演技力など、すべてを満たしたスターだった。役者としてのタレント性が十分にあった」と話した。

シム・ジェミョン代表は「アイドルの中には演技をしたがる人も、すでに準備ができている人も大勢いる。『アイドルはアイドル、演技ドルは演技ドル』と分ける必要はもうない。よく探してみればスジみたいな宝石が多い」と演技ドルの可能性を示唆した。

今年もすでに映画にチャレンジしたアイドルたちが良い成績を記録している。「怪しい彼女」(監督:ファン・ドンヒョク)に出演したB1A4のジニョンが715万人の観客を動員し、快調なスタートを切った。昨年、「同窓生」(監督:パク・フンス)で実力を認められたT.O.Pが「タチャ-神の手-」(仮題)の撮影に参加しており、「監視者たち」でデビューに成功したジュノは最近「メモリーズ 追憶の剣」(監督:パク・フンシク)の撮影を終えた。BoAは最近公開された「官能の法則」(監督:クォン・チリン)でミヨン(ムン・ソリ)の隣に引っ越してきたソン・ボムシク役としてカメオ出演し観客に面白さを与え、現在は「ビックマッチ」(仮題、監督:チェ・ホ)の撮影に参加しており、昨年の音楽授賞式で大賞を総なめにした人気アイドルEXOのディオも「明日へ」(監督:プ・ジヨン)の撮影に邁進している。

スジに続いてBoAとディオをキャスティングしたシム・ジェミョン代表は、「観客に面白さを与えたくてBoAに出演を依頼した。ディオの場合は意図的なキャスティングだ。『明日へ』は非正規職問題を指摘する映画であるうえに、女性中心の映画という先入観があったため興行的に難しい面があった。それを補いたくてディオを選んだ。若い観客の関心を集めたかった。ディオのおかげで『明日へ』が広く知らされた」と説明した。

「明日へ」は制作費調達のために5000万ウォン(約476万円)を目標とするクラウド・ファンディング・システム(不特定多数の人がインターネット経由で他の人々や組織に財源の提供や協力などを行うこと)を導入し、わずか21日で目標金額を達成する勢いを見せた。比較的早い期間内に5000万ウォンを集めた「明日へ」は今月9日まで1次追加ファンディングを行い、近いうちに2次ファンディングを行う計画だ。

シム・ジェミョン代表は「EXOのファンがファンディングにたくさん参加してくれた。ファンディングだけでなく、私たちがリリースした『明日へ』の報道資料をファンの間で共有し、口コミで拡散してくれる。このような部分だけを見ても演技ドルのパワーがどんなに大きいのかが分かる」と付け加えた。

演技ドルのスクリーンでの地位はもはや無視することができなくなった。ダイヤモンドのように完璧なわけではないが、上手く磨けばダイヤモンドにも劣らない光を放つ彼ら。誰が“第2のスジ”、次世代の演技ドルになれるのか。映画界は今、アイドルに注目している。

記者 : チョ・ジヨン