ホン・デグァン、変身を図った彼が語る“グレーな音楽の世界”

OSEN |

教会のお兄さん、ミルク男ホン・デグァン(29)が変わった。キレイで澄んだ歌声や歌唱力は変わらないが、優しい教会のお兄さんのイメージから脱皮し、寂しい雰囲気が漂う男として戻ってきた。彼のトレードマークだったメガネを外し、真冬に寂しいグレーの感性を歌い始めた。

先日OSENとインタビューをしたホン・デグァンは、新しいアルバムの発売を控え、ルックスから多くの変身を図っていた。昨年の春、デビューミニアルバムですらりとなった姿を公開して話題を集めたが、今回は成熟さや寂しそうな雰囲気まで漂わせた。初めて試すという薄いスモーキーメイクと目元がじんわりしているような寂しい雰囲気が22日に発売された彼の新しいアルバム「The Silver Lining」に対する期待感を高めた。

2012年ケーブルチャンネルMnet「SUPER STAR K4」で歌手としてデビューしたホン・デグァンは、澄んだ優しい歌声や優れた歌唱力で人気を得た。その後、昨年4月デビューアルバム「遠ざかる」を発売し、音楽配信チャートを独占するなど良い成果を収めた。特に、このアルバムでホン・デグァンは6曲の作詞・作曲に参加し、シンガーソングライターとしての可能性を認められている。その分、彼の次の音楽を待つファンの期待がさらに高まっている状態である。

9ヶ月ぶりに発売されるホン・デグァンのニューアルバム「The Silver Lining」は、雲の裏に隠された太陽の明るい光という意味で、「希望の光」と訳される場合もある。太陽が雲の後ろに隠れて光を隠しているように、オーディションスターに続きシンガーソングライターの夢を叶えたホン・デグァンの今後の音楽的に進む道を暗示している。タイトル曲「答えがなかった」はさらに成熟したホン・デグァンが過去の自身に伝えるメッセージを表現した。自分自身との思い出を落ち着いた声で淡々と歌い、孤独な感性を慰める。

今回のアルバムはホン・デグァンならではのカラーがさらに濃くなった。デビューアルバムの期待以上の成果に対する感謝と驚きを超え、今回はさらに彼が望む、彼のカラーが色濃くにじむ音楽をするために努力した。そして、その分音楽に対する悩みも大きかった。

「音楽的にも内面的にも成熟し成長しながら過ごしました。音楽的には『SUPER STAR K』とデビューアルバムが終わった後、どんな音楽をすればいいかについて悩みましたし、方向性を探すために練習して準備していた期間でした。デビューアルバムの後、心残りのあった部分を修正したかったんです。ボーカルで高い音が多くて耳が疲れる感じでした。温かい音色を出したくて練習もたくさんしましたし、低音を混ぜる練習もして、マイクも変えてみました」

新しいアルバムを発売するまでの9ヶ月はホン・デグァンにとって音楽的に成長する一方で悩みも多かった時期だった。国民的なオーディション番組と言われる「SUPER STAR K4」を通じて顔を知らせ、順風満帆にデビューしたが、適応する時間が必要だった。ホン・デグァンはこれまでの多くの悩みと心配をここ9ヶ月に注ぎ込んだ。緊張とプレッシャーの連続だった活動期間中の悩みを振りきって新しいアルバムを準備しながら嬉しさと期待を感じるようになったのだ。以前よりも力が抜けて、硬直していたものもリラックスしてきた。多くを省いて減らしただけに、今回のアルバムで彼の(彼が望む)色はさらに濃くなった。

「大体は長いブランクを過ごした後フルアルバムを発売する場合が多いですが、フルアルバムでカムバックしようとしたら、曲の雰囲気が異なっていたため分けることになりました。今回のアルバムは少しグレー、モノトーンに近いです」

休んでいる間、そして新しいアルバムを準備しながら、ホン・デグァンは自身が好きな音楽と人々が好きな音楽の中間点を見つけるために努力した。基本的にはストリートミュージックに近いカラーを求めるホン・デグァンと、人々が彼に求める明るい音楽には違いがあった。ホン・デグァンはその交差する点を探すのが優先課題だと述べた。

「まず一番やりたい音楽はストリートミュージックに近いです。アイランド系の、霧の中で歌えば似合いそうなそんな音楽をやりたいです。ダウンな感性が好きです。しかし、ファンたちはアップな感性が好きです。無限に明るい曲です(笑) 僕は歌詞についても既存のものを拒否する傾向があります。これまでになかった僕だけにできることを夢見ているのです。僕が好きなものとファンが望むものの中間点を見つけることがミッションだと思います。その地点を諦めずに適切にミックスしました」

ホン・デグァンは新しいアルバムの活動をスタートし、以前より多く放送番組への出演も予定している。音楽番組以外にもバラエティ等、様々な放送活動をしながら彼の新たな姿を人々に見せるのが目標である。特に、彼はケーブルチャンネルOnStyle「ペットリアリスト」に出演して新しい姿を見せている。

「バラエティに対する抵抗感が強いわけではありません。やってみて感じたんですが、慣れていくものだと思います。カメラに対して無神経なため怒られたりもしますが、カメラに対する恐怖感がだいぶ消えました。慣れていくものだと思います。以前はどうしても教会のお兄さんのイメージが強くてバラエティは容易ではありませんでした(笑) 以前は放送に出演するたびに間違えたらどうしようかととても緊張していましたが、今は楽しくめる要素が1つずつ出てきたと思います。自然になるのは時間が解決してくれるということが分かりました」

ホン・デグァンといえば欠かせないのが「SUPER STAR K4」である。歌手チョン・ジュニョン、ロイ・キムと一緒に生放送に進出して、すでに正式デビューする前から多くの支持やファンを確保した。しかし、番組の人気と同じくらい、出演者たちはデビュー後に修飾語のようにつく「オーディション出身」という言葉にプレッシャーを感じるのではないだろうか。もちろん、この番組によって人々に顔を知らせて成長したが、その後デビューや音楽活動に対してプレッシャーを感じるのも事実である。あるいは同じ「SUPER STAR K4」の参加者にも感じるものがありそうだ。

「無いといえば嘘になるでしょう。あるしかありません。番組をする時から比較されていましたし、それぞれのアルバムを発表している状態で、それぞれ活動をしていますので、僕たちの間ではあると思います。言わなくても何かと競争意識もあって、やきもちを焼くわけではなく、それぞれの位置で定着していくものですから。かえってそんな部分があるからもっと頑張れるのもあります」

ホン・デグァンは歌手として“信念”を守る人になりたいという。子供の時から彼の本当の夢は「60歳になって、田舎で農業をしながら音楽をする人になることです」と話し、音楽家としての信念を守ることが重要だと強調した。色々な道が存在する中で、中心を守り信念をもって歩むことが大事だという。多くのアイドル歌手たちがデビューしている中、ホン・デグァンの差別化される点も彼だけの“方向性と音楽”なのである。

「『多くの方々に僕の音楽を通じて希望を持ってほしい』という人生の信念と目標があります。良い音楽をする人以上に、良い人になりたいというのが人生の目標です。後々、町のみすぼらしいビール屋さんに行って、ふと歌を歌える歌手になりたいです(笑)」

記者 : ソン・ミギョン