Vol.1 ― 放送終了「秘密」逆転を見せたドラマの魅力に迫る

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KBS 2TV水木ドラマ「秘密」(脚本:ユ・ボラ、チェ・ホチョル、演出:イ・ウンボク、ペク・サンフン)が韓国で14日、全16話の幕を下ろした。水木ドラマの中で最も弱いと評価されていたこのドラマの“どんでん返し”は、多くの視聴者に痛快さを届けてくれた。また韓流スターへの依存度が高い韓国ドラマでも、作品そのものの力だけで多くの視聴者にアピールできるという事実を証明した。

「秘密」がもたらした“逆転のドラマ”をまとめてみた。

スター脚本家をも緊張させた新人脚本家の力

「秘密」は昨年ミニシリーズ脚本公募で優秀賞を受賞した新人脚本家チェ・ホチョルが企画した作品だ。メイン脚本家として合流したユ・ボラも新人脚本家である。このようにミニシリーズを執筆した経験が全くない新人脚本家たちが大きな成果を挙げた。ドラマ脚本家のほとんどが直接対決を避けるスター脚本家キム・ウンスクや、「ブレイン 愛と野望」で演技大賞の受賞者を誕生させたユン・ギョンア脚本家などベテランの脚本家と対決し、勝利を収めたのである。

二人はスター脚本家にあまりにも依存している韓国ドラマ業界に新鮮な衝撃を与えた。「秘密」は、新人脚本家と新人監督の発掘が活発に行われている短編ドラマの存在理由を証明してくれた作品として長く人々の記憶に残ると思われる。

韓流スターに依存しない演技の力

「秘密」は出演料が制作費の半分以上を占めるトップの韓流スターに依存していた韓国ドラマの持病にも良い治療法を提案してくれた。「俳優の命は演技」という言葉を証明しているかのように、「秘密」ではファン・ジョンウム、チソン、ペ・スビン、イ・ダヒなどの男女主人公はもちろん、カン・ナムギル、イ・ドクファ、ヤン・ヒギョン、カン・シニル、チョン・スヨン、ファン・ソクチョンなどの助演、そして脇役の俳優たちまで全出演陣が演技力を持ってすばらしい調和を成し遂げた。

特にファン・ジョンウムはありきたりの受動的な“キャンディ型ヒロイン”から抜け出し、“行動するキャンディ”を完成させたと評価されている。自分の大事な人を守るために炎の中へも飛び込めるユジョンを見ながら、視聴者が共に笑い、共に泣くことができたのはファン・ジョンウムの抜群の演技力のおかげであることはもちろんだ。

視聴者に響いた作品の力

「秘密」はよく出来た脚本と抜群の演技に素晴らしい演出、そして視聴者による口コミ効果が完成させたドラマだった。第1話の放送で水木ドラマの視聴率最下位として出発したこのドラマが、スター脚本家とトップの韓流スターなしでも水木ドラマの視聴率1位に急浮上できたのには、視聴者の力が何よりも大きかった。「秘密」に熱狂した視聴者の口コミ効果の威力は想像を超えるものだった。脚本家や出演俳優のファンが多いライバル作品も、不特定多数の視聴者が支持する「秘密」の前ではなかなか力を発揮することができなかった。

ライバル作品と比べてみると持っているものがほとんどなかった「秘密」が視聴者に自然と響いたのは、やはり作品の力があったからである。「秘密」の成功はドラマの制作陣に「作品そのものの力を信じるなら、脚本家や俳優に依存せずに果敢に進んでいけ」という教訓を与えた良い事例になったと評価されている。

写真=KBS 2TV「秘密」スクリーンショット

記者 : イ・ウイン