Vol.1 ― 「ハートレスシティ」ナム・ギュリ“カッコいいアクション女優になりたい”

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写真=マイデイリー DB
ガールズグループSee Yaの人形のようなメンバーであるナム・ギュリはいなかった。総合編成チャンネルJTBCドラマ「ハートレスシティ ~無情都市~」(脚本:ユ・ソンヨル、演出:チャン・ヨンウ、イ・ジョンヒョ)のナム・ギュリは、強靭な女戦士のようだった。

最近、ソウル江南(カンナム)のあるカフェで行われたインタビューの際に出会ったナム・ギュリは、まだドラマのユン・スミンの役柄から抜けきれていないようだった。孤児院で育って、たった一人の姉を麻薬組織により失い、自ら犯罪の住処に入ってアンダーカバー(諜報活動のための潜入行為やスパイを指す)になる強いキャラクターを、ナム・ギュリはどう演じたのだろうか。

「ある日、『ハートレスシティ ~無情都市~』のシナリオを受け取りました。確定ではなく、このようなシナリオがあるから打ち合わせをするという連絡をもらいました。第1話のシナリオを読みましたが、ぐっと引かれる何かはありませんでした。ただ私たちがよく見る、ヤクザ世界の話だと思いました」

ナム・ギュリの言葉のように、第1話のユン・スミンのシーンは、他の俳優たちより比重が少ないほうだった。しかし、ユン・スミンの本当の真価は、第4話から少しずつ発揮され始めた。ユン・スミンは決断力があり、不良ではあるが悪者ではない、強いキャラクターだった。

「これまで私が見せてきたキャラクターとは異なる部分がありました。その時から打ち合わせを何度もするようになったんです。もともと、1~2度会ってキャスティングをするところ、私はものすごくたくさん会ったほうです。監督や脚本家は『この子にできるだろうか』と思ったようです。今まで私が元気でボーイッシュな姿しか見せたことがなかったからです。そのような困難な過程を経てキャスティングされました」

制作陣は、人形のようなナム・ギュリから意外な姿を見た。軟弱に見えるが、その中にある強靭な姿は、自身の実際の姿を隠さなければならないアンダーカバーのユン・スミンと似ていたからだ。

「私が魅力を感じたのも、平凡ですが強靭かつ凄絶さだったので、同情をそそる感じを与えることができると思いました。多くのことを見せたかったです。周りの人たちは、可愛らしいラブコメディにしか出演しないと思ったと言うんですよ。このような役柄を果たすにはまだ至らない点が多いですが、自分の中の可能性を見せたかったです」

それでナム・ギュリは、生まれて初めてアクションに挑戦することになった。殴られるだけでなく、自身も殴るシーンが多く、目の前が真っ暗になったこともあった。体中アザだらけになり、肘の保護膜が破裂して2週間ギブスをつけなければなかったこともあった。しかし、全てにおいて耐えた。

「感情を露わにするシーンを撮るときは、本当に飲食しなくなるほど没頭して撮ったんです。他の人はご飯を食べに行っても、一人で座ってパンを食べながら感情を維持したりしました。トーンがあまりに明るいとスミンというキャラクターに合わないので、鋭敏な感情を維持しようと一時間だけ寝に行ったりしていたんです。感情的な部分をたくさん考慮しました」

ナム・ギュリは、今回の作品を通じて極端に異なる感情を演じた。何も知らないかのような純粋な女性のふりをしながらも、ある瞬間アンダーカバーに変身して強い警官の一面を見せた。その過程で、切ない嗚咽シーンから胸をドキッとさせる甘いロマンスに至るまで、多彩な姿を見せてくれた。

「(チョン)ギョンホ兄さんとロマンスシーンを撮る時に、兄さんを引っ叩くシーンがありました。その時、私が足で蹴らなければならないのに、ギョンホ兄さんはドラマで喧嘩のシーンをよく撮影していたので、反射的に避けました。リハーサルをしたら、兄さんの靴のかかとで私の足の甲を強く踏まれました。あんなに痛いのは生まれて初めてでした。撮影が中断されたほどでした」

それでもナム・ギュリは、未だに残念がった。もっと多くのアクションシーンを見せたいと言いながら。ドラマの中で、あんなにたくさん走って転んで殴られても、依然として彼女にはアクション女優に対する意欲がみなぎっていた。

「私は足蹴りが上手なんです。だから武術監督が喧嘩のシーンにぴったりだと言いながら、アクションを地道にやりなさいと勧められました。普通、女性は殴られる練習をたくさんしますが、私はさらに殴る練習をするようにと言われました」

今でもナム・ギュリはアクションの練習はもちろん、夜の1時までサイクリングをして体力を養っている。「ハートレスシティ ~無情都市~」を撮影しながら、アクション女優には体力が最も重要だという事実に改めて気付いたからだ。「ハートレスシティ ~無情都市~」は、ナム・ギュリに本当に多くのことについて悟らせた作品だった。

「この作品をしながら台本を手放したこともなく、どこかに遊びに行ったこともありませんでした。それではいけないということを、このドラマが私に気付かせてくれたみたいです。私にとっては、本当に胸を張ることができる情熱です。演技が完璧だというよりは、ベストを尽くしたんです。だから後悔はありません」

記者 : チョン・ヒョンジン