「天命」イ・ドンウク“僕の天命は他でもなく…”

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※この記事にはドラマ「天命」の結末に関する内容が含まれています。
内医院の医師チェ・ウォンの“天命”は、病気の人々のために生涯医術を施し、奉仕することであった。では、チェ・ウォンを演じたイ・ドンウク(32)の“天命”とは何だろうか。彼は「俳優として生きること」だと答えた。

「今この生活が本当に楽しくて幸せだ。淘汰されたり、人々の記憶から消えたりすることなく、作品を通じて心を通わせ続けたい。それだけでもできるとしたら、素晴らしいだろう」

今年で演技歴14年目を迎えた彼にとって、俳優としての人生は運命そのものだ。イ・ドンウクは先月27日に韓国で放送終了となったKBS 2TV水木ドラマ「天命:朝鮮版逃亡者物語」(以下「天命」)で医師チェ・ウォン役を演じた。「天命」は、朝鮮時代の中宗(チュンジョン)の晩年に仁宗毒殺の陰謀に巻き込まれて逃亡者となった内医院医官チェ・ウォンが、難病の娘ラン(キム・ユビン)を救うために繰り広げる死闘を描いた作品だ。副題は「朝鮮版逃亡者物語」である。「天命」は結局チェ・ウォンがホン・ダイン(ソン・ジヒョ)と結婚し、娘と幸せに生きるエンディングで幕を下ろした。


「『天命』の振るわなかった成績は僕のせい」

イ・ドンウクがデビュー以来初挑戦した時代劇であった。自らラブコメでディに強いということは分かっていたが、わざと同じ道を選択しなかった。もちろん、簡単ではなかった。出演陣の演技力に関する議論が広まり、全20話の平均視聴率は9.1%(全国基準、ニールセン・コリア調べ)であった。彼の西洋的なルックスが時代劇には相応しくないという評価もあった。低い評価が続くと気にするのは不思議ではないが、イ・ドンウクからはそのような感じはしなかった。すべてを認めているかのように穏やかだったのだ。躊躇することなく出てくる彼の言葉から、妙な力を感じた。

「映像美、作品性は優れていたと思う。それなのに視聴率が低かったということは、僕の力が足りなかったせいだ。主演俳優として良くない評価をされても、言い訳や責任逃れはしたくない。結果に失望したのは事実だが、時代劇を経験もすることができたし、僕なりのノウハウも学んだ」

イ・ドンウクは最後の撮影を振り返り「山を降りていく時、なぜか足が前に進まなかった。逃げる演技ばかりして、とても大変だったので、終わったらすっきりすると思っていたのに、何とも表現できない感情が込み上げ、泣きそうになった。その場で少しとまってから降りてきた」と撮影終了の寂しい気持ちを伝えた。


「バラエティ番組のMCもいいが、今は演技に集中したい」

“挑戦する男”イ・ドンウクに、今後挑戦してみたい役は何なのかと聞いた。やはり予想もしていなかった答えが返ってきた。「天命」で漢方医を演じた彼だが、今度は現代劇で医師を演じてみたいという。白衣がよく似合いそうだ。

イ・ドンウクは昨年SBSバラエティ番組「強心臓(カンシムジャン)」でカン・ホドン&イ・スンギの後を継ぎ、シン・ドンヨプと共にMCを務めた。バラエティ番組に出演したことのない彼が突然MCに抜擢され、一部では期待とともに懸念もあった。しかし、日々上達するトークや果敢な進行で好評を得た。

「バラエティ番組のMCをまた務めたい。しかし、それは気持ちだけであって、今オファーされたとしてもすぐにはできない。演技にもう少し集中したい。10ヶ月間『強心臓』のMCを務め、ある程度は僕の一面を披露できたようだ。もう少し実力をつけ、自分のストーリーもできた時にまた務めるのがいいと思う」

MCとして共演したシン・ドンヨプについては「時々連絡をし、たまに会う。ドンヨプ兄さんに会ってお酒を飲む時が一番楽しい。本当に良い人と一緒にいるという感じがする。下ネタも多いけれど……(笑) でも、それがメインではない。むしろ僕の悩み相談によく乗ってくれる」と伝えた。


「結婚は遠い未来…理想のタイプもない」

イ・ドンウクは劇中で医女ホン・ダインと恋に落ち、盗賊の頭の娘であるソベク(ユン・ジニ)の愛情を独り占めした。三角関係にあったダインとソベクの性格は正反対だ。ダインは落ち着いており、愛情の表現に消極的だが、ソベクは単純で無知な、とりあえずハツラツとした少女であり、自分の感情をそのまま表現する。チェ・ウォンはそのようなソベクの愛の告白を断っていた。

それでは、イ・ドンウクの恋愛観はどのようなものだろうか。

「頑張るタイプだ。最善を尽くし、後悔はしないようにする。好きになるとそれが表に出るし、相手も僕のことが好きであるように感じるので、時期を見て告白する。押したり引いたりの恋の駆け引きはできない。

男たちが綺麗で優しい女性を好むのは誰でも同じだ(笑) 実は僕は理想のタイプというのがない。出会った時にある程度僕に合いそうだという感じがする。まだ結婚については真剣に考えたことはない。いつかはすると思うけれど、近い将来ではないだろう」

記者 : キム・ボラ、写真 : ムン・スジ