Vol.2 ― 「7級公務員」2PM チャンソン“ファンにいつも申し訳ない気持ち”:SPECIAL INTERVIEW

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信頼して見ることができる役者チェ・ガンヒとチュウォンの間に、新人と言っても過言ではない2PMのチャンソンとは。アイドルグループ2PMのメンバーである彼が「7級公務員」にキャスティングされたと初めて聞いたとき、心配が先走った。下手をすると迷惑になるかもしれないためだ。アイドルとしては視聴者が持っている先入観を悔しく思うだろうが、正直な話、アイドルが駄目にしたドラマは1本や2本ではない。しかし、初回からそのような懸念を完全に払拭したチャンソン、彼に賞賛と激励の拍手を送りたい。何をどう準備し、どのような覚悟で臨んだのか、彼に会って話を聞いてみた。

―安定した演技に驚きました。入念に準備したようですね。

チャンソン:練習もしましたが、まずよく考えました。練習の時の些細な行動や感覚をよく覚えておき、実践で適用しています。

―コン・ドハという人物、コミカルかつカリスマ性のある人物ですが、キャラクターに入り込むことが難しかったりはしませんでしたか?

チャンソン:最初は苦労しました。演技指導の先生たちと意見を交わしたり、台本読み合せのたびに学び、感じました。監督と作家の方からたくさんアドバイスを受けて、よく考えたお陰で、少しでも良い評価を受けることが出来たと思います。また同僚からもたくさん助けられています。訓練を受けるシーンを撮影するときは、10日以上一緒に過ごしました。その時に親しくなりました。

―アン・ネサンさんやチャン・ヨンナムさんと出会ったのも幸運ですよね。

チャンソン:もちろんです。初めての撮影に入る前に、アン・ネサン先輩から個人レッスンを受けました。自然なセリフと発音、色々な面でアドバイスをしてくださいました。その感謝の気持ちは忘れられません。

―アイドルが演技の実力に対する厳しい評価から逃れることは簡単ではありません。まず先入観を持って見るので。周りの反応はどうですか?

チャンソン:事務所の人やメンバーたちは上手くやっていると励ましてくれます。軍隊に行った友達から電話をもらいました。楽しく見ていると。軍隊に行くとテレビをたくさん見るようになると言って。

―前回からドハの葛藤が浮き彫りになりました。チュウォンさんと先にインタビューしたのですが、放送があと2話しか残っておらず、この部分がもう少し早めに出るべきだったと残念がっていました。

チャンソン:解いていくべきストーリーは多いのに、(インタビュー当時)あと2話しか残っておらず、残念ではあります。気を入れ直し更に集中して、しっかり表現するしかないと思います。覚悟をしっかりとするべきでしょうね。

―ドハが無念な結末を迎えそうな気がして心配です。

チャンソン:どうなるかは脚本の方が書いてくださると思いますが、良い結末になるのではないでしょうか。僕はそう期待しています。

「基本的な声のトーンや発音の問題が難しかったです」

―演技に自信がつきましたよね。

チャンソン:面白くはありますが、大変な部分がたくさんありました。感情はつかめても、基本的な声のトーンや発音の問題がまだ難しかったです。先輩たちのセリフは自然で耳にすんなりと入るのに、僕はまだまだだからです。撮影の初めの頃から認識していた部分なので、直そうと努力はしますが、まだまだです。これからの道がとても遠いです。

―それでも、今後どうするべきかということは分かったと思いますが。

チャンソン:そうですね。基本的な土台をしっかりしておくと、キャラクターは、人をどれだけ観察するかだと思います。監督のアドバイスですが、僕は若い歳でデビューしたじゃないですか、そのため他の役者さんのように実際の経験から出る、人を観察する見方が足りないだろうとおっしゃいました。僕も深く共感する部分です。そこでまず、たくさんぶつかって、観察したいと思います。しかし僕はあまりにも知られていて、一般的な関係を結ぶことがなかなか難しいということが僕の悩みです。

―役者として活動しながらグループでの活動まで兼ねているので色々と大変でしたよね。

チャンソン:他のことより、飛行機に乗りすぎでした。韓国でだけだと大きな問題はないと思います(笑)

―全く違う分野の仕事ですが、集中する際に問題はありませんでしたか?

チャンソン:撮影を数日間続けてしていると、その中に入りセリフを言って演技することが自然になります。しかし入りそうになるとまた出なければならないので。コンサートをしてくると、ある程度リズムが壊れることはあります。ステージで完全に集中することも若干難しいですし。そこで何倍も集中しなければなりません。コンサートに行く時も振り付け、歌詞、動きのことをずっと考えながら注意してはいますが。

「これまでがクラスの友達と暮らしていたとしたら、今は新しい職場に就職したことになります」

―どちらが自分に合うと思いますか? 私はアイドルの演技に反対する立場でも、賛成する立場でもありませんでした。迷惑をかけるケースが結構多いと聞きましたので。今回も心配したのですが、とても上手かったそうですね。チュウォンさんも新人を発掘したと言っていましたが。

チャンソン:チュウォン兄さんとはドラマでの関係はぎこちないですが、実際の撮影現場ではカットサインが出たら笑っています。いつもふざけたり、冗談を言ったり。ドラマでは愛憎の関係ですが、カットサインが出たら“愛”だけが残る、そのような関係です(笑)

―なじみのある領域ではない、まったく不慣れな現場だったと思いますが、どうでしたか?

チャンソン:いつも一緒だったメンバーが隣にいないので、新しい経験です。ある意味で頼れる人が1人もいなかったので。それでも僕は、他の方法を探すよりは、自然なほうがよかったです。現場の雰囲気を把握し、どうすれば先輩の方々と上手くできるのかとか、そういうことで悩んだりはしませんでした。ただ気の向くままに行動しましたが、良く見守ってくださり幸いでした。今まではクラスの友達と暮らしていたとすれば、今は新しい職場に就職したことになりますね。今回はっきり分かったことがありますが、僕は本当に人見知りしないタイプだということです。

―昔からしなかったと思います。バラエティ番組で見ると、初対面の女性出演者とも上手く溶け込んでいましたよ(笑)

チャンソン:そうですか(笑) 人見知りは本当にしないと思います。楽しいです。僕以外の人を感じて経験できるということが。社会に出てみると、僕と違う考えを持っている人が本当にたくさんいました。グループ内では違う考えを持っていれば、何故そうなのか分かります。どういうタイプなのか全部知り尽くしているからです。でもここではそうではありません。なぜそうするのか、理解できない時もたくさんありました。とにかく現場に来ると皆疲れきっているので、わざと面白い表情を作ったり、僕なりに現場の雰囲気を盛り上げるために努力しています。

―大変なのは、1人で飛び込んだチャンソンさんだと思いますが。

チャンソン:違います。現場の雰囲気はとても良いです。

―視聴率はだんだんと下がりしましたが、現場の雰囲気は良いんですか?

チャンソン:そうですね。だから不思議です。監督やスタッフも笑顔で撮影しているし。僕は恵まれているのだと思います。

―チェ・ガンヒさんと歳の差がかなりあるじゃないですか。それなのに友達のようでぎこちなさがないですね。

チャンソン:それがチェ・ガンヒさんの力です。最初は僕1人でぎこちなく感じていました(笑) しかしガンヒさんが僕をリードしてくれました。チュウォンさんも周りを和ませる力があります。近づくともう一歩近づいてくれます。アドバイスもたくさんしてくれますし。正劇が初めてなので、些細なアドバイスも大きな力になりました。チュウォンさんはとても繊細な人で、何かアドバイスしてくれた後「こんな話しても大丈夫だよね」と必ず確認したりします。

―ソンミ(キム・ミンソ)とは上手く行くと思いますか?ソンミの愛がとても切ないです。

チャンソン:もどかしいのが、ドハは何故ソンミの気持ちを受け入れないのかということです。完璧な女性なのに。か弱いが強く、責任感もあって。いつかは受け入れるでしょう。

―これから演じてみたい役はありますか?

チャンソン:今までの役以外の役がしてみたいです。実は何がしたいとは思いません。良い作品のオファーが来たのに、してみたい役にとらわれて、他の作品が目に入ってこないのはいけないじゃないですか。様々な方面で、様々な見方で理解できる、そのような役者になりたいです。

「ファンにいつも申し訳ない気持ち」

―2PMにはいつ復帰しますか?

チャンソン:すぐです。5月頃?

―大人たちは2PMのことは分かっていても、メンバー1人ひとりは良く分からないかもしれないので、ステージに立つチャンソンさんの姿を見るとびっくりするのではないでしょうか。

チャンソン:(笑) 今回の曲はとても良いです。世代を問わず好きになってもらえると思います!お楽しみに。

―アイドルグループが忘れてはいけないのは、ファンへの感謝の気持ちですよね。ファン無しでは成り立たないので。

チャンソン:僕はただいつも申し訳ない気持ちです。僕はただ活動するだけで、自分がしたくて活動しているのに、ファンの皆様はむしろ僕にありがとうと言ってくださるので。

―問題を起こさず長く続けることがファンに報いる道だと思います。

チャンソン:グループのメンバー同士でも、一番長く続けるグループになろうといつも話したりしますが、難しいでしょうね。神話(SHINHWA)の先輩たちがいますので(笑)

「これまでの日々、今になって考えてみるともったいないです」

―他の作品に関する計画はありませんか?

チャンソン:アルバムの活動開始が遅かったらもう少し役者としての活動が出来たと思いますが、早まったので。今回、実は多少無理をしながら強行しました。演技にアルバムに海外活動に。次からはこれではいけないと思います。精神的にとても疲れました。

―休みがあれば何がしたいですか?

チャンソン:これといった計画はなく、ただ普段のように過ごしたいです。旅行に行ったりすることは精神的に余裕が出来てから可能だと思います。何もしていないうちに2013年が終わってしまいそうです(笑) 僕だけの経験を積まなければならないのに、時間がありません。

―それでもMBC「思いっきりハイキック!」で見たわんぱくなチャンソンがここまで立派になって嬉しいです。子どもの頃から見てきたからか、まるで自分のことのように思ってしまったりするじゃないですか。

チャンソン:現在「7級公務員」の照明チームに、シットコム(シチュエーションコメディ:一話完結で連続放映されるコメディドラマ)で一緒だったスタッフさんがいらっしゃいます。「SUPER STAR SURVIVAL」の時も一緒でしたが、その方からもそう言われます。しかし今になって考えてみると、軽くよぎる考えではありますが、残念な部分があります。その時に何故そうしたのか?何故それしかできなかったのか?のようなものです。

―今からでも遅くありません。これからがスタートです。

チャンソン:それもそうですね。今年、大変でも役者としての活動をもっとしたいです。ある人物を表現することが楽しいと感じているからです。

エピローグ
この間KBS 2TVのバラエティ番組「リアル体験プロジェクト-人間の条件」のチームとゴミ減量に関して話をしていた私は、何も考えず使い捨てのコップに入っている飲み物を用意したが、チャンソンはタンブラーを持っていた。一発殴られた気分だった。ファンにとって模範になると思う。このような、生活の中での実践や、欲張り過ぎない姿勢がありがたく、何よりもファンにただ申し訳ない気持ちを持っているということが感心である。頼もしい役者としての跳躍が期待される。

文:チョン・ソクヒ コラムニスト

「NAVER スペシャルインタビュー」では、注目が集まっている話題の人物にコラムニストのチョン・ソクヒさんがインタビューを実施。韓国で一番ホットな人物の本音をお届けします。

記者 : チョン・ソクヒ、写真 : MBC、スタジオS、カン・インホ、チョン・ウォンジェ