最終回を迎えた「ドラマの帝王」ストレートな伝え方には拍手を送りたい

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※この記事にはドラマ「ドラマの帝王」の結末に関する内容が含まれています。
写真=SBS「ドラマの帝王」放送画面キャプチャー
SBS月火ドラマ「ドラマの帝王」(脚本:チャン・ハンジュン、イ・ジヒョ、演出:ホン・ソンチャン)が、タイトル通り帝王として君臨することができず、低視聴率で放送終了した。

「ドラマの帝王」は韓国で7日夜、第18話を最後に放送が終了した。この日の放送では、劇中ドラマ外注制作会社の経営者アンソニー・キム(キム・ミョンミン)と脚本家イ・ゴウン(チョン・リョウォン)の切ない愛と、交通事故に遭ったにもかかわらず、ドラマ「京城の朝」の最終回を死守しようとするアンソニー・キムの仕事に対する熱情が描かれた。

とりわけアンソニー・キムの孤軍奮闘する姿は、厳しいドラマ制作の現状を上手く表現したという評価を受けた。ドラマ後半にアンソニー・キムは病気で失明したが、恋と仕事を両立させ、ハッピーエンドを迎えた。

それにも関わらず、視聴率は上昇しなかった。視聴率調査会社AGBニールセン・メディアリサーチの集計結果によると、韓国で7日に放送された「ドラマの帝王」の最終回は、視聴率6.7%(以下、全国基準)を記録した。これは、先週の放送分よりわずか0.1%上昇した数値で、月火ドラマの最下位を記録した。「ドラマの帝王」は、これまで同時間帯に放送されているMBCドラマ「馬医」とKBS 2TVドラマ「ゆれながら咲く花」に押され、視聴率が伸び悩んだ。

視聴率低迷のもっとも根本的な理由は、「ドラマの帝王」のストーリー自体を視聴者らが重たいと感じたところにある。視聴者にとって“外注制作会社”という言葉は馴染みのない言葉である。俳優と制作スタッフとの不便な葛藤、厳しいドラマ制作家庭をお茶の間で愉快に視聴することはできなかった。実際に「ドラマの帝王」は、視聴者がドラマ制作の現状にまで好奇心を持つのだろうかという疑問に悩まされた。

見方を変え、「ドラマの帝王」のストレートな伝え方には拍手を送りたい。「ドラマの帝王」の長所と言えばリアリティである。お金しか知らない外注制作会社の経営者アンソニー・キムを中心に、時間に追われるドラマ制作の現状、PPL(Product Placement:テレビ番組や映画に特定会社の商品を小道具として登場させること)に頼るしかない状況などドラマ制作の裏側をリアルに描いた。

視聴率、直前に仕上がった台本、生放送、PPLなど、ドラマの面白さと感動、俳優たちの好演の裏に隠された真実はまさに“チームキル”と言えるほどだった。

「ドラマの帝王」は、ドラマ制作の現状の愉快さはもちろん、裏に隠された真実を率直に伝えて視聴者とのコミュニケーションを試みた。これまで他のどんなドラマでもチャレンジすることのなかった新鮮な素材を選択した「ドラマの帝王」は、ドラマの多様性を高めることに貢献し、視聴者らに選択の幅を与えた。

記者 : チェ・ドゥソン