「メイクイーン」「いとしのソヨン」「蒼のピアニスト」“家族は人生の足かせ!”…ドラマの家族が変わった

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写真=MBC

「メイクイーン」「いとしのソヨン」「蒼のピアニスト」の家族像

家族主義は、ドラマと映画の中でかけがえのない最上の価値観となってきた。映画「ヨンガシ 変種増殖」のジェヒョク(キム・ミョンミン)が変種ヨンガシ 変種増殖に感染した家族を救うためにあちこち駆けまわる姿は、家族主義を極大化した典型的な例の一つだ。しかし、最近お茶の間では、家族主義を強調するより、家族が人生の足かせとなる傾向がある。

MBC週末ドラマ「メイクイーン」のパク・チャンヒ(ジェヒ)とチョン・ヘジュ(ハン・ジヘ)は、結婚を前提に交際しているカップルだ。しかし、第16話でパク・チャンヒは突然チョン・ヘジュに別れを告げる。チョン・ヘジュのためになら何でもやりそうだったパク・チャンヒがいきなり態度を覆したのは、パク・チャンヒの父パク・キチュル(キム・ギュチョル)の悪行がチャン・ドヒョン会長(イ・ドクファ)に見つかったからだ。パク・チャンヒが中学生の頃、パク・キチュルはチョン・ヘジュを殺害する目的でトラックを運転して突進した。しかし、チョン・ヘジュの継父チョン・ホンチョル(アン・ネサン)が、チョン・ヘジュを突き飛ばし代わりに事故に遭い、命を失った。

愛する女性チョン・ヘジュの継父の殺害犯が自分の父親だということを知ったパク・チャンヒは、チョン・ヘジュとの交際にそれ以上耐えられず、別れを告げる。父親が犯した過去の悪行は、パク・チャンヒの検察官としての経歴とチョン・ヘジュとの恋の足かせとなるのだ。

「メイクイーン」は、男女の恋をすれ違わせるのが得意だ。イ・ボンヒ(キム・ジヨン)とユン・ジョンウ(イ・フン)も同じだ。イ・ボンヒは30年来の友人ユン・ジョンウに積極的に愛情を示すが、彼がイ・ボンヒに対して異性として一度も温かい視線を向けないのは、イ・ボンヒの義理の兄がチャン・ドヒョン会長だという理由もある。検察官を辞める覚悟であらゆる不祥事を抱えるチャン・ドヒョン会長を拘束しようとするユン・ジョンウに、チャン・ドヒョンの義理の妹イ・ボンヒは負担になる存在だ。「メイクイーン」は、パク・キチュル、あるいはチャン・ドヒョンという家族のせいで愛する人と結ばれない状況を描いている。

写真=KBS
「メイクイーン」だけではない。KBS 2TV週末ドラマ「いとしのソヨン」のイ・ソヨン(イ・ボヨン)に、父イ・サムジェ(チョン・ホジン)は人生の足かせそのものだ。イ・サムジェは、お金を稼ごうとナイトクラブの仕事を始め、色んなバイトを転々とする。しかし、このような努力にもイ・ソヨンは父のことを快く思わない。昔イ・サムジェは、お金があれば商売を始めた。しかし、イ・サムジェが手がけた商売はいつも失敗し、その借金の返済は子供たちに残った。父がやらかしたことを子供が面倒をみなければならなかったため、イ・ソヨンは父の存在そのものを快く思っていない。結婚を控えたカン・ウジェの父カン・キボム(チェ・ジョンウ)がイ・ソヨンに父について尋ねると「父はいない」と嘘をつくのも、彼が良き家族と言うよりは迷惑ばかりかける存在だったからだ。

SBS「蒼のピアニスト」も同じだ。「メイクイーン」の継母チョ・ダルスン(クム・ボラ)ぐらいなら優しい方だ。「蒼のピアニスト」のチェ・ヨンラン(チェ・シラ)は義理の息子ユ・ジホ(チュ・ジフン)に致命打を加えるために、笑顔の後ろに鋭い刀を隠し持っている。「蒼のピアニスト」は、継母にいじめられるシンデレラを男性に変えて物語を描いている。

写真=SBS
家族を消さなければならない対象と見ているドラマもある。MBC水木ドラマ「アラン使道伝」の気難しい使道ウノ(イ・ジュンギ)は、あんなにも探し求めていた母の命を奪わなければならない悲劇的な運命に直面する。母ホンリョン(カン・ムンヨン)の体に霊が憑いているからだ。

ドラマ内の家族主義は、このように様々な形で脅かされている。特に「蒼のピアニスト」と「メイクイーン」で家族が人生の足かせとなる理由は“欲望”だ。欲望が一歩間違えると、どれほど強固に構築されている家族主義もどうしようもない。間違えた欲望が家族主義を解体するということは、ある面では強固な家族主義より欲望が優先順位を持つということをも意味する。そしてドラマは、家族主義から発生する物悲しさより、間違った欲望が作り出す葛藤を糧にして育つ。

記者 : パク・ジョンファン