チャン・グンソク“26歳の率直な告白”

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チャン・グンソクをインタビューすると話したら、人々の反応は「本当?マジで?」だった。
ハードスケジュールのせいで数え切れないほどのリスケジュールと待機時間が長い中で、意地という単語と諦めという単語が胸の奥からじわじわと込み上げてくる頃、彼とのインタビューに成功した。待たされただけ、期待が大きくなった。日本列島を一瞬にして魅了してしまい、東京ドームと日本の女心を瞬く間に揺るがしてしまった、時にはラフさで、時には慎重さで新韓流ブームを巻き起こしているこの男のことが気になった。今年でデビュー20周年を迎えた、ラフさと慎重さを同時に持ち合わせた俳優チャン・グンソク。果たして彼の魅力は何だろうか。26歳のチャン・グンソクが語る、本人の率直な物語。

1. I AM Jang Keun Suk

僕をうまく表現できる単語?
多分モノクロじゃないかな。僕の姿の片隅には暗い趣向の黒があるし、もう片隅には明るい白色が同時に存在しているから。はっきりと鮮明に違う2つの色。それがたぶん、僕を一番うまく説明できるカラーであり単語だと思う。でも、もっと率直に言ってしまえば、僕が誰なのか、僕をどう表現したらいいのかは、まだはてなマーク。今は僕を作り上げているところで、明日はまた何をすべきか、また将来はどんなふうになっているか、まだ分からないんだ。

一瞬一瞬最善を尽くすこと、そして将来何かになろうとするよりは、現在を全うする僕を作っていくこと、今はそれだけ。スケジュールがない日は、冬眠に入った動物のように家で寝たり映画を観ながら過ごしている。最近観た映画は、筒井康隆の原作小説を脚色して制作した、仲里依紗主演の「時をかける少女」。

昔成し遂げなかったことをやるために過去に戻ることになった主人公に起こることを描いたストーリーだけど、皆が面白いと感じたこの映画が、なぜ僕は悲しかったのだろうか。触れてはならない過去と事件に対する物語を盛り込んだストーリーだからかな。映画を観る間、「過ぎたことは取り返せないということを知っていながら、周りの人にミスしているんじゃないか、後悔することをしているのではないか、自分一人楽しもうとして周りの人に迷惑かけているんじゃないか…」自分自身のことを振り返るきっかけになった。でも、過去に戻れるならば、20歳のチャン・グンソクに戻りたい。完璧ではなかったけど、自信満々で怖いものなしで、叶えたい夢が多かった時代。当時が一番自由だったし、幸せだったと思う。今の僕は、少しずつ変わらなけらば、と思っているし、変わろうと頑張ってもいる。他人の話に耳を傾けて、また待つこともできる気楽さと余裕が感じられる人になれるように。

2. FRIEND

僕にとって友だちとは?
頼れる心強さ、貴重な時間を過ごして僕の過去を一緒に分かち合った、もう一人の僕。一番長い友達は、広壮(クァンジャン)中学時代に出会った10年目の友達。幼い頃から芸能活動をしていたので、学校にそれほど行けず、それで友達も多くないんだ。一緒に過ごした時間も短いし、思い出もないし、貴重な何かを分かち合うには共通している何かが足りなかった時代だったので、友達を作るのって簡単なことではなかった。当時出会ったからか、一番大切で、気楽な友だちだと思う。互いの家にわいわい集まってビビンバも作って食べたり、喋ってイタズラして……久しぶりに会っても、特に話すことがなくても、一緒にいるとそれだけで気持ちが楽で楽しい。もちろん、夢もそれぞれで考え方もそれぞれ、関心事もそれぞれだけど、幼い頃を一緒に過ごした心温まる思い出のせいか、漠然と気楽なんだ。

芸能人では、軍隊に行っているSUPER JUNIORのヒチョルさんと、RAIN(ピ)さん、そしてチソンさんくらい?特にチソンさんの場合は、時に電話して僕が見逃したことについても話してくれるし相談にも乗ってくれる、セラピストのような先輩なんだ。その他には、悩みと成長痛を共にした、大学の同期。たぶん、彼らがいたから現在が辛くないし、厳しかった時間も乗り越えられたと思う。

3. PEOPLE

人生のメンターがいるとしたら、それは母だと思う。
母と息子という関係の他にも、会社を運営する社長とその会社に所属している芸能人という、また違う関係が存在しているから。

母さんは、他のお母さんとは違うんだ。女史とでも言うべきかな。辛い時、なだめてくれるよりは、自分で立ち上がる方法を探せるようにしてくれた、厳しい人なんだ。間違った選択をしないように、僕を正してくれる人。誰よりも僕に厳しい人。時には寂しい時もあるけど、こんな母がいたからこそ、現在の僕が存在するのではないかと思う。

演技においてのお手本は、レオナルド・ディカプリオ。ハンサムな俳優から演技がうまい役者へと、自分自身を乗り越えたような気がするから。僕もそんな俳優になりたいと思う。また先日、KBS 2TV「トークショー! Do Dream」でパク・シニャン先輩の特講を聞いたけど、本当に怖いほど自己管理に徹底していたのが分かった。学びたいと思ったよ。

仕事の面では徹底して完璧に、人間的な面では周りの人に自分を飾らず、猿知恵など使わず、作り笑いをせず、厳しいなら厳しいと、嬉しいなら嬉しいと言える人。加減なく自分を表現できる、率直で堂々とした人でありたい。

4. STYLE

スタイリッシュだって?
洋服が好きで、他人とは違うスタイルが好きだからそう見えるんじゃないかな。衣装を選択するとき一番最初に考えるのは、着た時のフィット感。僕の場合は、他人があまり選ばない黄色、赤、原色の類も僕だけのスタイルなら躊躇わず選択する方。その上フィットするスタイルを好む方だけど、道を歩いていて可愛い服を見つけたら買っているんだ。常連の店はない。ただ欲しい、可愛いと思ったらどこででも買うから。時間があったら、歩いて細々としたアクセサリーを買っている。スタイルのノウハウなら、カラー合わせ。俗に言う“カルマッチュム(カラー合わせの意)”。ディテールも重要だけど、時計と靴、マフラーと靴のようにカラーを合わせてスタイリングするんだ。悪い癖もある。着替えるのが面倒で、試着しないで買う場合があるんだ。その場合、サイズが合わなくて失敗するケースもしばしばある。

5. TRAVEL

窮屈だと感じたら一人でドライブしたり、歩き回る方。
内部循環路に乗って北岳スカイウェイまで行くドライブコースもいいし、江北(カンブク)の周りは散歩にいい。江北は江南(カンナム)に比べて華やかではないけど、急に作り上げられた感じがないから、歩き回る楽しさがあるんだ。江南のような華やかさはないけど、長い時間をかけて築きあげられた街なんで、余裕が感じられるんだ。

一ヶ月に数日くらいは、少しずつ時間を割いて歩いている。孝子洞(ヒョジャドン)の周りもその一ヶ所。すごく古いスーパーもあるし、小道に面白い垣根もあるし、ちょっと傾いた電柱も面白いし、ギャラリーもあって、頭が複雑なとき歩いていると、いつの間にか心に余裕が生まれていいんだ。機会があれば、インドに旅行に行こうと思っている。ある人は良いというし、また他の人はそれは違うと言うし、二極化の反応を見せるところだけど、僕のことをよく知っている人たちからは、僕がインドに行ったら帰ってこないほど好きになるだろうと言われている。ガンジス川に身を浸し一日中出ないだろうと(笑) もしインドに旅行に行ったら、記憶に残る旅行にしたいと思っている。いつも持ち歩いているパソコンやその他の電子装備は全部おいて、頭の中に全ての思い出を残して帰りたい。インドでは、そうしたいんだ。

6. JOB

今まで出演した作品の中で一番愛情を感じるのは、「美男ですね」。
やりたいと思った役柄は、「タチャ イカサマ師」でチョ・スンウ先輩が演じた“コニ”役や、「母なる証明」でウォンビン先輩がやった“トジュン”役。セリフで表現するより、眼差しで恐怖と雰囲気を作り上げているカリスマ性とユニークさがある役柄で、ぜひ演じてみたい。人には信頼できる役者として認識されたい。だから休まず作品を選択して、演技をしているんだ。役者としての信頼が感じられるまで、絶えず努力する姿を見せたいから。卒業作品は5分で企画して作った映画。僕、チャン・グンソクの話を盛り込んだ、僕自身の映画。人々から愛されていて、やりたいことをやっている僕についての物語。明洞(ミョンドン)で撮影したけど、撮影中幸せだった。

人々から関心を受けて、人々の愛を全身で受け止めて、また何よりもこの仕事を楽しんでいる。「僕って、本当に幸せに生きているし、本当にこの仕事を楽しんでいるな」と、改めて感じたんだ。

7. FAVORITE

最近ハマっているのは、僕自身。
26歳になってから、僕に対する考えが変わった。それで、僕自身を振り返るのに最も長い時間を投資している。他人と一緒にいるのが好きなんだ。友達もいいし、偶然出会った他人もいい。特に、家に人々を招いて、美味しい料理を作って食べて、一緒におしゃべりして遊んだりするのが好き。数年前までも、会社の社員たちに朝ご飯を作ってあげたりしてた。料理がうまいわけではないけど、夜明けまで遊んで帰っても出社する事務所のスタッフたちのために必ず朝ご飯は作っていたんだ。美味しく食べる子供達を眺めながら幸せを感じる母の気持ちとでも言えるかな(笑)

日本語は、独学で始めた。本当に幼い頃から、日本進出は漠然とした夢だったから。20歳になってその計画を現実にしたんだ。噂好きの人たちは、あっという間に日本進出に成功したなんて思うけど、決してそうではないから。長い時間を投資してきたし、昔からの夢を一つずつ叶えたんだ。以前から僕のことを知っている人たちには、「口癖のように言ってたのを、本当にやりのけてしまったね」と言われている。今年は個人的にも僕自身を振り返る時間を持とうと思う。時間があれば、本当にインドにも一度行ってみたいし。料理も学んで、外国語ももっと習いたい。仕事的には、役者としての信頼を得たいし、「あれもこれもうまい」というイメージよりは、「完璧」という信頼を与えたいと思う。

記者 : @star1