「リターン・トゥ・ベース」で復帰するイ・ハナ“ユニークな個性を見つけることが目標”

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映画「リターン・トゥ・ベース」で復帰したイ・ハナ、彼女だけの個性があった

女優にとって3年の空白期間はかなり長かったはずだ。それにも関わらず、イ・ハナは相変わらずその魅力を失わずにいた。ハキハキしているのに、独特の深い表情を見せる。

今日はとても暑いと言いながら水を渡してくれるイ・ハナに、きちんと食事したのかと聞いた。映画「リターン・トゥ・ベース」関連のインタビューとはいえ、ランチタイムまで続いたからだ。彼女は鳥の胸肉を食べたと答え、嫌でも体のために食べなければならないと語った。インタビューを終えてスンデグック(豚の腸詰のスープ)の大盛りを食べようと思っていた私は、少し恥ずかしくなった。

私たちが覚えている女優のイ・ハナは、ドラマ「恋愛時代~alone in love~」のユ・ジホと「メリー&テグ 恋のから騒ぎ」のファン・メリーに分けられる。突飛だが堂々とした当時のキャラクターがイ・ハナのユニークな魅力になったことは事実だった。演技力はキャリアに比例するものではないが、女優の中でもユニークな魅力を持っていた彼女は、これまでどこで何をしていたのだろうか。

「空白期間でしたが、実はアルバムの準備をしていました。あまり遊んだ記憶はありません(笑) 1年くらい友達にもあまり会えなかったし、ちょうど前の事務所と契約が終わっていたので、過去を振り返る時間も持てました。これからも幸せでいられる方法とは何かを考えているうちに音楽をすることを決めました。そのうち台本をもらって、作品にも出演することになりました」


イ・ハナを満たすもの……“バス旅行”

音楽と演技でイ・ハナは、人生を満たしていく方法を身につけていた。以前、司会を務めたある音楽番組で、彼女は自分の感性を自由に表現したのではないか。最近見た映画「ボブ・マーリー/ルーツ・オブ・レジェンド」を挙げ、彼女は自分が享受してきたことを人と分かち合いたいと言った。

ひどいステージ恐怖症を克服するために始めたのが演技だった。大学時代に音楽を専攻したイ・ハナは、次第に演技の面白さを知り、ドラマで自信を持ったり失ったりした。今は音楽とともに演技は切っても切れないものになってしまったという。その中で彼女は、次第に変わっていく自分自身を見つめた。

「私は平凡な人生がそれほど好きではありません。逆に何の感情もない瞬間はもっとつらいです。人生を満たすためには恋愛もしなければならないですし、メリハリをつけなければなりません。音楽をするために友達にも会いませんでしたね。外の世界への満たされない思いを映画で埋めました。経験したことのない感情を感じたりもしました。

それに、私はバスに乗るのが大好きです。じっとしているときよりも、窓の外に過ぎ去ってゆく風景を見るとき、人は安心感を感じるそうです。運転手さんのすぐ後ろに座って、終点を過ぎてまた元の場所に戻るということを繰り返しました。そのうち、バスの路線が短いと感じ、高速バスに乗るようになって1時間半、または3時間とコースを延ばしていきました。そうして、近所の旅館で夜を明かしたり。韓国各地にすばらしい風景がたくさんありました。それも知らずに今までは海外にばかり行っていたなと思いました」

バスという小さなスペースで運転する運転手や映画館で映画が終わってから掃除する人など、普段の光景からもイ・ハナは感動とインスピレーションを得てきたという。「感性が豊かなとき、もっと熱心に取り組まなければならないと思います」と言う彼女を見て、彼女独特の深い感性がどこからくるのかを察することができた。


イ・ハナを満たすもの……“ユニークなものへの憧れ”

飾り気のない姿から素直さが感じられた。饒舌ではなかったが、真心が感じられた。映画関連のインタビューだったが、イ・ハナは音楽と人生への情熱を隠さなかった。

音楽の話だけでも一晩中話せそうだったが、そろそろ本題に戻らなければならない。触れると感傷にふけってしまうようなイ・ハナに、もしかすると芸能人という職業は合わないのではないか。彼女に現在と未来について尋ねた。

「私の夢は、どんな状況でも、この仕事をしようがしまいがいつも幸せでいたいということです。仕事をしていると、悩みやつらさはいつも繰り返されますね。前は、世界中で私が一番つらいのではないかとも思いましたが、今は、悩みはなければならないものだと思います。そのような瞬間がなかったら今の私はどうなっていたのだろうと思います

芸能人ですか?うまく時間を使えれば本当に良い職業ですが、一長一短だと思います。一緒に活動している方々に聞いても、外に出るよりは部屋にいたほうが楽だと言いますね。でも、あまりにも中に閉じこもっていると余計な心配をしたりします。

本当に感謝しているのは、時間がたっぷりあるということです。この仕事には浮き沈みがありますね。与えられた時間をどのように過ごすかが課題です。その時間をどう過ごすかによって、淘汰されるかもしれないということはちょっと怖いですが、情熱を持って生きていかなければなりません。演技の才能があるとは思いません。その代わり、固定観念にとらわれることなく、ユニークな個性を見つけるのが目標です」

最後にイ・ハナは、クリスチャンになったと告白した。もう一つの人生の柱ができたわけだ。一時期、教会に通っていた私が恥ずかしくなるくらい彼女は信仰深かった。

覚えておかなければならないのは、幼い頃、人形を持って声の演技をすることが好きだった内気な少女が女優になり、ミュージシャンを夢見ているということだ。映画「リターン・トゥ・ベース」の温かくて気さくな戦闘機の操縦士、オ・ユジンを通じてイ・ハナを少しでも知ることができたならば、今年末、または来年の初め頃に出る彼女のアルバムを通して、もっと彼女を理解していこう。アルバムが出たらまたインタビューすると約束した。サインは必ずもらわなければいけない。

記者 : イ・ジョンミン、イ・ソンピル、写真 : イ・ジョンミン