「屋根部屋のプリンス」ハン・ジミン“ユチョンさんへの余計なお世話は不要でした”

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※この記事にはドラマ「屋根部屋のプリンス」の結末に関する内容が含まれています。

「屋根部屋のプリンス」プヨンとパク・ハ、2人の間で

タイムトラベラーのロマンスは、期限付きの恋だ。いつ戻るのか分からないためだ。タイムスリップを素材にしたドラマ「屋根部屋のプリンス」の時間と空間を越えた愛も、ついに居場所を取り戻した。過去からタイムスリップしてきた皇太子イ・ガクは朝鮮時代に戻り、彼と恋をした現代のパク・ハは、彼の代わりにイ・ガクの転生であるヨン・テヨンに出会った。

しかし、パク・ハの前世であるプヨンは朝鮮時代で既に亡くなっているため、イ・ガクは戻っても一人ぼっちだ。「イ・ガクだけ可哀想に」と言うと、ハン・ジミンは「プヨンが一番可哀想だよ!」と悔しがっていた。「屋根部屋のプリンス」の前世と現世を繋ぐ美しいラブストーリーの中で、プヨンの死は唯一の悲劇だったからだ。だが、その死はイ・ガクの命を救い、パク・ハとの恋を繋げてくれた。


干し柿を食べて死んでいく時は「悲しみだけではなかった」

俳優は作品を終えると、インタビューを通じて自身の演じた人物に別れを告げる。「屋根部屋のプリンス」の終了後に会ったハン・ジミンは、プヨンとパク・ハ、2人共整理しなければならなかった。特に皇太子のイ・ガクを殺そうとする自身の両親の計略を知り、彼の代わりに毒を盛った干し柿を食べて死んでいくプヨンは、ハン・ジミンの心にも辛く残った。

「干し柿を手に取るたびに感情が変わってきたようです。食べると毒が回るので、最後の干し柿を取ったときは手がぶるぶると震えたんです。そうだとしても、何も知らない皇太子の前で泣くわけにもいかないし。「くれぐれもお大事に」と言って死んでいく表現は、悲しみだけではありませんでした。

それから、池に身を投げる直前、プヨンが本当に可哀想で心を痛めました。私自身、自殺するシーンを撮った経験は一度も無かったので。パク・ハは、悲しいときはわんわんと赤ちゃんのように泣くけど、プヨンはそれができないから、悲しみを飲み込むしかなかったんですね」


支えられなくてもいい役、すっきりした

実際のハン・ジミンは、しとやかなプヨンより溌剌なパク・ハの姿に近かった。ワンピースの悪魔の実のように、可憐な実を食べたような清らかで大きい目を持っているハン・ジミンの作品出演履歴を見ると、プヨンと類似した人物は多いが、パク・ハのようにコミカルな人物はあまり見当たらない。彼女は自ら「これまでしとやかなイメージがあるせいかパク・ハが新鮮に見えるはずだが、実際の性格はパク・ハのように溌剌」と笑った。また、ハン・ジミンは「だからといって、パク・ハのように暴力的でもない」と付け加えた。

プヨンとパク・ハは、性格は違うが自分の命を投げてでも愛する人を救う、献身的な心を共通点として持っている。主に支えられる役を演じていたハン・ジミンは、愛する人を支え、自身を踏みにじる人々に負けずに立ち向かうパク・ハに魅力を感じたという。特に、姉であるセナ(チョン・ユミ)が幼いときに自身を捨てたことを思い出し、その怒りでビンタをしたときは、とてもスッキリしたそうだ。

さらに、コメディアンのアン・ヨンミの流行語である「ハリライェ」を、顔をしかめて真似するコミカルな演技も、パク・ハを通じた新たな試みだった。ハン・ジミンが初めて悪女を演じた映画「朝鮮名探偵 トリカブトの秘密」の撮影当時、「何をしても目が丸くて可愛い」ことが、監督を悩ませた。“善良な顔”の限界を少しずつ乗り越えてきているハン・ジミンは、「やったことのない感情を表現できるキャラクターかどうかが、作品を選択する基準の一つでもある」と話した。


JYJ ユチョンへの“余計なお世話”は不要だった

ハン・ジミンが自身から脱皮してコミカルな演技ができたことは、JYJのユチョンやチョン・ソグォン、イ・ミノ、チェ・ウシクの、朝鮮時代から来た4人のサポートが大きかった。「パク・ハさん」と名前を呼ぶだけでも笑いを誘ったチョン・ソグォンの真剣な演技のおかげで、何度もNGが出るほど愉快に撮影したという。

「みんな私と同年代だったから。彼らはむかっとするかもしれないけど(笑) とてもきつい撮影スケジュールだったので、いつも一緒にいました。コミカルなシーンが多いので、休憩時間も親しくしていないと。以前のドラマでは先輩がリードしてくれたけど、今回は4人より年上だから、私が先輩の役割をすべきかと複雑な心境でした。ところが、みんなが雰囲気を作ってくれたんです。ユチョンさんと私の2人っきりだったらぎこちないはずでしたが、みんなと一緒にいると常に笑っていて、夜更けの撮影でも疲れることはなかったです」

特に、相手役のユチョンは「良い演技は必ず長い経歴から出るものではない」ことに気付かされた俳優だそうだ。ハン・ジミンは「最初は歌手出身俳優への先入観がなかったとは言えないけど、後になって余計なお世話だったということが、とても済まなくなるほどだった」とし、「演技をしていると、私も知らないうちに癖が出る時があるけど、ユチョンさんは本人の主張を張ることなく、スポンジのように相手の演技を吸収して、私にもそれをきちんと伝えてくれた」と賞賛した。

「ユチョンさんの性格そのものが意外でした。最初は『合わなかったらどうしよう』と心配もしていました。ドラマ以外にコンサートもあるし、スケジュールがとてもキツかったんですね。また、途中で辛いこと(父親の葬儀)もありましたし。そのため私たちが『どう接すればいいんだろう』と気にしていたのですが、とてもよく耐えていて、音を上げなかったんですね。それに、私が先輩としてやるべきことを、彼が黙ってしてくれました。年下だけど、そんな面ではとても頼もしく、頼りになりました」

『ハン・ジミンのケミストリー(相手方の俳優との化学反応、相性のよさ)』ですか?演技者として、相性が良かったことはとても有難いですね。泣くシーンも多かったんですが、ユチョンさんもよく泣きます。視聴者の皆さんが感情移入してくださったのは、ユチョンさんと私の演技の呼吸が良く合っていたからだと思います」

記者 : イ・ヒョンジン