【CLOSE UP】KARA ― “生計型アイドル”からK-POPスターになるまで

10asia |

「準備期間中に(コンサートをするという事が)信じられなかった」(ニコル)

デビューして5年、そして韓国での初単独コンサート。「KARAとしての活動をする間、中学校と高校を卒業するくらい成長した」というジヨンの言葉通り、5年は決して短い時間ではなかった。待ち時間が長かった分、今月18日、19日のオリンピック公園体操競技場で開かれたKARAの初コンサート「KARASIA」は、メンバーやファンの皆に大きな意味を持たせる場だった。2007年に1stアルバムの発表、2008年にジヨンとハラを迎え入れ、国内外で活動し続け足場を固めてきたKARAの年月を総決算し、これまで公開されることのなかった姿を披露した、さらに一回り成長したコンサートだと言える。

最新曲の「STEP」から「Rock U」、初期メンバーらが歌った「Break it」など、これまで発表した曲を全て網羅したセットリストも多彩だったが、何より目に付いたのはソロステージだった。ギュリは強烈なタンゴを踊り、ミュージカル「美女はつらいの」の「Maria」を熱唱しながらステージを掌握、ニコルはマイケル・ジャクソンの「Beat it」の歌と振り付けを難なくこなした。また、スンヨンは動物のぬいぐるみとともに登場してKBS「メリーは外泊中」のサウンドトラック「Super Star」で可愛らしい雰囲気を演出し、ハラはサンバのリズムに合わせたサルサダンスを披露した。これまでハツラツで可愛いイメージを築いてきた最年少のジヨンは、「Umbrella」と「何これ?」などをアコースティックバージョンで聞かせながら、落ち着いて成熟した姿を見せてくれた。また、間もなく発売される予定のアルバムに収録されるメンバーらのソロ曲が公開され、ファンたちの関心を集めた。


5年間のKARAを証明する

それぞれの異なった魅力がソロステージで引き出されたとしたら、メンバー全員で飾ったステージでは、KARAらしい親しみやすい魅力が自然と目立った。コンサートの途中、ハラは「コンサートで必ずやってみたいことがあった」と言い、「Say ホ~」と叫ぶ。ジヨンは「男性アイドルを見ると、水を一口飲んでも(ファンたちが)すごい大声を出していた」と言って、もっともらしく水を飲む振りをしてファンたちの歓声を浴びた。そして、NORAZOの「スーパーマン」の歌詞を変えて歌った「スーパーガール」は、もっぱらKARAにしかできないようなステージだった。赤いマントをかけて、ワンダーウーマンの衣装を揃えたメンバーらは「スンヨン~犬の写真いい加減アップして」「ジヨン~成長期はいつ終わるの」と熱唱し、会場をさらに愉快にさせた。

コンサートそのものは、その時々に集中するにはインパクトが多少弱く、音響状態も良くないため、全ての曲が崩れて聞こえるなどいくつかの問題があった。しかし、KARAが5年間愛されてきた理由だけは十分に証明できたコンサートだった。「不本意にも“生計型アイドル”と呼ばれ」(ギュリ)活動を続けてきた彼女らは、どんなグループよりもファンたちに親しみを込めて可愛らしく近付く姿が、5年間のKARAのアイデンティティとなった。KARAがコンサートでメンバーごとに、または曲ごとに全然違う姿を披露しても、その全てがKARAの一部のように感じるのは、彼女らが長い間ファンたちと築き上げてきた“親しさ”なのであろう。時には辛いこともあり、時には成長が鈍くても地道に前に進む彼女らの姿をひたすらに見守ることができたならば、「アイドルグループは5年越えると大変だ」(スンヨン)というジンクスだけは彼女らを避けて通りそうだ。既に彼女らは“生計型アイドル”からK-POPを代表するスターのひとつになったのではないだろうか。そして、KARAは4月から日本5都市をはじめ、中国や香港、台湾などアジア地域でコンサートを開催する。今回のツアーでKARAはもう一度、成長の転機を迎えられるだろうか。

記者 : ファン・ヒョジン、翻訳:ハン・アルム