Vol.2 ― 「君に泳げ!」ソ・イングク“撮影終了後、ダイエットの反動で炭水化物の中毒者並に沢山食べました”

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健康な青年が鍛えられたボディを自慢げに水中を自由に泳ぎ回る。まるで生まれながらの水泳選手であるかのように躊躇うことなく泳ぎ進んで行く姿を見ていると、“マリンボーイ”パク・テファン選手や“水泳の皇帝”マイケル・フェルプス選手を思い出す。ビジュアルとボディライン、さらには女性の心を虜にする才能まで兼ね備えたソ・イングク(26)。これを機に水泳選手に転向するのはどうかと思うほどである。

昨年のKBS 2TVドラマ「ラブレイン」を皮切りに、tvN「応答せよ1997」を通して演技力が認められ、MBC「せがれたち」、SBS「主君の太陽」までドラマを通して特別な才能を披露してきたソ・イングクが、今度はスクリーンの門を叩いた。映画「君に泳げ!」(監督:チョ・ヨンソン、制作:映画社スジャク)で忠武路(チュンムロ:韓国映画界の代名詞)デビューを果たした彼が飛び込んだのは、大胆にもスポーツ映画だ。それも韓国映画史上初の水泳を題材とする映画である。

引きこもりで水泳の天才チョ・ウォニル役を演じたソ・イングクは、少年時代から各種大会で金メダルを総なめにする人並外れた実力を誇る水泳の天才であったが、父親の事故により水泳に大きなトラウマを持つ設定のキャラクターをしっかりと演じた。彼は映画の序盤では彼特有の魅力でコミカルに演じ、後半ではトラウマを克服して真の水泳の天才へと生まれ変わる過程を真剣に演じきった。

ソ・イングクは、チョ・ウォニルというキャラクターに惹かれてこの映画を選んだという。体を鍛えなければならないプレッシャーさえ、演じる楽しみと比べれば大した問題ではなかった。何故だか分からないが、ひそかに男同士の闘争心を燃やさせるこの作品を選ばずにはいられなかったという。

「体を鍛えることもプレッシャーではありましたが、シナリオを見た瞬間、内容が面白かったのでその場で全部読んでしまいました。もちろん、僕もライバル関係というのはありがちなテーマであることは分かりますが、チョ・ウォニルというキャラクターそのものにとても惹かれたので挑戦してみたいと思いました。チョ・ウォニルは普段は無口な性格ですが、ジョンウン(少女時代 ユリ)、ジェソク(パク・チョルミン)にはハイテンションで明るい性格も見せますし、ストーリーの後半では精神状態がどん底まで落ちるなど感情の幅が広いです。そのような役を演じてみたいと思いました。今考えても挑戦してよかったと思います(笑)」

水泳が題材の映画であるため、劇中では上半身裸のシーンがほとんどだ。そして、体に密着する水着を着るので体に自信がなければ絶対にできない映画だ。ソ・イングクも体に対するプレッシャーをこぼしていたほど「君に泳げ!」は多くの人にプレッシャーを与えた作品である。

カメラの前で水着姿で演技をする際、その恥ずかしさは言葉では表現しきれないものだったという。血気盛んな青年が女性スタッフの前で水着姿でいることが相当恥ずかしかったというソ・イングク。裸でいるような気がして最初は体を覆うためのタオルを探すことに一生懸命だったという。特に、モデル出身のイ・ジョンソクをはじめ、キム・ジェヨン、シン・ミンチョルまでボディラインでは右に出る者のいない俳優たちが勢揃いし、ソ・イングクの肩身は狭くなる一方であった。

「イ・ジョンソクには敗北感を感じると何度かお話ししたことがありますが、撮影中、自分がとても醜い存在のような気がしました。最初、全てのスタッフが心配していました。僕は元々、丸太のように一直線のボディラインなのです。男らしく、ガッチリした感じに見えるというメリットはありますが、少し油断すると太ってしまう体質です。他の俳優たちはモデル出身なのでボディラインのバランスがよく取れていましたが、僕はすべてのバランスがお腹に集中していました。ジョンソクもそうでしたが、僕以外の俳優たちのボディラインは本当に素晴らしかったです。それを見て『僕は死ぬまでダイエットをしなければ』と思いました(笑)」

映画のためにダイエットに励んだというソ・イングクは、徹底した低カロリーの献立とウェイトトレーニングを6ヶ月間続けた。りんご、サラダ、豆腐のような食品を朝、昼、夜に分けて食べ、運動も怠らなかった。その結果、鍛えられたボディラインを手に入れることができたという。しかし、今は残念ながら「君に泳げ!」でのボディラインは失われてしまったそうだ。ソ・イングクは「君に泳げ!」に対して「裏切られました」と愚痴をこぼした。

「今までダイエットを続けてきた自分にご褒美をあげたくて、撮影後はしばらく運動を休み、ご飯をたくさん食べました。撮影が終って直ぐにたくさん食べたのです。まるで炭水化物の中毒者並です。元々家で食べるご飯が大好きで、白いご飯を本当にたくさん食べました。しかし、僕はこの映画がこんなに早く公開されるとは思ってもみませんでした。水泳の映画なのだから来年の夏に公開されるだろうと思っていたのに、完全に裏切られましたよ(笑)」

記者 : チョ・ジヨン 写真 : ムン・スジ