「野王」クォン・サンウの再発見…復讐の説得力を高め、ドラマ全体の礎を固めた

TVREPORT |

写真=SBS「野王」スクリーンショット
SBS月火ドラマ「野王」は、愛する女性に踏みにじられた男の復讐劇だ。スエに対するクォン・サンウの復讐が、説得力のあるものでなければ、全体のストーリは力を失ってしまう。そのような面でクォン・サンウの演技は「野王」の礎を固くしたと言えよう。自らを「生」と言うが、紆余曲折を経てきたクォン・サンウであるだけに、悠々とした演技を見せつけている。

韓国で15日に放送された「野王」(脚本:イ・ヒミョン、演出:チョ・ヨングァン)第2話で、ハリュ(クォン・サンウ)は義理の父親を殺害したダヘ(スエ)を目撃し、衝撃を受ける。すぐに気を取り戻したハリュは、殺人の罪を自ら被り、さらには遺体を埋葬する。

それから5年が経ち、一家の生計を担うハリュは、ダヘの学費を稼ぐためにひそかにホストクラブで働き始める。ダヘが大学を卒業する時まで働こうと決心し、お客さんの前では自身のプライドまでも抑えこむことにする。家庭では誰よりもやさしい夫であり、父親である。

クォン・サンウは様々なトーンでハリュを表現した。安定した演技が際立った。娘と頬をくっつけていたずらをするシーンや背中に娘を乗せて腕立て伏せをするシーンでは、視聴者の視線を集めた。まるで誰かの実生活を見るような親近感があった。

多少暗くならざるを得ないホストクラブのシーンでも、コミカルな表情と図々しい演技で面白さを生かした。ダヘに対する一人の男の純愛も視聴者にそのまま伝えた。

ホストクラブの社長が投げたお金を拾うシーンでは、人々を悲しませた。侮辱されても卑屈にならざるを得ない現実を、感性豊かな演技で表現した。恋愛とコミカルを自由に行き交う演技は、悲劇と喜劇を絶妙に織り交ぜた。

クォン・サンウは「野王」の制作発表会で、「レディプレジデント~大物大物」の後、顔をお見せしたこともないし忘れられたように思え、心機一転という心構えで臨んでいると話した。「スエさんは主演女優賞を2回も受賞したが、僕はそんなことからは離れている。僕だけが一生懸命にすれば、良いドラマが誕生すると思う」彼の覚悟は、冗談ではなかった。

クォン・サンウの身についた生活の演技は、水が流れるように自然だった。真心を込めた演技はテクニックを抜き、初心に戻った心構えは眠った感動を呼び起こした。

写真=SBS「野王」スクリーンショット

記者 : ソン・スンウン