アイドルのTwitter、その甘い“諸刃の剣”

OSEN |

ガールズグループT-ARAのいじめ説が出始めたのはTwitterだった。“意志”云々というメンバー同士でやり取りしたメンションがファヨンを狙ったのではないかというネットユーザーの推測が瞬時に広がり、数時間も立たないうちに、メンバーがファヨンをいじめているような映像がネットに広がった。これは結局、ファヨンが脱退となり、「T-ARAに真実を求めます」コミュニティに30万人が集まるスキャンダルに発展した。

事態が拡大すると、他のアイドルグループはそれぞれTwitter取り締まりに出た。アイドルをめぐる論争が収まるまで、しばらくTwitterを禁止させるか、コメントを残すとしても論争の火種になることを恐れ、内部検閲をしている。しかし、それでも、Twitterを完全に止めるわけにはいかない。プロモーションのために、または歌手が強く求めて、このいつ爆発するか分からない“時限爆弾”を完全に手放すことが出来ない状態だ。

効率のいい低コストプロモーション

新鋭アイドルは、各種のメディアへの露出が必要だが、Twitterを通したコミュニケーションは、放送やメディアより遥かに簡単で早い。楽屋でおかしく座っている姿、独特なヘアスタイルをしている姿、メンバー同士でいたずらしている姿を自然と公開し、ファンとの接触の頻度を高め、新しいファンの確保を誘導できる。

運が良ければ、Twitterの写真が大きく話題を集め、ポータルサイトに掲載されたり、検索語ランキングの上位になったりもする。新鋭アイドルは、単独写真では話題を集めにくいと判断し、あらゆる人脈を動員し有名歌手とともに“友達証明ショット”を撮るなどの方法を好む。

歌手のうつ病防止対策

所属事務所としては、あえてTwitter広報をする必要もない人気スターもTwitterにハマっている。事務所の関係者は「論争を巻き起こすことが多く、会社が止めても、歌手がTwitterなしでは生きられない」と口をそろえている。忙しいスケジュールのため、ファンの反応を実感できない歌手にとって、Twitterは唯一のコミュニケーションの場になっているのだ。良いものであれ、悪いものであれ、人々が自身のことをどう思っているかに敏感な歌手たちは、自身に寄せられるメンションが気になって携帯を手放せないという。

活動があまりないアイドルにとっても、Twitterは大切な空間である。自身のコメントに依然としてメディアやファンが熱い反応を見せているのを確認してこそ安心するのだ。あるガールズグループの関係者は「写真を投稿して、関連の記事が何件か、ファンがどんなメンションを残すかにこだわる。ブランクの期間中に自身が忘れられたのではないか不安だった人がTwitterの反応を見て安心したり、かえって焦ることが多い」と述べる。

所属事務所はやきもき

所属事務所の関係者は、歌手のTwitter投稿が話題になる度に胸を撫で下ろす。意味が歪曲されたり、予想しなかった論争が起きる可能性があるためだ。ほとんどのアイドルグループがTwitterで騒ぎを起こしたと言ってもいいほどだ。

IU(アイユー)、T-ARAなどは、SNSに芸能活動で疲れたようなコメントを掲載し、ネットユーザーの各種の“解釈”に悩まされ、SUPER JUNIORのイトゥクは、自身の電話番号の一部を公開し、それと似た番号を持っている人にまで世界各国から電話が殺到する困惑を起こした。4Minuteのホ・ガユンは、おかしいポーズをした写真が誤ってTwitterに掲載され、爆発的な関心を集めた。今回のT-ARA騒動にも、AFTERSCHOOLの前メンバーのカヒが「他人事のようには思えない」というコメントを掲載し、ネットユーザーの想像力を刺激した。その他にも、堂々とすっぴんを公開した後、整形疑惑が持たれたり、“虚勢スタイル”として、非好感に転落した事例も多い。

事務所は、Twitterを最大限“検閲”している状態。新鋭グループには共用の携帯を1つ渡して、Twitterアカウントも共同で使わせ、個人的な感情を表すよりは、公的なプロモーション写真の配信用のみとして使わせている。直接アカウントを管理するアイドル歌手も、コメントを掲載する前にはできる限りプロモーション担当の社員と相談するようにしている。また、所属事務所レベルでモニタリングチームを作り、該当歌手のコメントに対し論争が起きそうな兆しが見えると、素早く記事を削除して収拾できるようにしている。

記者 : イ・ヘリン