「屋根部屋のプリンス」JYJ ユチョン、父亡くし悲しみの渦中でも“恐慌ファッション”

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芸能記事の花“空港(韓国語:ゴンハン)ファッション”について書きたいのに、空港に行く時間がありません。ファッションの話をしたいのに、ファッションのことは何もわかりません。オートクチュール(オーダーメイドの一点もの)やプレタポルテ(高級感のある既製服)のランウェイの上にだけ存在するファッションではありません。時には私達を“あっと”驚愕させるアイテムでも、キャラクターをよく表現するファッション、しばしばその年のSpring/Summer、Fall/Winterコレクションのトレンドからは外れていても笑わせてくれるファッション、これを“恐慌(韓国語:ゴンファン)ファッション”と呼ぶことにしましょう。

写真=SBS

「屋根部屋のプリンス」で愉快な演技、それだけ悲しみも重かっただろう

長い間、ファッション界でご法度になっていたスタイルがある。

いくらデニム(ジーンズの素材)が流行り廃りのない素材だとはいえ、上下衣を両方ともデニムにするのは、いつかから“コーディネート”と共にファッションに疎い人の典型的なミスと思われてきた。これは、いわば“デニムデニムファッション”まるで“サンサン(双双)パーティ”のようにうざいニュアンスで呼ばれ、過去の遺物扱いされてきた。

このような恐怖の“デニムデニムファッション”の新たなページを開いたのは、なんと300年前の過去からやってきた皇太子。SBSドラマ「屋根部屋のプリンス」のイ・ガク(JYJユチョン)は、衣類回収箱で宝物を見つける。誰が捨てたのか、親切にも上下とも同じ具合にウォッシング(脱色)されたデニムジャケットとジーンズを、ぴったりのサイズで“ゲット”したのだ。

広い肩幅を強調するTシャツを選ぶウ・ヨンスル(チョン・ソグォン)、フード付きTで可愛さを表すソン・マンボ(イ・ミノ)、ギラギラとした素材に夢中になるト・チサン(チェ・ウシク)とは違い、イ・ガクの選択する上下衣の色あわせスタイルは、衣冠整斎(いかんせいせい:人前で帽子を脱ぐことを禁ずるマナー)に対する皇太子としての責任を感じての選択と思われる。

ここに、インナーとして着たホワイトのPK Tシャツの襟を、デニムジャケットのものと一緒に立てるセンスは、朝鮮時代でも学べない驚くべき応用だった。何より、今回のファッションの大詰めは、靴だ。袞竜袍(コンリョンポ)は着られないが、現代の“領議政(朝鮮王朝時代の最高行政機関の官職の一つ)靴”と言われる黒いアグブーツをマッチさせ、王族としての最低のプライドを守った。

びっくりしたのは“デニムデニムファッション”が、うざいのではなくセンスとして再解析されている最近のファッショントレンドを、イ・ガクが読み取った点だ。最近、デザイナーのラルフ・ローレンが、ジャケットにジーンズはもちろん、ベストまでデニムのものをマッチさせる“デニムデニムデニムファッション”を披露したことを思えば尚更だ。

解析はどうであれ、実は皇太子のデニムデニムファッションは、ただ笑わせるための工夫だった。「屋根部屋のプリンス」でのイメージチェンジでユチョンが評価されている理由は、お笑い演技を恐れない、大げさな表情と発声にあるはずだからだ。

しかし、つい最近父を亡くしたユチョンには、深刻な演技より難しかったのではないかと思われる。この“デニムデニムファッション”シーンは、ちょうど彼が父を見送って撮影現場に復帰してすぐ撮影されたものだ。バクハ(ハン・ジミン)と一緒に昌徳宮(チャンドングン)を回りながら涙を流すシーンが、ただの演技とは思えないのもそんな事情があるからではないだろうか。

SBSの関係者によると、ユチョンは父の死去以降戻った現場で、落ち込まず笑って撮影に取り組んでいるという。ユーモアを担当している皇太子さまが、私たちみんなに贈ってくださる微笑みの分だけ、笑いを取り戻せるようお祈りする。

記者 : イ・ヒョンジン