イ・ジェフン「捜査班長 1958」で大先輩チェ・ブラムの若い頃を演じる“傷を癒やしてもらった気分”

Newsen |

俳優イ・ジェフンが、大先輩チェ・ブラムの若い時代を演じた感想を明かした。

イ・ジェフンは最近、ソウル鍾路(チョンノ)区三清洞(サムチョンドン)のあるカフェで行われたMBCドラマ「捜査班長 1958」(脚本:キム・ヨンシン、演出:キム・ソンフン)のインタビューで、チェ・ブラムの若い時代を演技する過程で感じたプレッシャーと、それをなくすための努力について語った。

「捜査班長 1958」は1958年を背景に、野蛮な時代、牛泥棒専門の刑事パク・ヨンハンが、個性溢れる同僚3人とチームを組み、醜悪な犯罪に対抗し、人々のための刑事に生まれ変わるストーリーを描いたドラマだ。1971年から1989年まで放送された「捜査班長」のプリクエルだ。

イ・ジェフンは「僕はチェ・ブラム先生の存在感を、『あなた、そして私』というドラマを通じて感じました。ですが家族もそうでしたし、周りの人々はチェ・ブラム先生と言えばパク班長だと言っていたんです。『殺人の追憶』に登場する短いシーンですが、ドラマ『捜査班長』のオープニングミュージックが流れる時、喜ぶ姿を見て気になっていたことを覚えています。ものすごいドラマなんだなと思いました。そのためプリクエルにすごく期待していたんです。面白いだろうと好奇心が湧いて出演を決めたけれど、チェ・ブラム先生を演じるということにプレッシャーを感じました。彼の存在感はあまりも大きいですし、僕がどんな選択をしたとしても、結果はすでに出ているから、自由にできるだろうかとも考えました」と話を始めた。

続いて「最初はモノマネだったと思います。彼を見ながら表情、話し方、声などをコピーキャットのように真似し続けながら自分の中に受け入れようと思いました。チェ・ブラム先生の魂を抜いて、その中に入ろうと思ったんです。やればやるほど、表面的な部分において、埋没されるんだと思いました。キャラクターを前もって準備した経験は初めてだったので、これは空振りなのではないかと悩みました。チェ・ブラム先生が出演したドラマ、広告、バラエティなど、全てを探して観察しました。『捜査班長』での先生には冷徹でカリスマ性があって、ヒューマニスト的な面があります。彼の数多くのフィルモグラフィーを見ながら、この全てが大衆が考える姿なのではないかと思い、成長する姿を表現したいと思いました。そうやって考えをより拡張していったと思います。視聴者の方々にどのように見ていただいたのかは分かりませんが、先生の心や精神に似せていこうと話もたくさん聞き、力を得て、勇気を出して演技をしました」と話した。

チェ・ブラムの反応に対しては、「最初の撮影でお会いした時、孫の立場で会わなければなりませんが、僕は祖父がいないのでどう接すればいいか気まずいところもありました。ところが先生にお会いした直後に、祖父がいたらこんな感じなんだろうと思ったんです。人に対する気持ちが感じられました。台本には書かれていませんが、抱きしめて、愛していますと表現しました。困惑されるかもしれないと思ったけれど、とてもいいと言ってくださいました。これが(孫の)ジュンソとヨンハン、2人の関係をうまく表現していたと言ってくれて胸がいっぱいになりました。僕のことを本当の孫のように見つめていただき、これが現実なのか演技なのか、混乱するほどでした。先生と気楽に対話をしながら、傷を慰めてもらった気がしました。パク・ヨンハンのダサい時代から洋服を着ている姿を見て、打ち上げの時に『とても良かった。うまくやってくれてありがとう』と言っていただき、恥ずかしくてどうすればよいか分かりませんでした。もっとうまくやればよかったと思いながらも、国民から愛された俳優である先生に迷惑をかけないように演技をしましたが、それを温かい目で見ていただいたような気がしてありがたかったです」と伝えた。

「捜査班長 1958」の放送終了に対しては「昨年7月から約8ヶ月間撮影しました。その途中で1ヶ月ほど、僕が突然病気になって、撮影できない期間があったんです。僕にとっては一番長い期間だったけれど、放送を見たら10部がこんなに短いのかと思えるくらい短かった気がして、そのためより残念な気持ちが大きかったと思います。苦労しながら撮影したシーンが多いですが、1時間以内に1話が終わるので、時間の流れが速いと思いました。16話くらいあればもっと見せることも多く、事件に対する内容やエピソードをより豊かに見せられたかもしれないという心残りがありました。でも、完成度を高めるために選択・集中したので、残念な部分はありながらも、よい終わりを迎えることができたと思っています」と打ち明けた。

シーズン2に対して「僕も期待している部分があります。でもそれは僕が決められないことです。チェ・ブラム先生が第1話、6話、10話に出演されたので、一つのプリクエルであり、完成されたドラマとして十分だったと思います。オリジナルの『捜査班長』を覚えている方もいると同時に、オリジナルの『捜査班長』を知りたがってい方もいるのではないかと思いました」と話した。また、シリーズ物にたくさん出演する秘訣としては「作中のストーリーだけでなく、それ以前のストーリーも想像しながら演技をしています。その気持ちが伝わったので、シリーズに対する期待を持っているような気がします。僕としてはたくさんの方々から愛されて、今後のストーリーを期待してくれることは、本当に光栄なことだと思っています。僕も演技として表現してみたいと毎回思っています」と話した。

主にヒーロー物に出演する理由も明かした。イ・ジェフンは「社会は、世の中を見せてくれますよね。世の中に関心を持ってみたら、人々が関心を持っていて、見たいものはこれなのではないかと本能的に思うようになったんです。『万事は必ず正理に帰する』とか『因果応報』の結末に代理満足できたり、ストレス解消にもなるので、そのような作品が人気があったり、惹かれたりするのだと思います。今後もこのようなストーリーに対する態度や心はそれほど変わらないと思います。ただ一つの色に固まらない、多様なイメージを見せなければならないということは自らたくさん考えています」と明かした。

普段はヒーロー物が好きだとも話したイ・ジェフンは「普段からヒーロー物が好きなので、作品を選ぶ時もそのことが影響を及ぼしていると思います。『模範タクシー』のキム・ドギはバットマンみたいだと思いました。ダークナイト、暗闇の騎士のようなイメージがあったんです。パク・ヨンハンは実際にそうではないけれど、スーパーマンみたいだと思いました。彼のような人がいたら、もっと暮らしやすい世の中になるだろうと思いました。当時パク班長が実存すると信じていた人がいるだけに、彼のような人を夢見て、待っているのではないかと思いました」とつけ加えた。

ヒーロー的なキャラクターを演じながら、自身の行動が変わったこともあるのだろうか。イ・ジェフンは「実際にはそうではないけれど、この仕事をしながら行動が慎重になった部分はあります。以前は横断報道を無断で渡ったり、痰があれば普通に唾を吐いていたけど、今は本能的な行動も誰かに見られるのではないかと意識するようになりました。難しいとか不便なことではなく、当たり前のことじゃないですか。自ら反省するようになったと思います」と答えた。

記者 : パク・スイン