「涙の女王」イ・ジュビン“夫役がクァク・ドンヨンでなければこれほどまで愛されなかったと思う”

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写真=ANDMARQ
女優イ・ジュビンが、tvN土日ドラマ「涙の女王」(脚本:パク・ジウン、演出:チャン・ヨンウ、キム・ヒウォン)に出演した感想を語った。

韓国で28日に放送終了したドラマ「涙の女王」に出演した彼女は、無垢な顔の裏に野心を隠したクイーンズ家の嫁チョン・ダヘ役を熱演した。チョン・ダヘはクイーンズ家を没落させようとするヴィラン、ユン・ウンソン(パク・ソンフン)とタッグを組み、クイーンズグループの御曹司である夫ホン・スチョル(クァク・ドンヨン)を裏切る人物だ。

イ・ジュビンは最近、ソウル江南(カンナム)区のあるカフェで行われた「涙の女王」の放送終了を記念したインタビューで、「作品を見て面白いという話をたくさんしてくださいます。ありがたいことに、スケジュールがどんどん増えてきて、ドラマが本当に人気があるんだ、たくさん愛されているんだと感じています。SNSのコメントの半分以上が英語だったんです。作品が海外でも愛されているんだなと思いました」と語り始めた。

このような人気を予想していたかという質問に「率直に言って、人気が出て愛されるだろうとは思っていましたが、私の想像を超えた人気でした。SNSを開くと、人気ドラマのページがたくさん出てくるじゃないですか。スクロールしてもずっと(『涙の女王』が)出てきていましたから」とし、「まず、ヘイン(キム・ジウォン)とヒョヌ(キム・スヒョン)の力が大きかったと思います。2人の演技と監督のディレクティングと演出。一つを選ぶのはとても難しいです」と答えた。

インタビューが行われた当時、「涙の女王」は第14話の視聴率が21.6%(ニールセン・コリア全国世帯基準)を突破し、自己最高視聴率を更新。これは脚本家パク・ジウンが手掛けたヒット作「愛の不時着」に続くtvNの歴代2位の視聴率だった。イ・ジュビンは「私が出演したドラマであるだけに(1位の記録を)超えてほしいです」と話した。そして28日に放送された最終話は24․9%で、「愛の不時着」超えのtvNドラマ1位の記録を樹立した。

「涙の女王」の制作陣と俳優は2月に一度打ち上げを行ったが、4月27日に2回目の打ち上げを行った。彼女は「最初の打ち上げは当初のスケジュールが少し早まって、残念ながら参加できなかったんです。今回もスケジュールが重なってはいるのですが、参加しようと思っています。『犯罪都市4』の舞台挨拶が終わってから、パク・ジファン先輩の結婚式があるんです。結婚式に出席してから、急いで行こうと思います」と明かした。

褒賞休暇については、「まだ聞いたことはないけれど、もし行けるのなら必ず行きたいです」と話した。また、俳優たちもこのような成功を予想していたかという質問には「先輩たちも制作発表会の時、皆緊張していました。先輩たちもこのような場が毎回緊張すると言っていました」とつけ加えた。

オーディションを通じて今作への出演が決まったイ・ジュビン。彼女は「2022年12月にオーディションを受けたのですが、その前から脚本家、監督、キャストまで、業界では非常に注目されている作品でした。ありがたくも、ダヘ役のオーディションに誘われました。私が最初からキャスティングされたわけではなく、イメージが合う何人かの女優にオファーをしたようです。役を聞いて、すぐにやりたいと思いました」と振り返った。

続けて「オーディション会場に行った時、私は緊張していたのですが、緊張をほぐしてくださって、楽に演技ができました。正直、私は合格できないだろうと思っていました。かなり緊張しましたし、望まれている分だけお見せできなかったと考え、残念に思っていたのですが、キャスティングされたと言われ、すぐに『なぜですか?』と聞きました。1、2ヶ月後に連絡が来ました」とつけ加えた。

彼女は撮影に入る前に読んだ台本について、「一人ひとりの人物が興味深かったです。メインカップルだけでなく、先輩たち、私とスチョルなど、すべてが気になる台本でした。悔い改めるキャラクターであることは知っていたけれど、どのように描かれるのか気になりました」と回想した。

立体的なキャラクターを演じることに困難はなかったのだろうか。彼女は「幸い、脚本家さんがポイントをしっかりおさえてくれましたし、現場でも監督がポイントを生かして演技ができるようにしてくれたので、思ったより大丈夫でした。自分の中では、これがうまく表現されるだろうかと毎回心配はしていました」と伝えた。

ドラマの結末についても満足感を示した。彼女は「私も(インタビューが行われた日を基準に)台本だけ見ていて、どのように描かれるかは分からないけれど、台本をもとに申し上げると、結果的には皆が幸せになったと思います。私が演じた部分については満足しています」と話した。

脚本家のパク・ジウン、チャン・ヨンウ監督、キム・ヒウォン監督と息を合わせた感想も語った。彼女は「望まれていることが本当に明確でした。あまりにも素晴らしく、演技の上手な先輩たちの中で、私がおかしく見えないだろうかとかなり心配になりました。しかし、現場に行くと演技に集中できるようにサポートしてくださったんです。また、どのようなポイントを使うのか明確に教えてくださったので、複雑な部分がかなりなくなって、シンプルになりました。そのため演技に集中できました」と語った。

劇中、夫婦として息を合わせたクァク・ドンヨンとの相性は抜群だった。彼女は「ラブラブなシーンが多くなくて残念だったけれど、十分にその部分をクァク・ドンヨンさんが切なく、うまく描き出してくれたと思うので、残念でありながらも、そうするべきだったと思いました。正直に言って、ダヘ&スチョルカップルは、スチョルでなかったらこのように受け入れられただろうかと思います。スチョルが頑張ったと思います」と自身の考えを明かした。

また「スチョルが崩れるシーンで、一番感情が込み上げてきました。私はスチョルだけを見て演技をしようと思いました。(クァク・ドンヨンは)一緒に演技をするのに、本当に素晴らしい俳優でした。ちょっと“戦友愛”のようなものもありました。スチョルが一人でやり遂げなければならなかった演技を、後半でダヘが同期化して演技するシーンがありました。本当にすごいと感じました。難しい演技をやり遂げるスチョルを見る度に、『あなたは最高だ』と言っていました」と語った。

実際の理想のタイプはホン・スチョルと似ているのかと聞くと、「家族のことを思う気持ちと責任感や信頼は、私の大きな願いの一つなんです。もし私が配偶者にするなら」とし「そして不屈の精神、ポジティブなマインドも重要だと思います。投資の失敗は回数と規模が重要だと思います」と答えた。

イ・ジュビンが公開したチョン・ダヘ、ホン・スチョルのウエディンググラビアも反響を呼んだ。彼女は「どうしても劇中では悲しく心が痛くなることが多いので、SNS上だけでも、私たちはこんなにきれいだったというのをお見せしたかったんです。視聴者の方々が望んでいた姿が、SNSで公開したグラビアだったと思います。グラビアでは私の方がちょっと頑張ったと思います。これまでウエディング、ビューティーグラビアを本当にたくさん撮ってきました。ウエディンググラビアは花嫁が際立つグラビアですので。でも現場や作品の中では、スチョルがいなかったらこのカップルはこれほどまでに愛されなかったのではないだろうかと思っていました」と語った。

チョン・ダヘのキャラクター設定に対する一部の誤解についても釈明した。彼女は「一部の視聴者が、ダヘが不倫をしたと理解していたようなのですが、不倫ではなかったんです。ハン・ジュンホとの関係も恋人ではなかったと理解しています。予期せぬ妊娠で、シングルマザーのような役でした。脚本家さんは特別説明はしなかったけれど、本人が孤児だったので、お金がたくさんある家、親のもとで子供を安全に育てなければならないと思って戦略を立てたと私は解釈しました。妊娠して間もない頃に結婚したという設定でした」と語った。

また、ホン・スチョルにそっくりなゴヌの顔については、「私もゴヌを見た時、少し驚きました。スチョルともダヘとも似ていたので。ああ、これは議論になりそうだと思いました」と微笑んだ。

イ・ジュビンは「私は子供のお母さんの役を初めてやったのですが、甥っ子がまだいないので、どうしたら子供との演技が自然に見えるだろうかと悩みました。友達に会う時、赤ちゃんを連れてきてとお願いもしました。私が赤ちゃんを抱っこする時、慣れている感じがしないと言われたので、そのような部分をたくさん練習しました」と話した。

続いて「空き時間ができたら現場でゴヌ役の子供のところに行きましたが、最後まで私は好かれませんでした。努力をたくさんしました。最初の撮影の時が9、10ヶ月で、撮影期間が10ヶ月くらいでしたが、その間、お母さん、お父さんと他人をはっきり認識していました。今も私を見ると頑なに拒否します」とつけ加えた。

先立って彼女は、最近公開されたあるグラビアのインタビューで、チョン・ダヘがヴィランだとは知らなかったと話した。チョン・ダヘの行動と感情にすべて納得し、悪役だとは思えなかったと明かした。これに対してイ・ジュビンは、「私のイメージの中の悪役は、誰かを殺したり、大きな困難に陥らせるような人でした。そのためダヘが悪役とは考えられなかったのだと思います。演技をする時、ダヘの基本的なストーリーはすべて知っていたので、いつの間にかダヘに感情移入をしていたようです」と話した。

続いて「しかし、いざ全体的な流れや他のキャラクターたちに代入して見てみたら、これほど悪い人は他にいないだろうと思うほどでした。そのため、悪口を言われても仕方ないと思いました。直接言う人はいませんが、知人を通じて『あの子は何なの』『一体どうなってるの』とたくさん聞かれました」とし「序盤は反応をあまり気にしませんでしたが、時々検索してみました」とし、「私はみすぼらしいヴィランの姿を見せたかったんです。悪いことはするけれど、脅威というよりは分別がなく、みじめだと感じてもらえたらと思いました」とつけ加えた。

「涙の女王」のヒットに欠かせなかったのは、それぞれの役割を見事にこなした俳優たちだ。主人公ペク・ヒョヌ役の俳優キム・スヒョン、ホン・ヘイン役の女優キム・ジウォンのケミ(ケミストリー、相手との相性)に対する好評が溢れた。

イ・ジュビンは「ヒョヌ、ヘインのシーンなど、先輩たちがいらっしゃるシーンでは、私が何かをするというよりは、微妙なリアクションをする立場なので、学ぶ立場で見ていました。一つの公演を見るように。私はそれぞれのポイント以外では『やり遂げなければならない』というような圧迫感はなかったですし、先輩たちの演技を鑑賞する状況になると、自然なリアクションが出てきました。学びの時間でした」と振り返った。

経験豊富な先輩たちとの現場は、まさに学びの場だった。イ・ジュビンは「今回の現場で特に大きく感じられたのが、先輩たちでした。演技に関しては言うまでもなく、現場で後輩や仲間たち、スタッフに優しく接し、スタッフの皆さんを支えることができるというのが、とても素敵に見えました。主人公や先輩たちの感情の消耗が多いシーンでは、普通ならちょっと神経過敏になったり、集中するために隠れることだってあり得るじゃないですか。しかし今回の現場では、緊張もそんなにしていないように感じられました。むしろリラックスした状態でやってくださいました」と話した。

そして「このような余裕は、普通に出てくるものではないんだ、とも思いました。すべての先輩たちがそうでした。カメラがまわる前は優しく接してくれているけれど、撮影が始まったら、そこに没入する速度は鳥肌がたつほどでした。ヘイン、ヒョヌを演じたお2人もそうでした。目がパンパンに腫れていても、終わったら『大丈夫です』と言っていました。本当に素晴らしいと感じました」と撮影現場でのエピソードを公開した。

イ・ジュビンの女優としての今後の目標は何だろうか。彼女は「視聴者の皆さんにもっと近づいていかなければならないという目標ができました。私の願いは、イ・ジュビンが出たら面白いのではないか、そういった期待を与えることです。難しいけれど、成し遂げたい目標です。今この時期をしっかりと過ごせば、今後もあると思うので、さらに深みのある演技をしなければと考えるようになりました。今の人気や愛に集中するより、その次を本当にきちんとやってこそ、それが私のものになると考えています」と明かした。

「涙の女王」は、イ・ジュビンにとってどのような意味を持つ作品として記憶に残るだろうか。彼女は「より幅広いキャラクター、作品をする機会になったのではないでしょうか。今後いつあのような大先輩たち、先生たちと一緒に演技ができるでしょうか。そういった素敵な思い出と学びになった作品です」と話した。

最後にイ・ジュビンは、今年の活動計画について「下半期に撮影に入る作品の準備に力を注ぐべきだと思います。一人で旅行をして、歩き回ることが私にとっては休暇になります。人に会わなくても、外に出て自然を感じることが好きです。季節を感じ、その影響を受けます。休める時は登山をしてキャンプもして、作品を準備する時はそれに集中しています。また、本当に面白いシリーズを一気に見る時が一番楽しいです。最近はNetflixシリーズをずっと見ていました」と語った。

記者 : ファン・ヘジン