相次ぐK-POP授賞式に懸念…「CIRCLE CHART MUSIC AWARDS」開催を無期限延期に
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韓国音楽コンテンツ協会は26日、「本協会は最近、雨後の筍のように開催されているK-POP授賞式に懸念を示し、世界へ広がっているK-POP産業の発展に役立つ授賞式文化が定着されることを心から願っている」という声明文を発表した。
これに先立って、今年1月に開催された「CIRCLE CHART MUSIC AWARDS 2023」には、NCT DREAM、TOMORROW X TOGETHER、ZEROBASEONE、RIIZE、NiziU、imaseなど、日韓から豪華アーティストが集結し、授賞式を盛り上げた。
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【韓国音楽コンテンツ協会 声明文の全文】
韓国音楽コンテンツ協会は、相次いで開催されているK-POP授賞式に反対します。
韓国音楽コンテンツ協会(会長:キム・チャンファン)は主要アルバム制作会社、配給会社などが集まり、韓国の大衆音楽産業の発展を図る文化体育観光部傘下の団体です。本協会は最近、雨後の筍のように開催されているK-POP授賞式に懸念を示し、世界へ広がっているK-POP産業の発展に役立つ授賞式文化が定着されることを心から願っています。
最近、K-POP関連の授賞式が相次いで開催されています。本協会の調査の結果、現在開催されている韓国音楽授賞式は1年に20件に至り、ここ5年間で新たに誕生した授賞式も5件以上になります。そして、今年も3~4件が新設される予定です。
本協会は、授賞式の開催自体を反対するものではありません。しかし、最近一部のK-POP授賞式は収益を目指すための手段になり、公正性と客観性も日増しに失われています。我々は明確な基準で評価し、権威と価値を高める授賞式ではなく、K-POPの成功とファンダム(特定ファンの集まり)に頼る、ショー中心のイベントになっている授賞式に懸念を示します。
K-POPが世界的な文化現象として位置付けられている今だからこそ、誰もが共感できる、正しい授賞式の方向性について悩む時期です。本協会は今回の声明をきっかけに、無分別に開催されている授賞式の問題点に対して、人々が共感してくださることを願っています。韓国の音楽産業とマスコミ、K-POPを愛する世界中のファンの皆様、K-POPの健全な成長のための提言にお力をお貸しください。
本協会は現在、韓国で開催されているK-POP関連の授賞式が抱える6つの大きな問題点について、以下のように指摘します。
第1に、一部の授賞式がK-POPファンの気持ちを悪用した収益追求の手段になっており、世界中のファンに不要な経済的負担と疲労を与えています。
最近では、ほとんどの授賞式がアプリを通じた有料人気投票を活用しており、これが授賞式の主要収益モデルになりました。しかし、有料投票で特別賞を授賞し、その結果を本賞に大きな割合で反映するなど、授賞式とファンの間の前向きなコミュニケーションを超えて、ファンの間の競争心を刺激する戦略が拡大されています。有料投票が増加するほど、主催者の収益が大きくなるためです。これにより、数多くの授賞式の有料投票に競争心を持って参加しなければならない世界中のファンの皆様の、経済的な負担と疲労はさらに溜まっている状況です。
K-POP授賞式が海外で続々と開催されていることも、軌を一にしています。一例として最近、K-POP授賞式が東南アジアの国で開催され、チケットが59万ウォン(約6万6,691円)に達する高価格で販売されました。該当国の1人当たりの年間所得は600万ウォン(約67万8,165円)程度で、主な対象が10~20代のK-POPファンだったことを考慮すると、非常に負担になる価格です。韓国で開催する授賞式が通常1~2万ウォン(約1,130~2,260円)程度であることを考えると、さらにそのように感じられます。このように収益に集中した結果、現地の物価に合わないチケット価格により、K-POP産業自体への海外ファンの不満が高まっています。
第2に、爆増する授賞式により、アーティストの健康が脅かされています。
人気アーティスト、特に世界で活躍しているアーティストたちは、1~2年後までのスケジュールが予定されているほど、多くの活動を行っています。そのような状況で、韓国の多数の授賞式でステージを披露するためには、曲の構成とダンスの練習などを含む無理なスケジュールをこなさなければなりません。授賞式のためにアーティストは、2~3日間にわたり徹夜しなければならないことも事実です。これはアーティストの肉体的・精神的な健康を脅かしています。特にK-POP授賞式の開催地が海外である場合、長距離移動による様々な危険要因が増えることになります。
また、授賞式の参加と準備によって、未成年者が多数所属しているアイドルグループの特性上、大衆文化芸術産業発展法による青少年大衆文化芸術人サービス提供時間(週35~40時間)を超えてしまうといった、違法な状況にさらされる可能性もあります。
第3に、激しいキャスティング競争により、アーティストとマネジメント会社は出演の強要で苦しんでいます。
同じ時期に開催される20件の授賞式が競争的にアーティストをキャスティングし、アーティストとマネジメント会社は苦しんでいます。受賞者として選定されるのは光栄でありがたいことですが、実質的には祝賀ステージを強いられることと同じ状況になってしまうケースが増えています。一部の主催者は、マネジメント会社が問題を提起することが難しい“乙”の立場であることを利用して、マネジメント会社や所属アーティストのイメージにダメージを与える報道や、放送出演の機会を制限するなどの報復措置に言及したりもします。
アーティストたちは契約関係によって、すでに決められている海外スケジュールや健康上の理由などで、授賞式への出演が難しい状況が多いのが現実です。それにもかかわらず、ほとんどが“乙”であるアーティストとマネジメント会社は、やむを得ず出演しなければならない状況に傷ついています。
第4に、不透明な選定基準で多くの授賞式が公正性と権威を失いました。
一部の授賞式は、授賞基準や受賞者の選定過程を公開せず、公正性と公平性の議論に巻き込まれています。消耗的なファン投票や授賞式への出席の有無によって、受賞者が決められることもあります。その反面、納得できる客観的な指標や権威のある審査委員団を備えた授賞式は少ないです。「出演すれば、賞を与える」という提案は、受賞者選定の客観性と公正性を自ら否定する行為であるにもかかわらず、多数のK-POP授賞式で行われているのは、公然の事実です。
第5に、授賞式の質が低下することによって、K-POP産業のイメージが損なわれています。
最近、一部の授賞式のステージおよび観客席で不始末が発生し、議論が起きました。低い水準の演出と音響で観客を失望させることが繰り返され、アーティストが転落事故に遭うこともありました。また、主催者は事故に備えて、円滑に状況をコントロールして現場を管理しなければならないにもかかわらず、これを疎かにしてファンの間の論争が起きるなど、事故に対応できなかったケースもありました。これは観客の安全を脅かす、とても重要な問題です。授賞式が収益性を追っていくイベントになることで生じた現象です。授賞式が韓国音楽産業の全般のイメージを向上させているかどうか、改めて考える必要があります。
最後に、マネジメント会社の事業的な負担も無視できません。
授賞式は主催者が収益のほとんどを持っていく、不公正な形へ変質しています。有料観客募集のためアーティストの出演を前提にしますが、アーティストはノーギャラや、不当なギャラを受け取ることがほとんどです。本来の授賞式はその趣旨に合わせてギャラが出なかったり、最低費用で行われますが、スタッフ、ダンサー、ステージ演出などの出張費用はもちろん、ビザ発給、衣装および装備の運送など、海外出張のためのすべての費用まで支払うには非常に足りない水準です。
主催者とマネジメント会社が十分な協議を行わなかったり、書面契約さえ締結しないまま、授賞式に出演するケースもあります。そしてこのようなケースはトラブルが起きると、無理なスケジュールを敢行するようにしたマネジメント会社が責任を負うことになります。マネジメント会社は法的なリスクと、アーティストとの紛争の可能性を受け入れなければならない状況に追い込まれます。また、爆増している授賞式の出演によりアーティストの海外ツアー、イベント出演が制限され、莫大な機会損失が発生します。
本協会はこのような問題点を認識して共感し、正しい音楽授賞式の開催でK-POPが持続的に発展できることを祈る気持ちで、以下のような事項を進めます。
第1に、本協会が運営していた「CIRCLE CHART MUSIC AWARDS」の開催を無期限延期します。
授賞式に関する問題点を振り返り、本協会が開催した「CIRCLE CHART MUSIC AWARDS」もこのような指摘から完全に自由になれないことを認め、これについて遺憾の意を表します。「CIRCLE CHART MUSIC AWARDS」も、音楽授賞式の本質と発展方向について真剣に考える意味で、イベントの開催を無期限で延期します。
第2に、音楽授賞式に関する出演契約書およびガイドラインを研究して発表します。
今年上半期以内に、K-POPアーティストを保護し、ビジネス上の紛争を防止することができる基本的な授賞式に関する出演契約書を、業界全体で作ろうと思います。これは民間の自律的な自浄努力を込めた契約書になる見通しです。
そして、その契約書とガイドラインを通じて、韓国の大衆音楽産業の発展に役立つ授賞式の要件などを提示し、多数の授賞式がこれを守ることができるように励まして、アーティストの自己決定権を尊重することができる方案を探します。
今後も本協会は、持続的に音楽産業全般の発展方案を探し、K-POPが世界中でさらに広がることができるように努力します。多くの音楽産業関係者の方々は、乱立するK-POP授賞式が、逆にK-POPの発展を阻害しているという指摘に共感いただき、志を同じくしてくださるようお願い致します。
ありがとうございます。
記者 : カン・ダユン