映画「ボストン1947」イム・シワン“カン・ジェギュ監督と仕事をするとは想像もできなかった”

OSEN |

写真=ロッテエンターテインメント
イム・シワンが、映画「ボストン1947」を撮影した感想を語った。

彼は最近、ソウル鍾路(チョンロ)区八判洞(パルパンドン)にあるカフェで映画「ボストン1947」のインタビューを行った。

同作は1947年、独立後初めて太極マークをつけて国際大会に出場するマラソンランナーたちの挑戦と胸がいっぱいになる旅程を描いた作品で、ボストンマラソン大会を通じて韓国を知らせるため奮闘したソン・ギジョン監督とソ・ユンボク選手の実話をもとにした作品である。

イム・シワンは劇中、“第2のソン・ギジョン”を夢見る、1947年のボストンマラソン大会の国家代表ソ・ユンボク役を演じ、劇中の人物そのものになった姿を見せた。

「ボストン1947」は、2019年にクランクインした作品だが、約4年間待った末に公開された。やきもきしなかったかと聞くと彼は、「僕は撮影した映画やドラマがいつ公開されるのかについては鈍い方なんです。いつか公開されるだろうと気楽に考える方ですが、今回の作品は特別長かったです」と話した。

それから「待つ時間が長かったことにより、俳優として作品を撮影しただけで、作品が世の中に出て人々の反応を得られなければ、完成ではないということに気づかせてくれました。俳優としては苦労して撮影し、観客に会って反応を得てこそ、生命力が与えられるのだと思いました。僕は生命力を与えられたのです。それだけでも所期の目的を達成したので嬉しかったです」とつけ加えた。

しかし、今の韓国映画界の状況は厳しい。観客数が大幅に減っているためだ。彼は「とても残念です。映画を消費する形や文化が変わって、直接映画館を訪れる観客が前より減ったので、それは残念だと思います。多くの方が映画に興味を持ってもらえたら嬉しいですし、ただ要求だけをするよりは、どうすれば映画を面白く感じていただけるだろうかと考えています」と説明した。

「シュリ」「ブラザーフッド」など、しっかりとしたストーリーと時代をリードする演出力で韓国映画のパラダイムを変えたカン・ジェギュ監督が「ボストン1947」のメガホンを取った中、イム・シワンは「僕の記憶が正しければ、僕が幼い頃家族と一緒に初めて観た映画が『シュリ』だったのですが、かなり衝撃を受けました。その映画が与える感情を100%感じた時、胸が詰まる感じが1ヶ月以上続きました。僕の幼年時代に多大な影響を与えた方です」と語った。

それと共に「僕が大人になってそのような方と一緒に仕事をすることになるとは想像もできませんでした。監督の人柄や作品を見る目、そして大きな器を感じましたし、尊敬するようになりました。映画を見るやいなやありがとうございますと伝えました。僕が観たかった映画だと思ったので、感謝すると申し上げました」と伝えた。

イム・シワンは共演したハ・ジョンウについて、「今回の作品が終わってよくやったと励ましてくださいましたし、撮影終わりに一緒においしいものも食べに行きました。もちろん僕はほとんど野菜を食べましたけど」とし「ジョンウさんは世の中についての知識が豊富なので、一緒に時間を過ごしながらそういった話を聞くのが面白かったですし、不思議でした。愉快で明るくてリラックスした状態だったのに、撮影に入った瞬間、集中する姿を見て、あのようなテンポ感を学んでみたいと思いました。とても愉快で現場の雰囲気を楽しくしてくださいました」と感謝の気持ちを表した。

イム・シワンはマラソンランナーに変身するため3ヶ月の準備期間、5ヶ月の撮影期間の計8ヶ月間、体を作って維持しながら運動選手のような生活をしたという。マラソンシーンを撮影した時のエピソードはないかという質問に、「オーストラリアで撮った時、監督が特に『大丈夫か』と何度も聞いてくれました。『心配しないでください』と言って撮影に入ったけれど、かなり走っても終わらなくて。撮影では実際のマラソンというよりは、100m走のように全力疾走するように走ります。走っても走っても終わらず、ずっと丘がありました。その時は走った後、本当に足が震えました。なぜ監督が前から心配していたのか分かりました」と振り返った。

作品を終えた後、彼は趣味でマラソンをすることはもちろん、チャリティーイベントにも参加し、マラソンに愛情を示している。彼は「趣味に発展させることができたのが、走ってみたら僕とよく合ったからなんです。何も考えずただ目標地点に向かっていくのが数字的に明快です。10kmが目標だとすれば、歩く分だけ削られる単純明瞭なやり方が面白くて、今も走り続けています」と説明した。

今回の作品ではパク・ウンビンと若干のロマンスも表現された。息は合ったかという質問に「ウンビンさんと撮る時に感じたのは、すごく静かで優しいイメージでした。たくさん話すことはできなかったけれど、とても良いイメージで、人間対人間として楽な感じがしました」とし「ウンビンさんもそうだったのか、その後共演したことはないけれど、イベント会場で偶然会ったらすごく嬉しくなりました。ウンビンさんに関してはとても良い記憶が残っています」と話した。

また、作品を選ぶ基準を聞くと「良い作品の定義を下すのがとても難しいです。ある時は本当にいわゆる大作、素晴らしい監督と先輩がタッグを組むのが良い作品なのか、その確率が高いのかと悩みますし、何も分からないけれど、感情的に惹かれるのがよい作品なのかとも悩みます。外的な側面、そして感性的な側面の両方とも考えてみるけれど、それは依然として解けない宿題です」と伝えた。

今回の映画でどのような反応を得たいかと聞くと、彼は「最近ではかなり刺激的な、食べ物で言えば甘しょっぱいのが割と多いようです。その中でも材料本来の味を出す料理を思い出す時もあるじゃないですか。そのような作品が見たいと思うようになったけれど、この映画が完璧に僕の好みに合った作品だと思って、なおさら監督に感謝しました。忙しく動いているこの時代に、一度息抜きできる映画だと評価していただければ嬉しいです。食べ物で言えばコンドゥレ(高麗アザミ)ご飯のような、大したことはないのに、醤油だけ加えて食べられる、それと似たような感じだと思います」と話した。

記者 : キム・チェヨン