ソン・ガンホ、映画「クモの巣」スチールカットを公開…情熱と欲望を持つ映画監督に変身

Newsen |

写真=(株)パルンソンE&A
ソン・ガンホが、新作で映画監督に変身する。

韓国で9月に公開される映画「クモの巣」(監督:キム・ジウン)は1970年代、撮り終えた映画「クモの巣」の結末を撮り直せばもっと良くなるという強迫観念が強いキム監督(ソン・ガンホ)が、検閲当局の妨害と変わった内容が理解できない俳優、制作者など、頭がおかしくなる一歩手前と言えるほどの悪条件の中、撮影を敢行したことで起きる出来事を描く。

キム・ジウン監督をはじめ、パク・チャヌク、ポン・ジュノなど韓国を代表する監督たちのペルソナとしてインスピレーションを与えてきた俳優ソン・ガンホが、今作ではカメラの向こうにいる監督を演じる。

傑作を作ろうとする「クモの巣」のキム監督は、夢も芸術も検閲された1970年代、デビュー作が成功した後、悪評と嘲弄に苦しみ続ける映画監督だ。撮影が終わった映画「クモの巣」の新たな結末にインスピレーションを与える夢を数日間見たキム監督は、このまま撮影すれば必ず傑作になるという思い、2日間の追加の撮影を計画する。しかし変わった台本が理解できない俳優たちと検閲当局の妨害、制作者の反対など、様々な悪条件が集まったが、傑作に対する欲望と執念で敢行する。

公開されたキャラクタースチールカットでは、当時の時代像が分かるメガネとカールのかかったヘアスタイルが視線をとらえ、芸術家キム監督のアイコニックな面がうかがえる。

1970年代、創作者に対する尊重はなく、台本から検閲の対象だった韓国の映画産業を背景に、悪条件に対峙した監督を演じるソン・ガンホは、懐疑と自虐、情熱と才能、資本の論理の中で複雑に絡む感情をリアルに表現する。キム・ジウン監督は「ソン・ガンホは撮影現場で必要なものは何なのか、全てを見抜き、現場の空気まで扱うことのできる俳優だ。そんな彼が自分の仕事に対する狂気と表現の独創性を兼ね備えたキム監督役に適していると思った」とし、「クワイエット・ファミリー」から「密偵」まで、今回が5作目のタッグとなるソン・ガンホをキャスティングした理由を伝えた。

ソン・ガンホは「『クモの巣』は今まで見てきた映画のシナリオではないような感じがした。形式も内容も斬新で、新しい映画になると思った」と出演の理由を明かした。監督なら誰もが耐えなければならない責任感と重さを背負い、傑作に向けた執念と欲望、完璧な作品に仕上げてみせるという複合的な感情を持っているキム監督を、今までになかった新しいキャラクターとして表現するソン・ガンホの演技に対する期待がより高まっている。同作は韓国で秋夕(チュソク:韓国のお盆)に公開される予定だ。

記者 : ペ・ヒョジュ