「リバウンド」アン・ジェホン“撮影中のお守りはSLAM DUNKの最終巻”

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写真=Barunson E&A
俳優のアン・ジェホンが「リバウンド」に出演した感想を伝えた。

彼は最近、ソウル市鍾路(チョンノ)区昭格洞(ソギョクドン)のカフェでマイデイリーとインタビューを行い、韓国で4月5日に公開された映画「リバウンド」について紹介した。

同作は、2012年の韓国全国高校バスケットボール大会、誰も注目しなかった最下位バスケットボール部の新任コーチと、6人の選手が休まずに走り続けた8日間の奇跡のような物語を描いた作品だ。2012年、大韓バスケットボール協会長旗全国中・高バスケットボール大会で奇跡を起こした釜山(プサン)チュンアン高校バスケットボール部の実話を描いた。チャン・ハンジュン監督が演出を務め、脚本には映画「工作 黒金星と呼ばれた男」、Netflixシリーズ「ナルコの神」の脚本家クォン・ソンフィと、Netflixシリーズ「キングダム」の脚本家キム・ウニが意気投合した。

彼は劇中、釜山チュンアン高校のバスケットボール部の新任コーチであるカン・ヤンヒョン役に扮して熱演を繰り広げた。カン・ヤンヒョンコーチは過去、高校バスケットボールのMVPまで獲得したが、2部リーグで活動する中、公益勤務要員の身分でコーチになった人物で、解散直前のバスケットボールチームを決勝戦へ導く。

この日、彼は「リバウンド」への出演について特別な意味を強調した。2021年9月、tvN「ユ・クイズ ON THE BLOCK」でチャン・ハンジュン監督が次期作でバスケットボールを題材にした作品を準備していると明かしたことがあるが、当時、その番組を見ていた彼は「なぜか僕がその配役を務めることになりそうだ」と予感したという。

彼は「予感の中で、僕が演じたいという願いがあった。あの作品に出演するチャンスが与えられたらいいなと。そしてそれからちょうど3日後に本当にシナリオを受け取った。一日で連絡して、数日後にすぐに監督に会って出演すると伝えた」と、運命のようなビハインドストーリーを公開した。

そして彼は「この作品は“スポーツ映画”というよりは、“バスケットボール”を題材にしているという点が気に入った。僕がシナリオを受け取った時は、バスケットボールは以前ほど人気が高いスポーツではないと感じた頃だった」と明かし、「ある瞬間、思い出のようになってしまったスポーツになった気がした。昔は、皆が運動場で汗を流しながらやったスポーツだったし、僕も漫画『SLAM DUNK』を見て育った世代で、バスケットボールに熱狂してブームを経験したから、もっと強くそう感じた。もちろん、今台本を受け取ったとしたら違ったと思う」と述べた。

チャン・ハンジュン監督との初の作業はどうだったのだろうか。彼は「チャン・ハンジュン監督とは今回が初めての作業だ。一緒に旅行に行くほど親しくなった。人間的に深い関係になった」とし「彼は実際も面白い。放送での姿そのままで、現場で愉快なエネルギーを届ける方だ」と愛情を誇示した。

特に彼は、チャン・ハンジュン監督について「僕がこれまで会った大人の中で、一番若い大人だと感じた。彼に会って作品もそうだが、外的にも、人生への視線についてもいい影響を受けた」と尊敬の意を示した。

また彼は「監督は、愛される指揮者のようだ」とし「彼は役者たちが自分の力量を思いっきり発揮できるよう、緊張もほぐしてくれて、激励してくれた。すべてのシーンをユニークに作ってくれた。楽しめる現場で、緩急のバランスをとる姿が指揮者のように見えた。スマートな人だなとも思った。現場を指揮する能力が素晴らしかった」と絶賛した。

大会当時のカン・ヤンヒョンコーチとのシンクロ率を高めるため、体重をなんと10キロも増やした彼は「たまにそんな方もいるじゃないか。体重を増やしたいのにできない方々に、献立を作ってあげることができるほど僕には体重を増やすことが簡単だった。それに要請してもらって増やすのは、もっと気持ちがいい」と冗談めかして言い、笑いを誘った。

彼は「ピザとガーリックディップソースで、短時間で体重を増やした。増量は加速度がつくので、10キロ増やして維持するという感じでしなければならないが、そこで止めるのが大変だ」とし「減らすのも簡単じゃない。まだダイエット中だ。今は空腹で有酸素運動をしている」と伝え、皆を笑わせた。

彼は「増量した僕の姿を初めて見た監督は明るく笑っていた。とても嬉しかった。カン・ヤンヒョンさんも驚いていた。『コートで叫ぶシーンは、直接見ても自分みたいだ』と言ってくださった。彼とよく会って、昨日も連絡した。彼と僕は手や身長も同じく、下半身もしっかりしていて、似ている部分が多い」と説明した。

体重の増量だけではなく、彼は「台本を受け取った時がバスケットボールシーズンだったので、直接試合を観覧しに行って、コーチ席を観察した。僕はSKナイツを応援したが、僕が(試合へ)行く度に全て勝った」とし「制作陣がありがたいことに、資料を整理してUSBに入れてくれた。だけど、多すぎた。30ギガだった。当時の選手たちの試合映像、インタビュー、写真、記事のスクラップが全部入っていた。見ていると、全部見なければならない気がした。実際の映像自体に彼らの汗とエネルギーが込められていて、その気持ちをよく表現したいと思った。カン・ヤンヒョンコーチも余裕がない状態であるにも関わらず、達成したいから過度なジェスチャーをするが、そのような態度が心から応援してあげたい、青春のように感じられた」と作品のための努力を伝えた。

彼は「SLAM DUNK」へのファン心も告白した。アン・ジェホンは「『SLAM DUNK』は僕が小学5年生の頃、完結した。最終巻を読んでいたその時の自分の様子を今でも覚えている。ソ・テウン(流川楓)、カン・ベクホ(桜木花道)のハイタッチを昼に家の居間で見たことを思い出す。そして大人になってカラーで発刊された全巻を購入した」と明かした。

また「作品を撮影する時も、お守りのように『SLAM DUNK』の最終巻を持って歩いた。その時は劇場版『THE FIRST SLAM DUNK』の公開が発表される前だったが、(自分を)喚起させるために漫画を再び読んだ。この情熱を思い出すためだ。僕たちも『SLAM DUNK』のように情熱を込めなければならないと、選手たち(出演陣)にも強調した。原作の漫画の熱血ファンとして『THE FIRST SLAM DUNK』が公開されてすぐに観覧した。涙が出て心が熱くなった」と告白した。

そして彼は「試写会の時、初めて『リバウンド』を見たが、最後のシーンで感情が込み上げてきた。懇談会に参加しなければならなかったため、心の中で号泣した」とし「最近、またバスケットボールブームが起こって、漢江(ハンガン)のバスケットボールコートが人でいっぱいだが、その状況がこの作品にとってもプラスになれば嬉しい」と述べた。

特に彼は「この作品は、今の時代を生きていく我々に必要な話だと思う」と強調し、「僕もそうだが、僕たちの世代は今の瞬間を大事に思わない時が多すぎる。明日または来月、数年後のため、現在を犠牲にする生活をしているが、『現在を大事にしよう』というメッセージを投げかける」と語った。

彼にも奇跡のような瞬間があった。アン・ジェホンは「初めて釜山(プサン)国際映画祭でGV(観客との会話)を行った時だ。映画『1999、面会~サンシャイン・ボーイズ』(2013)という作品で招待されたが、絶対に忘れられない瞬間だった。初の長編映画主演作でもあった。当時、観客の方々の質問に答えたが、息が詰まる経験をした。その瞬間のおかげで『足球王』に出演できたし、また別の作品を続けていくことができた始まりのような瞬間だった。今でも覚えている、奇跡のような瞬間だった」と当時を振り返った。

最後に彼は「この作品の『バスケットボールは止まっても、人生は止まらない』というメッセージが、自分にとってもいい刺激になった。たくさん学んで、指針のような作品となった。『人生は一度だけで、人生は続くから今の瞬間を楽しんで勇気を出さないと』と考えさせられる作品だった。自分にとって大きな意味として残った」と明かした。

記者 : キム・ナラ