BTS(防弾少年団)、国連総会に3度目の参加…若者世代を代表する7人のスピーチ全文

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写真=BTS 公式SNS
BTS(防弾少年団)が国連(UN)総会で演説を行った。

BTSは9月20日午前8時(現地時間)、米ニューヨークで開催された第76回国連総会の特別イベント「持続可能な開発目標(SDGs)モーメント」開会セッションに参加した。この日の行事は、国連事務総長の主宰の下に行われた。BTSは、「未来世代と文化のための大統領特別使節(Special Presidential Envoy for Future Generations and Culture)」の資格でムン・ジェイン(文在寅)大統領と共に参加した。

「世界中の若者たちと交感している卓越した若者たち、この時代に最高に愛されているアーティスト、未来世代と文化のための大統領特別使節」という文大統領の紹介と共に演壇に立ったBTSのメンバーは、順番に約7分間、新型コロナウイルス感染症が拡大する時代を生きる韓国の若者として声を上げた。すべてのスピーチは韓国語で行われた。

BTSは、パンデミック時代の苦難や気候変動などの環境問題等について自身の意見を述べるにとどまらず、公式SNSを通じて募集した青年(Youth)の話を紹介した。過去2年間、新型コロナウイルス感染症により困難を経験しながらも、これを乗り越えて変化し、たくましく歩んでいるBTSのメンバーたち、そして世界中の若者たちの物語は、この日の生中継を見守った多くの人々の共感を呼んだ。

リーダーのRMは、国連総会議長、国連事務総長、文大統領、各国の首脳に挨拶をした後、「大韓民国大統領の特使、BTSだ。僕たちは今日、未来世代の話を伝えるためにこの場に来た。ここに来る前に、全世界の10代、20代の方に、過去2年間はどうだったか、また、今はどのような世の中を生きているかを聞いてみた」と述べた。

ジンは「見ているだけでも気持ちのいいエネルギーが感じられないか。この2年間、実は僕も当惑して漠々と寂しい気分になる時があったが、それでも『Let's Live On』、今をしっかり生きていこうと叫んでいる方がいた」と全世界の青年たちから受け取った書き込みや写真を紹介した。

ジミンは「最も多様なことに挑戦できる時期に、立ち止まってばかりではいられない。正直、最初は誰を責めることもできず、悔しかっただろう。僕は昨日と全く同じだが、一瞬にしてパラレルワールドに来たかのように、世界が変わってしまったのだから」と述べた。

ジョングクは「入学式、卒業式が中止になったという知らせを聞いた。人生で必ず記念しなければならず、記念したい瞬間だったはずなのに、とてももどかしく残念だったと思う。僕たちも、長い間一生懸命に準備したコンサートツアーが中止になり、本当にとても心が痛み、僕たちが完成させたかった瞬間をしばらく恋しがった」と回想した。

SUGAは「コロナで失われてしまったものに対する一種の哀悼が必要な時間だった。これまで当然だと思っていた瞬間瞬間の大切さに、改めて気付いた時間だった」と語った。

ジミンは「僕たちの質問にも、大切だった瞬間が詰まった写真で回答してくださった方が多かった。特に、自然の中で撮影した写真をたくさん送ってくださったが、2年の間で自然をたくさん感じて育てながら、時間をより特別に感じたのではないかと思う」と明かした。

J-HOPEは「地球上で僕たちに残された時間が、残り少ないような不安を感じたからだろうか。先ほど僕たちが哀悼しなければいけなかったものについて話してみたが、地球に対する哀悼は本当に考えたくない。気候変動が大きな問題であるということはみんな共感するが、どのような事が最善の解決策だと話すことは簡単ではなかった。断定して話すには難しいテーマだと思う」と話した。

RMは「そうだ。実際に難しい話だ。しかし、この場に来るために準備する期間で知ったことは、環境問題に真剣に関心を持って専攻に選んで勉強する学生がとても多いという事実だった。誰も経験したことのない未来なのに、僕たちが埋めていくべき時間のほうが多いので、どのように生きていくのが正しいのか、自ら答えを探しているようだった」と説明した。

Vは「だから僕たちの未来について、あまり暗く考えないでほしい。これからの世界のために、自ら悩んで努力して道を探している方もいらっしゃるから。僕たちが主人公である物語のページがまだまだ残っているのに、すでにエンディングが決まっているかのように言わないでほしい」と話した。

ジョングクは「もちろん、僕は準備ができていたとしても世界が止まっているような気分になることもあるし、道を完全に失ったかのように感じることもある。僕たちもそんな時があった」と打ち明けた。

RMは「今の10代、20代を『コロナ・ロスト・ジェネレーション』と呼ぶこともあると聞いた。様々な機会と試みが必要な時期に、道を失ってしまったという意味だという。しかし、大人たちの目に見えないからと言って、“道を失った”と言えるのだろうか」と疑問を投げかけた。

ジミンは「この写真を見てほしい。オンラインという空間で、新しい方法で友達との出会いを続け、勉強を始めて、より健康に生きていくために努力している方たちがたくさんいる。これは、道を失ったというよりも新たに勇気を出して挑戦する姿に見える」と伝えた。

ジンは「そのような意味で『ロスト・ジェネレーション』ではなく『ウェルカム・ジェネレーション』という名前が似合っていると思う。変化を恐れるよりも“ウェルカム”と言いながら、前に進んでいく世代という意味だ」と説明した。

RMは「そうだ。可能性と希望を信じているなら、予想外の状況でも道を失うのではなく、より新しい道を見つけることだろう」と明かした。

SUGAは「僕たちが選択する方法のうち、完璧ではないものも確実にあると思うが、だからといってできることは何もないとは思っていない」と伝えた。

J-HOPEは「重要なのは、変化の前でどのような選択をするかだと思う。僕たちが国連に来るという知らせを聞いて、本当にたくさんの方々がワクチンを接種したのか気にしていた。僕たち7人全員、ワクチンを接種した」と明かした。

RMは「ワクチン接種は僕たちを待っているファンの皆さんに会うため、そしてこの場に来るための、一種のチケットのようなものだと思う。今日お伝えしたメッセージのように、僕たちは僕たちが今できることをやっている」と、ワクチン接種の意味を説明した。

Vは「ワクチン接種もそうだが、新しい日常を続けていくための努力が継続されている。僕たちは顔を合わせて会える日が遠くないと思う。その時まで、ポジティブなエネルギーでもう一度迎えてくれたらうれしい」と明かした。

最後にRMは「世の中が止まったと思っていたが、少しずつ前に進んでいる。すべての選択は、変化の始まりだと信じている。エンディングではなく、新たに始まる世界で皆さんに、そしてお互いに『ウェルカム』と言ってあげられたら嬉しい。これから僕たちがお聞かせする歌は、皆さんに予め伝えたい僕たちの“ウェルカム”メッセージだ」と伝え、「Permission to Dance」国連総会バージョンのパフォーマンス映像を公開した。

国連での演説を成功させたBTSは、この日の午後公式Twitterを通じて「今日の演説は、みなさんの参加によって可能になりました。未来世代の話を全世界に伝えることができる栄光を、みなさんと一緒にできて嬉しい。僕たちもいつも皆さんを応援する。皆さんのストーリーは、ここから始まりだ」と感想を明かした。

所属事務所のBIGHIT MUSICは「新しくスタートする世界で、皆がお互いに『ウェルカム』と言えますように」と付け加えた。

BTSが国連総会で演説をするのは3度目だ、2018年9月、アメリカ・ニューヨークにあるUN本部で行われた「第73回国連総会」にグローバル青年代表として出席した彼らは「自分を愛し、声を出すこと(Love Yourself, Speak Yourself)」の重要性を語った。

続いて昨年9月には、国連保健安保友好国グループの会議中に、特別講演者として「絶望から抜け出し、お互いに連帯して新しい世界をもう一度生き抜きましょう」と希望のメッセージを伝えた。

・BTS(防弾少年団)「第76回国連総会」で韓国語でスピーチ…スーツ姿でパフォーマンスも披露“すべての選択は変化の始まり”(動画あり)

・【PHOTO】BTS(防弾少年団)「第76回国連総会」に出席するためアメリカへ出国…手を振って挨拶(動画あり)



【BTS 国連総会の演説全文】

大韓民国 大統領特使、BTSです。
僕たちは今日、未来世代の話を伝えるためこの場に来ました。
ここに来る前、全世界の10代、20代のみなさんにとって、これまでの2年はどうだったか、また今はどのような世界を生きているのか聞いてみました。見てるだけでも気分の良いエネルギーが伝わってきませんか? ここ2年間、実は僕も当惑していましたし、漠然とした気分になるときがありましたが、それでも「Let's Live On」、今をしっかり生きようと叫ぶ方もいました。

最も多様なことに挑戦することができる時期に、立ち止まってばかりではいられません。正直、最初は誰のせいにもできず、悔しい思いをしたはずです。僕は昨日と全く同じなのに、一瞬にしてパラレルワールドに来たかのように世界が変わってしまったのですから。入学式、卒業式が中止になったということも聴きました。人生で必ず記念しなければならない、また記念したい瞬間だたはずなのに、本当にもどかしく残念だったと思います。僕たちも、長い間一生懸命に準備したコンサートツアーが中止になり、本当にとても心が痛み、僕たちが完成させたかった瞬間を、しばらく恋しがっていました。新型コロナウイルスで失ったものに対する一種の哀悼が必要な時間でした。これまで当然だと思っていた瞬間瞬間の大切さに、もう一度気付いた時間でした。

僕たちの質問にも、大切だった瞬間が盛り込まれた写真で応えてくださる方が多くいました。特に、自然と共にした写真をたくさん送ってくださいましたが、2年間、自然をたくさん感じて育てながら、時間をもっと特別に感じたようです。地球上で僕たちに残された時間が、残り少ないような不安を感じるからでしょうか。先ほど、僕たちが哀悼しなければならないことについてお話しましたが、地球に対する哀悼は本当に考えたくありません。気候変動が大きな問題だという事は皆さんも共感しますが、どのような事を最善の解決策だというのは本当に簡単ではありません。断定して言うのが難しいテーマで、実は難しい話です。ですが、この場に来るために準備する期間で知ったことは、環境問題に真剣に関心を持って、専攻して勉強する学生たちがとても多いという事実でした。誰も経験したことのない未来なのに、僕たちが埋めていくべき時間のほうが多いので、どのように生きていくのが正しいのか、自ら答えを探しているようでした。

したがって、僕たちの未来について、あまり暗く考えないでほしいです。これからの世界のために、自ら悩んで努力して道を探している方もいらっしゃるので。僕たちが主人公である物語にはページがまだまだ残っているのに、すでにエンディングが決まっているかのように話してほしくありません。もちろん、僕は準備ができていたとしても、世界が止まっているような気分になる時もあるし、完全に道を見失っているような気分になるときもあります。僕たちもそんな時がありました。

なので今の10代、20代の皆さんを「コロナ・ロスト・ジェネレーション」と呼ぶこともあると聞きました。最も様々な機会と試みが必要な時期に、道を失ってしまったという意味だと言います。しかし、大人たちの目に見えないからと言って、“道を失った”と言えるのでしょうか。こちらの写真を見てください。オンラインという空間で、新しい方法で友達との出会いを続け、勉強を始めて、より健康に生きていくために努力している方たちがたくさんいます。これは、道を失ったというよりも新たに勇気を出して挑戦する姿に見えます。そのような意味で「ロスト・ジェネレーション」ではなく「ウェルカム・ジェネレーション」という名前がより似合っていると思います。変化を恐れるよりも“ウェルカム”と言いながら、前に進んでいく世代という意味です。

可能性と希望を信じているなら、予想外の状況でも道を失うのではなく、より新しい道を見つけることと信じて疑いません。僕たちが選択する方法のうち、完璧ではないものも確実にあると思いますが、だからといってできることは何もないだろうとは思っていません。重要なのは、変化の前でどのような選択をするかだと思います。僕たちがUNに来るという知らせを聞いて、本当にたくさんの方々がワクチンを接種したのか気になされていました。この場をお借りしてお話すると、僕たち7人は全員ワクチンを接種しました。ワクチン接種は僕たちを待っているファンの皆さんに会うため、そしてこの場に来るための、一種のチケットのようなものだと思っています。今日お伝えしたメッセージのように、僕たちは僕たちが今できることをやっています。

ワクチン接種もそうですし、新しい日常を続けていくための努力が継続しています。僕たちはもうすぐ、顔を合わせて会える日が遠くないと思います。その時まで皆さん、ポジティブなエネルギーでもう一度迎えてくれたらうれしいです。世の中が止まったと思っていましたが、少しずつ前に進んでいます。すべての選択は、変化の始まりだと信じています。エンディングではなく、新たに始まる世界で皆さんに、そしてお互いに「ウェルカム」と言ってあげられたら嬉しいです。これから僕たちがお聞かせする歌は、皆さんに予め伝えたい僕たちの“ウェルカム”メッセージです。

記者 : ファン・ヘジン