「ミセン-未生-」カン・ソラ、インタビュー中に流した涙の理由とは…?
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写真=WILLエンターテインメント
これ以上にアン・ヨンイらしくすることができるのだろうか?ドラマがベールに包まれていた当時、カン・ソラは華やかな外見のせいで原作であるウェブ漫画「ミセン-未生-」のアン・ヨンイと最もシンクロ率が低いという評価を受けていた。しかし、カン・ソラは演技だけでアン・ヨンイというキャラクターを完璧に表現した。数多くの女優の中の一人に過ぎないと思われていないカン・ソラ。彼女がアン・ヨンイに出会ってかけがえのない女優に生まれ変わった。アン・ヨンイはカン・ソラに出会って、カン・ソラはアン・ヨンイに出会って最も輝きを放つことができた。カン・ソラは頭の天辺からつま先までアン・ヨンイであった。さらにはtvN「ミセン-未生-」が放送されていた当時に行われた授賞式「2014 Mnet Asian Music Awards」で3万9千ウォン(約4千円)の低価格のドレスを着用し、アン・ヨンイを連想させた。当時カン・ソラは「アン・ヨンイというキャラクターを考慮したわけではない」と伝えていたが、人々は「アン・ヨンイ=カン・ソラ」として認識し、劇への集中度を高めた。
「金福珠(カン・ソラがモデルを務めている酒類メーカー)のグラビアを撮影した際に、月別にドレスを着用しました。その時着たドレスが一番雰囲気がいいと思いました。最初はブランドは知らなかったです。値段も記事を見て知りました。普段も体型を考えた衣装をよく着ます。流行よりはそんなところを多くチェックしています」
カン・ソラが演じたtvN 「ミセン-未生-」のアン・ヨンイは幼い頃から優秀な成績をあげてきたエリートの新入社員だ。しかし、資源2チームという手強い相手と出会い、実力を発揮できず叱られるばかりだ。資源チームは長期プロジェクトを多く担当するチームである。女性社員たちは結婚や出産、育児などによる休職でチームに大きな被害を与えており、資源チームの社員たちは女性社員に反感を持っていた。
アン・ヨンイが資源チームに配置された時、彼女はやや堂々とした声で意見を出していた。また、営業3チームに小さな支援もし、正義を守ろうとした。しかし、それらが全部アン・ヨンイの足を引っ張った。資源チームのマ部長(ソン・ジョンハク)、チョン課長(チョン・ヒテ)、ハ係長(チョン・ソクホ)、ユ係長(シン・ジェフン)はアン・ヨンイを徹底して排除した。侮辱的な言葉も惜しまなかった。それらがアン・ヨンイをどんどん変化させた。アン・ヨンイはすべてを受け止め、資源チームに自ら一歩近付いた。先輩たちの机を拭き、タバコを買ってくる世話もしながら自分自身を低くした。その姿に資源チームの社員たちの心もどんどん変化していった。
「アン・ヨンイは私の実際の性格とは違います。アン・ヨンイはすごく我慢強く、本当にうっとうしく感じました。私がハ係長のような上司に出会っていたら、もっと気さくに接していたと思います。何が気に入らなくて不満なのか、何を直せばいいのか聞いていたと思います。『これもまた過ぎていくだろう』という表情で多く演技していました。弱い姿を見せるほど相手が見下すと思ったので、仕事をもっと頑張っていたと思います」
アン・ヨンイがこのような厳しい状況も乗り越えることができた理由は、彼女の父にあった。アン・ヨンイの父はアン・ヨンイが娘であるという理由で見下していた。普通の親なら出すべき授業料も、アン・ヨンイにはあげていない。アン・ヨンイは父に見せるためにももっと強く、完璧に成長した。女性という理由で見下されることはアン・ヨンイにとって慣れたことであった。アン・ヨンイが隠していた父という存在、そして家族史。アン・ヨンイはこの秘密をチャン・ベクギ(カン・ハヌル)にだけ唯一打ち明けていた。ここで二人が恋人関係に発展するのではないかという視線が集まった。これに先立ちアン・ヨンイはチャン・ベクギにシャツを、チャン・ベクギはアン・ヨンイに靴をプレゼントしており、その疑いは強まった。
「男女が一緒にいるんですから、異性間の好感がないわけにはいかないと思います。アン・ヨンイはチャン・グレから可能性をかなり見ていたと思います。最初は天下りだとばかり思っていたのに、彼の長所もたくさん見るようになります。チャン・べクギはその逆でした。完璧だと思ったのに、その後、上司にやられている姿を見て、同病相哀れむの気持ちだったと思います。経済的なことは違っていても、チャン・ベクギはアン・ヨンイと最も近い道を歩んだ友人だったと思います」
ウェブ漫画「ミセン-未生-」の中のアン・ヨンイはカン・ソラ、そしてドラマ「ミセン-未生-」とは違っていた。ウェブ漫画のアン・ヨンイはショートヘアに冷たい姿が印象的だった。上司にも堂々としている、隙のない完璧な“超えられない壁”の新入社員であった。ドラマ「ミセン-未生-」のアン・ヨンイのように出番が多くもなかった。
「監督と『ミセン-未生-』のアン・ヨンイについて話し合いました。これまでアン・ヨンイがショートヘアで出ていたのは、父に認められたいという気持ちの表れでした。しかし、サムジョン物産の件の後に、父との関係は終わったと思うようになります。そこで、家から独立して一人暮らしを始めたんです。女性性を持っていなかったキャラクターが、メイクもして髪も伸ばし始めました。父の影響から逃れたいという気持ちでです。ウェブ漫画を見た時に、最も非現実的な人物がアン・ヨンイだと思いました。仕事的にすごく完璧な子が、人間関係は下手で、人に接するのも苦手です」
「ミセン-未生-」のアン・ヨンイについて語るカン・ソラの姿から、女優カン・ソラではない本物のアン・ヨンイが見えた。カン・ソラはアン・ヨンイというキャラクターの役作りのために「アン・ヨンイの日記」を書き、一人でアン・ヨンイを描き始めたという。その分「ミセン-未生-」はカン・ソラにとって特別な作品であった。カン・ソラは「ミセン-未生-」の放送終了記念打ち上げパーティーで涙を見せ、インタビュー中にも涙を流した。カン・ソラの涙はしばらく止むことがなかった。
「『ミセン-未生-』は私の見る目を高めてくれた作品です。このような作品にまた出会えるのだろうか、寂しくて流した涙でした。ここまで多くの方が好きになってくれるとは思いませんでした。けど、この作品を演じないと後悔するだろうと思いました。素晴らしい作品に私が便乗したとも言えます。今回のように欲張らず、身を投じて演技をしたことはありませんでした。台本に表現がすごくよく出ていて、『キャラクターをどう解せばいいのか』ではなく『どうすれば上手くできるだろう』という、質的にワンランク上の悩みを持っていました」
カン・ソラが出演した「ミセン-未生-」は韓国ドラマ業界に新しい歴史を書いた。財閥、不倫、出生の秘密、ラブストーリーがなくても成功した唯一のドラマとなった。「ミセン-未生-」は7週連続でコンテンツパワーの1位にランクインし、最高視聴率8.2%で幕を閉じた。そしてシーズン2を予告し、その人気を実感させた。
「シーズン2にアン・ヨンイがまた出るみたいですね?出世していたらいいですね。資源チームの会食シーンがなくて残念でしたが、ランチでも一緒にしているシーンがあればと思います。また、アン・ヨンイが担当の新入社員を迎え、ハ係長の立場になってみるのも面白いでしょう。ワンインターナショナルを退社したチャン・グレとは仕事仲間ではなく友人となるわけなので、プライベートな話、囲碁の話を交わしたいです」
記者 : キム・ガヨン