Vol.2 ― 放送終了「スリーデイズ」3ヶ月間に渡って描かれた“9日間の物語”…視聴者に提示したものとは?
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※この記事にはドラマのストーリーに関する内容が含まれています。
SBS水木ドラマ「スリーデイズ~愛と正義~」(脚本:キム・ウニ、演出:シン・ギョンス)が1日、第16話の放送を最後に幕を閉じた。16年前の自身の過ちを振り返り、最後まで責任を取ろうとする、現実の世界ではなかなか見つけることのできない大統領イ・ドンフィ(ソン・ヒョンジュ)と人より多くのものを持っているも、自身の私利私欲を満たすために底知れぬ欲を出し続ける財閥キム・ドジン(チェ・ウォニョン)の対決は結局イ・ドンフィを微笑ませ、正義は勝利するという結末となった。
韓国で3月5日に放送スタートした「スリーデイズ~愛と正義~」は、タイトルからも分かるように「限定された時間」が届ける圧迫やスリルで視聴者の関心を引きつけた。放送前、実際に視聴者たちは計3日間の物語を描くのかと思ったが、実際には「戦争の序幕」「決戦」「審判」というサブタイトルのもとでそれぞれ決められた72時間ずつ、計9日間の物語を盛り込んだ。専用の別荘に休暇に行った大統領が失踪し、消えた大統領を探して事件を追跡する警護員と大統領の緊迫した内容を描くことでスタートしたこのドラマは劇中で多くの人の死が与える痛み、今の時代を皮肉るような核心をつく台詞で平均視聴率11.8%(ニールセン・コリア、全国基準)の視聴率を記録した。
計16話の中に盛り込まれた制限された9日間という時間、相次いでしりとりをするように続く事件とその中の大統領、彼を守らなければならない大統領府の警護員、そして彼らの向こう側に立つ勢力との対決。「スリーデイズ~愛と正義~」の3ヶ月間を振り返ってみた。
緊張感溢れる展開は大統領イ・ドンフィというキャラクターを中心に描かれた。そして大統領の座に上ってからもひたすら国を思う国民の大統領であったイ・ドンフィはソン・ヒョンジュの演技力から誕生した。視線一つ、仕草一つまでもイ・ドンフィになりきっていたソン・ヒョンジュのおかげで、劇中の大統領の危機には緊張感が、正義を貫こうとする真っ直ぐな行動には信頼が与えられ、視聴者を虜にした。
一方、キム・ドジンは礼儀正しく丁寧な姿勢とは対照的な野心や黒い本音を露わにし、大統領を圧迫した。キム・ドジン役のチェ・ウォニョンはソン・ヒョンジュと対面する場でも決して彼に圧倒されないカリスマ性を披露し、自身のキャラクターを確固たるものにした。
しかし、残念さもあった。当初イ・ドンフィと「スリーデイズ~愛と正義~」を率いると予想されていたハン・テギョン(JYJ ユチョン)はイ・ドンフィとキム・ドジンの強烈な対決で居場所を見つけることができず、存在感がやや薄くなった。ヒロインのユン・ボウォン(パク・ハソン)、イ・チャヨン(ソ・イヒョン)の物語にも歯痒さが残った。結局1日に放送された最終話で急いで物語を片付けるように二人の過去から現在の姿を描いた。
まずドラマの序盤でソン・ヒョンジュとともに劇の軸となっていたチャン・ヒョンソンは出演して5話で死を迎えた。大統領府警護室長のハム・ボンス役を務め、熱演を披露した彼はキム・ドジンの罠にはまり、大統領に向かって銃を向け、自身が育てた後輩警護員ハン・テギョンの銃に撃たれて死亡した。その後、ハム・ボンスは過去の回想シーンに登場し、ドラマの後半までその存在感を放った。
合同参謀部長クォン・ジェヨン役のチョン・ウォンジュンは16年間隠していた真実を知らせるために大統領に機密文書98を渡そうとして第7話でシン・ギュジン(ユン・ジェムン)によって自殺に偽装され、死を迎えた。劇中でクォン・ジェヨンが持っていた機密文書を作成した張本人でハン・テギョンの父親でもある大統領府の経済首席ハン・ギジュン(イ・デヨン)も機密を知っているという理由で永遠の沈黙を守るようになった。警護室のチーム員でハム・ボンスの大統領暗殺の共犯ファン・ユンジェ(キム・ミンジェ)もキム・ドジン側の殺し屋によって死亡した。
大統領府秘書室長のシン・ギュジンはイ・ドンフィ大統領の政治パートナーであったが、過去の過ちを謝罪しようとする大統領と意見が違うことに気付き大統領のパートナーから次期大統領を夢見る野望に満ちた男に変わった。彼はキム・ドジンを手伝った後、イ・ドンフィに続き韓国の顔になろうとしたが、キム・ドジンに利用だけされて第11話で死を迎えた。
他にも命をかけて北朝鮮から脱北し、大統領に力を合わせると予想されていた北朝鮮の少佐リ・チョルギュ(チャン・ドンジク)もキム・ドジンに阻止され、その決意を実現することはできなかった。最後まで大統領の選択を支持していた大統領府警護室の警護本部長キム・サンヒ(アン・ギルガン)は大統領を最後まで守るという自身の信念のもと、大統領を守る代わりに自身の命を捧げた。
最終話では「スリーデイズ~愛と正義~」の悪の象徴だったキム・ドジンが「キム・ドジンを殺さないと、この国は生きれない」と判断したイ・ドンフィによって結局爆弾とともに消えた。
イ・ドンフィ大統領とハン・テギョン、イ・チャヨン警護官、警察のユン・ボウォン以外は誰も信じることができなかったこのドラマで唯一正義の味方であったチェ・ジフン(イ・ジェヨン)検事は正義を実現しようとして死の淵をさまよっていた。彼も死亡したと判断されていたが、最終話で健康な姿でユン・ボウォンと会話をする場面が公開され、視聴者を安心させた。
特に最終話では悪の軸だったキム・ドジンが消えるも「誰かがまたキム・ドジンの座を手にし、彼の思うままに、お金に支配されて世の中は動くだろう」「お金ではなく正義のために生きる人はまだ多い」「誰かが悪行を行えば捕まえ、何回も捕まえてその罪を罰する」という台詞で暗い現実とそれに屈しない世の中への希望を語った。
「スリーデイズ~愛と正義~」の後番組としてはイ・スンギ、チャ・スンウォン、Ara、アン・ジェヒョン、パク・ジョンミン、ソン・ジル、オ・ユナらが出演する「君たちは包囲された!」(脚本:イ・ジョンソン、演出:ユ・インシク)が放送される。江南(カンナム)警察署を舞台に刑事たちのハプニング満載な成長記を描く。韓国で7日に第1話が放送される。
SBS水木ドラマ「スリーデイズ~愛と正義~」(脚本:キム・ウニ、演出:シン・ギョンス)が1日、第16話の放送を最後に幕を閉じた。16年前の自身の過ちを振り返り、最後まで責任を取ろうとする、現実の世界ではなかなか見つけることのできない大統領イ・ドンフィ(ソン・ヒョンジュ)と人より多くのものを持っているも、自身の私利私欲を満たすために底知れぬ欲を出し続ける財閥キム・ドジン(チェ・ウォニョン)の対決は結局イ・ドンフィを微笑ませ、正義は勝利するという結末となった。
韓国で3月5日に放送スタートした「スリーデイズ~愛と正義~」は、タイトルからも分かるように「限定された時間」が届ける圧迫やスリルで視聴者の関心を引きつけた。放送前、実際に視聴者たちは計3日間の物語を描くのかと思ったが、実際には「戦争の序幕」「決戦」「審判」というサブタイトルのもとでそれぞれ決められた72時間ずつ、計9日間の物語を盛り込んだ。専用の別荘に休暇に行った大統領が失踪し、消えた大統領を探して事件を追跡する警護員と大統領の緊迫した内容を描くことでスタートしたこのドラマは劇中で多くの人の死が与える痛み、今の時代を皮肉るような核心をつく台詞で平均視聴率11.8%(ニールセン・コリア、全国基準)の視聴率を記録した。
計16話の中に盛り込まれた制限された9日間という時間、相次いでしりとりをするように続く事件とその中の大統領、彼を守らなければならない大統領府の警護員、そして彼らの向こう側に立つ勢力との対決。「スリーデイズ~愛と正義~」の3ヶ月間を振り返ってみた。
写真=SBS「スリーデイズ~愛と正義~」スクリーンショット
◆ 大統領と大統領を守る者、大統領を殺そうとする者
始まりは大統領への3回の銃声の後に消えた大統領を探すストーリーであった。結局ドラマの最後では正義の象徴である大統領が勝利し、お金よりは正義が生きていることを描いた。当初視聴者たちは大統領イ・ドンフィ(ソン・ヒョンジュ)と彼を守る大統領府警護室の物語だと思っていたが、実際のドラマは最高の権力者になるも自身の過ちを認め、それを是正しようとする大統領と莫大な富を手にするも欲を捨てることができない財閥キム・ドジンの対決が柱となっていた。緊張感溢れる展開は大統領イ・ドンフィというキャラクターを中心に描かれた。そして大統領の座に上ってからもひたすら国を思う国民の大統領であったイ・ドンフィはソン・ヒョンジュの演技力から誕生した。視線一つ、仕草一つまでもイ・ドンフィになりきっていたソン・ヒョンジュのおかげで、劇中の大統領の危機には緊張感が、正義を貫こうとする真っ直ぐな行動には信頼が与えられ、視聴者を虜にした。
一方、キム・ドジンは礼儀正しく丁寧な姿勢とは対照的な野心や黒い本音を露わにし、大統領を圧迫した。キム・ドジン役のチェ・ウォニョンはソン・ヒョンジュと対面する場でも決して彼に圧倒されないカリスマ性を披露し、自身のキャラクターを確固たるものにした。
しかし、残念さもあった。当初イ・ドンフィと「スリーデイズ~愛と正義~」を率いると予想されていたハン・テギョン(JYJ ユチョン)はイ・ドンフィとキム・ドジンの強烈な対決で居場所を見つけることができず、存在感がやや薄くなった。ヒロインのユン・ボウォン(パク・ハソン)、イ・チャヨン(ソ・イヒョン)の物語にも歯痒さが残った。結局1日に放送された最終話で急いで物語を片付けるように二人の過去から現在の姿を描いた。
◆ 本当にたくさん死んだ…死なないと生きれないドラマ?
全16話のストーリーが続く間、多くの人物が命を失った。事件の鍵を握っている人物が一人、二人と自分の意志とは関係なく永遠の沈黙を守るようになり、ドラマでは終始事件を迷宮入りにしようとしているかのように見えた。まずドラマの序盤でソン・ヒョンジュとともに劇の軸となっていたチャン・ヒョンソンは出演して5話で死を迎えた。大統領府警護室長のハム・ボンス役を務め、熱演を披露した彼はキム・ドジンの罠にはまり、大統領に向かって銃を向け、自身が育てた後輩警護員ハン・テギョンの銃に撃たれて死亡した。その後、ハム・ボンスは過去の回想シーンに登場し、ドラマの後半までその存在感を放った。
合同参謀部長クォン・ジェヨン役のチョン・ウォンジュンは16年間隠していた真実を知らせるために大統領に機密文書98を渡そうとして第7話でシン・ギュジン(ユン・ジェムン)によって自殺に偽装され、死を迎えた。劇中でクォン・ジェヨンが持っていた機密文書を作成した張本人でハン・テギョンの父親でもある大統領府の経済首席ハン・ギジュン(イ・デヨン)も機密を知っているという理由で永遠の沈黙を守るようになった。警護室のチーム員でハム・ボンスの大統領暗殺の共犯ファン・ユンジェ(キム・ミンジェ)もキム・ドジン側の殺し屋によって死亡した。
大統領府秘書室長のシン・ギュジンはイ・ドンフィ大統領の政治パートナーであったが、過去の過ちを謝罪しようとする大統領と意見が違うことに気付き大統領のパートナーから次期大統領を夢見る野望に満ちた男に変わった。彼はキム・ドジンを手伝った後、イ・ドンフィに続き韓国の顔になろうとしたが、キム・ドジンに利用だけされて第11話で死を迎えた。
他にも命をかけて北朝鮮から脱北し、大統領に力を合わせると予想されていた北朝鮮の少佐リ・チョルギュ(チャン・ドンジク)もキム・ドジンに阻止され、その決意を実現することはできなかった。最後まで大統領の選択を支持していた大統領府警護室の警護本部長キム・サンヒ(アン・ギルガン)は大統領を最後まで守るという自身の信念のもと、大統領を守る代わりに自身の命を捧げた。
最終話では「スリーデイズ~愛と正義~」の悪の象徴だったキム・ドジンが「キム・ドジンを殺さないと、この国は生きれない」と判断したイ・ドンフィによって結局爆弾とともに消えた。
イ・ドンフィ大統領とハン・テギョン、イ・チャヨン警護官、警察のユン・ボウォン以外は誰も信じることができなかったこのドラマで唯一正義の味方であったチェ・ジフン(イ・ジェヨン)検事は正義を実現しようとして死の淵をさまよっていた。彼も死亡したと判断されていたが、最終話で健康な姿でユン・ボウォンと会話をする場面が公開され、視聴者を安心させた。
◆ 3ヶ月間に渡って描かれた“9日間の物語”
それぞれ人は大事に思う価値が違う。お金なら何でも可能で、お金のためなら何でもするという世の中になってしまったが、「スリーデイズ~愛と正義~」は“にもかかわらず”という結末で視聴者にこの冷たい世界をどのように生きるべきかその理由を提示してくれた。特に最終話では悪の軸だったキム・ドジンが消えるも「誰かがまたキム・ドジンの座を手にし、彼の思うままに、お金に支配されて世の中は動くだろう」「お金ではなく正義のために生きる人はまだ多い」「誰かが悪行を行えば捕まえ、何回も捕まえてその罪を罰する」という台詞で暗い現実とそれに屈しない世の中への希望を語った。
「スリーデイズ~愛と正義~」の後番組としてはイ・スンギ、チャ・スンウォン、Ara、アン・ジェヒョン、パク・ジョンミン、ソン・ジル、オ・ユナらが出演する「君たちは包囲された!」(脚本:イ・ジョンソン、演出:ユ・インシク)が放送される。江南(カンナム)警察署を舞台に刑事たちのハプニング満載な成長記を描く。韓国で7日に第1話が放送される。
記者 : チョ・ヘリョン