「抱きしめたい~ロマンスが必要~」放送終了、共感を得てマニアを失った…静かなラスト

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※この記事にはドラマのストーリーに関する内容が含まれています。
写真=tvN「ロマンスが必要」スクリーンショット
極めて現実的な女性キム・ソヨンが限りなく温かい男ソンジュンに出会い、愛を学んだ。一人の女性が本当の心を学ぶ過程は20~30代女性の共感を得たが、熱狂まで引き出すことは出来なかった。熱いというよりは、ぬるい反応で静かに幕を下ろした。

今月4日、tvN月火ドラマ「抱きしめたい~ロマンスが必要~」の最終回が放送された。この日、ジュワン(ソンジュン)に愛を告白したシン・ジュヨン(キム・ソヨン)は徐々に変わっていく姿を見せた。ジュヨンは眠ったジュワンを見て「私の前にいるあなたは、昨日とは違った」と独り言を言った。しかし、本当に変わったのはジュワンではなく、ジュヨンの視線だった。ジュヨンはジュワンの行動一つ一つを注意深く観察し、長所を見つけた。まさに“恋の病”が始まったのだ。ジュヨンはこれまで知らなかったジュワンの姿を見つけ、幸せを感じた。

同時にジュヨンは平凡な女性と同じく、カッコイイ年下の彼氏に対する不安を見せた。ジュヨンはジュワンに「周りには綺麗で若い女の子がたくさんいるのに、なぜ私と付き合うの?」と聞いた。ジュワンはジュヨンを見て「僕のことが大好きみたい」と喜んだ。続いて「僕の周りに若い女の子は多くても、シンシン(ジュヨン)はいない」と答えた。ジュワンはジュヨンに信頼されるために努力した。

しかし、ジュヨンはジュワンに駆け引きをした。計算的なものに慣れていたジュヨンは、それがジュワンの気持ちを掴む方法だと思った。ジュワンはジュヨンに「僕はこんなこと嫌だ。駆け引きするより、自分の気持ちに素直な人がいい」と話した。ジュヨンはジュワンの話を聞いて、「私の部屋で寝て」「会いたい」などと話し、気持ちに正直になった。ジュヨンは嫉妬、駆け引きなど一般的な恋愛の悩みを抱えていた。また、単純に方法を見つけ出し、平凡な恋愛そのものを見せてくれた。

主演だけでなく、周りの人物も平凡な恋愛に悩み、共感を引き出した。妊娠したイ・ミンジョン(パク・ヒョジュ)は仕事と育児に関する現実的な悩みを抱えていた。チョン・ヒジェ(ユン・スンア)は彼氏と自分の夢の間で葛藤した。二人はそれぞれ自分だけの方法で合意点を見つけ、ポジティブなメッセージを伝えた。

共感を目標にした「抱きしめたい~ロマンスが必要~」(「ロマンスが必要3」)は、20代女性を対象に最高視聴率3.7%を記録した。シーズン1の最高視聴率3.37%、シーズン2の最高視聴率3.3%より高い成果を出した。「抱きしめたい~ロマンスが必要~」は働く女性の仕事と恋を扱い、20~30代女性たちの共感を得た。しかし、“「ロマンスが必要」病”や“「ロマンスが必要」廃人”を生み出すまではいかなかった。

2011年に放送されたtvN「ロマンスが必要1」は、新鮮な素材とエピソードで韓国版「セックス・アンド・ザ・シティ」として位置づけられた。ソヌ・イニョンとして出演したチョ・ヨジョンは「ロマンスが必要」で、ラブコメディもできる女優に生まれ変わった。キム・ソンス役のジョンフンは優等生のイメージを脱ぎ、未練がましい男を演じて、俳優として合格点を得た。他にも新人チェ・ジニョクをスターにし、チェ・ヨジン、チェ・ソンヒョンなど出演した女優の魅力を最大限に引き出した。

2012年に放送された「ロマンスが必要2」は熱狂的な“「ロマンスが必要」病”を数多く生み出し、マニア層を確保した。「ロマンスが必要2」はチョン・ユミのラブリーな面を引き出し、イ・ジヌクの魅力を輝かせた。また、キム・ジソクの優しさ、キム・ジウの堂々とした一面、カン・イェソルの純粋さなど俳優たちの特徴を生かした。他にも数々の名台詞を生み出し“「ロマンスが必要」廃人”を増やした。

「抱きしめたい~ロマンスが必要~」はどうだろう? 「抱きしめたい~ロマンスが必要~」は二人の男女のすれ違うロマンスを紐解いていくシーズン1、2とは違った。「抱きしめたい~ロマンスが必要~」はジュヨン個人が、本当の愛を見つけるという過程にフォーカスをあわせた。ジュヨンの職場、心理的葛藤、恋愛の悩みなど、一人の女性の心理状態を繊細に描いた。そのため、ジュワンとのラブストーリーは第15話の終わりごろに実り、第16話に集中した。ジュヨンの心理的な描写に対する共感はあったが、他のことに関する“病”や“廃人”は生まれなかった。従来の「ロマンスが必要」を期待していた視聴者には失望を、新しい「ロマンスが必要」を期待した視聴者には嬉しさを残したシーズン3だった。がっかりしても、共感しても「ロマンスが必要」はすでに大衆にとって影響力のあるアイコンになっている。すでに3回目のシーズンを迎えた「ロマンスが必要」。「ロマンスが必要」が送る次のロマンスはどのようなものになるだろうか。

記者 : キム・ガヨン