「王家の家族たち」イ・ユンジ“厳しいイメージだったキム・ヘスク先輩、親子の情を感じた”

OSEN |

写真=NAMOO ACTORS
女優イ・ユンジの30歳は特別だった。KBS 2TVのドラマ「王(ワン)家の家族たち」を通じてリアルな“人妻”の演技に挑戦し“犬のモノマネ”“泥酔”“お人好し”など様々な修飾語で多彩なイメージをアピールしたためだ。

「王(ワン)家の家族たち」の撮影が行なわれた6ヶ月という時間は、イ・ユンジにとって勉強の時間だった。10年以上のキャリアを持つ彼女だが、ナ・ムニをはじめ、チャン・ヨン、キム・ヘスクなどの大先輩と一緒に撮影に邁進するという経験は、更に特別だったということだ。

特にワン・グァンバクというキャラクターは、憎めないキャラクターとして視聴者から愛された。イ・ユンジもまた、グァンバクに共感し、時には理解するために努力しながら、キャラクターに入り込むために努力を尽くした。全出演者たちが愛着を持って撮影に臨んだからだろうか。「王(ワン)家の家族たち」は50%に迫る視聴率を記録し、大きな人気を博して放送終了した。

イ・ユンジは25日、OSENとのインタビューで「王(ワン)家の家族たち」を通じて得たことについて説明した。放送終了後、緊張が解けて寝込んだという彼女は、まだ風邪にかかったままだった。

「緊張が解けたみたいです。不思議なことに、作品の途中は体調をくずしたことがありませんでした。チン・ヒョンウク監督にも撮影の時に『どうすれば最初から最後まで同じコンディションを維持できるのか』と聞かれました(笑) 放送が終了するといつも寝込みます。痛いことは苦しいですが、痛いことを自ら楽しめるようになったと思います」

愛着があっただけに、別れも名残惜しいものだった。チン・ヒョンウク監督もまた“歴代レベルのチームワーク”と表現したほど、出演者同士の絆も固かった。イ・ユンジも別れを惜しむ様子だった。

「『王(ワン)家の家族たち』は長期戦でした。本当の家族と別れる感じでした。作品の特性上、更に結束力が強かったからです。実は私は人見知りで、初対面の人と仲良くやっていけるタイプではありません。それにもかかわらず、今回のドラマでは飲み会も多かったですし、一緒に話をする時間が多かったので、その分本当の家族の雰囲気が出たと思います」

イ・ユンジは今回のドラマを通じて多彩な魅力をアピールした。リアルな“犬のモノマネ”で強烈な印象を残す一方、イ・ビョンジュンと酒の飲み比べをするシーンで、泥酔した姿を見事に演じこなした。馬鹿が付くほどお人好しで憎めないキャラクターを演じた彼女の再発見でもあった。

「元々お酒が好きではありません。イ・ビョンジュン先生とお酒の飲み比べをするシーンも麦茶でしたが、心の中でこれは『お酒だ』と思ってから飲むと本当に酔うような気がしました。後でモニタリングしましたが、ボサボサの髪になった姿が私の本来の姿と似ていました。はは。グァンバクは自由に自身の意志を貫くキャラクターですが、今まで感じた悲しみをそのシーンで全部吐き出したようです」

イ・ユンジが「王(ワン)家の家族たち」を通じて学んだことの1つが、大先輩たちとの和合だった。イ・ユンジによると「王(ワン)家の家族たち」のどの俳優も、先輩や後輩を問わず不快にさせる人がいなかったという。威厳を捨て、情を分かち合ったと彼女は説明する。

「一緒にいてぎこちない方が1人もいませんでした。飲み会や撮影現場でも威厳を見せるよりは本当の家族のような感じで接してくださいました。キム・ヘスク先輩の場合、厳しそうという先入観がありましたが、全く違いました。控え室も女性出演者全員が一緒に使ったほどです。ナ・ムニ先生、キム・ヘスク先輩など、出演者のみなさまから多くのことを学びましたが、やはりキム・ヘスク先輩を1番に挙げたいです。キム・ヘスク先輩の娘さんが私と同じ年代で、そのせいか、親子の情を感じたと思います」

イ・ユンジは「王(ワン)家の家族たち」に出演した6ヶ月が、これからの人生30年のようだと語った。それほどイ・ユンジにとって「王(ワン)家の家族たち」の存在は大きいものだった。ドラマのリアルな台詞と、30年をジャンプした結末は、いずれもイ・ユンジの人生の宝物になった。

「グァンバクから本当にたくさんのことを学びました。堂々と仕事を辞めて、愛に命をかけるじゃないですか。台本が出るたびにドキドキする気持ちで読んだのもそのためでした。『王(ワン)家の家族たち』で義理のお父さんが『全部実家に持って行く気なのか』と叫んだり、義理のお母さんがお金を要求するシーン、また母親との喧嘩で『私がどんな思いであなたを育てたと思うの』などと言うことなど本当に共感しました。いずれも私が想像したことがあるからです。更にグァンバクの気持ちが良く分かる年なので、より入り込めたと思います。だから、ドラマでの感情を通じて『実際はそうしないようにしよう』と思ったこともよくありました。私にもう一度生きられるチャンスをくれたというべきでしょうか。また、結末で30年後に還暦祝いをするシーンがありましたが、まるで私に30年の歳月がもたらされたように、教訓を与えてくれました」

人妻の演技を通じてイ・ユンジという女優の魅力を振り返ることができただけに、彼女の今後の活躍が更に期待される。あらゆるキャラクターを披露し、演技の幅まで広げたので、次の作品で見せる姿も楽しみだ。彼女もまた俳優人生を長く考え、たくさんのキャラクターを演じてみたいと意欲を見せた。

「まだ確定された作品はありません。『王(ワン)家の家族たち』を通じてキャラクターの選定の部分で大分自由になったと思います。個人的に医者や警察、男装などの役がしてみたいです。『コーヒープリンス1号店』がとても面白かったので、ユン・ウネさんのような役もしてみたいです。たくさんの監督の方々からのオファーをお待ちしております。ハハ」

記者 : ファン・ミヒョン