B.A.P バン・ヨングク&神話 M(ミヌ)&SHINee ジョンヒョン、作詞するアイドルに夢中になる

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「60秒だけで十分なストーリー、僕の心の中に君は入ってきた」

誰かが突然目の中に飛び込んで来たり、胸をときめかせることは、思っているよりもとても短い時間の間で起こる。日々多くの芸能人がテレビやスクリーンを通じて泣いたり笑ったり、歌う姿を見せてくれるが、その中でもハートに火を点けてくれるような芸能人は指で数えられるほどだ。老若男女を問わず、ある瞬間から魅了されて、人々の心の中で特別な意味を持つようになった人物について話してみる時間を設けた。その第1回目の主人公は、1stフルアルバムで帰ってきたB.A.Pのラッパーバン・ヨングク、ソロデビュー10周年記念スペシャルアルバムでカムバックした神話(SHINHWA)のM(ミヌ)、MBC FM4U「青い夜、ジョンヒョンです」のDJになったSHINeeのジョンヒョンだ。彼らは全員が自ら歌詞を書き、曲を作る魅力的なアイドルである。


バン・ヨングク、セクシーなブラックエンジェルになって帰ってきた!

全身で絶叫する。恋人と別れ、男の胸に残った強烈な悲しみはその男の心臓を破り、最後には切ない感情だけが残る。B.A.Pの1stフルアルバム「First Sensibility」のタイトル曲「1004(Angel)」の歌詞でバン・ヨングクは、これまでの戦士や革命家のような闘争心を表したイメージを見せる代わりに、「君と別れた後、僕は壊れた」と愛に傷つき、胸を痛める男性の感情を見事に表現した。以前よりもさらにシャープになった彼の顎のラインは、まるで歌詞の中の男性のように数日間の試練を経験したように見え、眉まで隠れた黒髪と大半のステージで披露したファーの衣装は、他のメンバーたちのダンディーなスタイルとは違う、異質な感じを与えている。このような違いは有機的に繋がっているメンバーたちの間で、感情のクライマックスの中心にバン・ヨングクがいることを示す。メンバーたちと対比されるスタイリング要素、すぐにでも体が裂けてしまいそうなほどに激しいジェスチャー、そして彼独特の重みのある声で歌うラップが調和を成し、歌をまるで一つのドラマのように見せてくれる。つまり、「1004」を生きた“リアルな曲”に感じさせる中心には、バン・ヨングクがいるということだ。

また、フルアルバムに収録された13曲の中で「たやすいでしょう」(同曲は作曲に参加)を除いた残りの12曲の作詞に参加した彼は、名実共にB.A.Pの音楽の核心に立っている。歌詞を通じて伝えなければならない感情を明確に表現するだけでなく、ステージの上でどうすればより魅力的に見えるのかについてもバン・ヨングクは正確に見極めている。これは、今までそうしてきたように、今後B.A.Pが様々な感情を表現しながら音楽を続けていく上で重要な基盤となることは間違いないだろう。そういった意味で「1004」は、今後のバン・ヨングクとB.A.Pの発展を期待させるその“スタート”になる曲として申し分ない。


ミヌ兄さん、年を取ったのは私だけ?

兄さんが戻ってきた。ソロデビュー10周年スペシャルアルバム「M+TEN」で私たちのそばに戻ってきたミヌは、年齢を感じさせないほど依然として健康な肌と可愛い笑顔を持っていた。幻想的な歌声で独特の雰囲気を作り上げた「TAXI」のカムバックステージでは、彼の余裕のある姿やソフトなダンスを通じてより魅力的になったミヌの姿を見ることができた。歌をダンスで表現する、さらに歌をダンスで彩る能力が卓越した彼らしく、「Taxi Girl」という歌詞に合わせて、クラッチを踏むように両足を交互に動かすダンス(まるで足でハンドルを回しているようにも見える動作)を公開した時は、思わず感嘆の声を漏らしてしまったほどだ。また、カメラに向かってやんちゃな表情を浮かべてしゃがんだり、ファンに向かって「Hey、Ladies!」と叫ぶ姿は、普通の歌手がカムバックステージで披露できる姿ではなかった。貫禄と経験から生まれる自然な姿、それはミヌが持ったスター性とこれまでの着実な努力で培った、緩急を調節することのできるプロらしさだった。アイドルのステージでよく見られる「Taxi Girl」と叫ぶファンの掛け声も、彼がソロアーティストであると共に、アイドルとしてのアイデンティティもまた同時に持っていることを示した。

今回のアルバムで彼はタイトル曲「TAXI」と「Kiss it away」の2曲を作詞したが、特に「Kiss it away」は一度聞いただけで「I kiss it away」というリフレイン(繰り返し)をずっと口ずさむようになるほど、高い中毒性を持った曲だ。彼がJewelryのヒット曲「One More Time」と「Superstar」を作詞したことを思い出せば、シンプルだが感覚的でトレンディな歌の中毒性については簡単に説明がつく。「TAXI」はなんと5年前に作られた歌であるため、彼の眼目がもう一度力を発揮することができるのではないかと期待している。


ジョンヒョン、ラジオの最後のコメントを流行語にしよう!

SHINeeの感性ボーカリストのジョンヒョンがDJに変身した。寝る前に偶然聞いたラジオから流れてくる落ち着いた声がジョンヒョンであることに気付いた時、その嬉しさは眠気を吹き飛ばしたほどだった。MBC FM4U「青い夜、ジョンヒョンです」のDJデビューを終え、2日目の放送だったが、ゲストと冗談を交わしながらラジオを進行するジョンヒョンの声には、新人DJの不自然さがまったく感じられなかった。これまで自身のSNSを通じてファンと親密にコミュニケーションを取ってきたことを考えると、彼のこのような姿をあまり意外だとは思わなかった。人見知りが激しい方なので昨日よりも今日、今日よりも明日もっとが良くなるはずだという彼の言葉通りであれば、1ヶ月後にはラジオ番組のホストとしての役割を見事にこなしているに違いない。

ラジオを聞きながら特に印象的だったのは、3つのバージョンのジングル(ラジオ番組などでコマーシャルの開始や終了、楽曲・コーナーの切り替わりなど、番組の節目に挿入される短い音楽などの総称)だった。真っ暗な明け方、光が消えて物音も無くなったその時間に、耳の中に自然に入ってくる3つのジングルは全て彼が作詞、作曲したものだった。ミュージシャンのGRAYと一緒に作曲した「今日、そして明日」は曲として完成されており、アルバムに収録しても良いほど高いクオリティを持ち、インターネットで探してもう一度聞いたほどだ。SHINeeの収録曲はもちろん、最近、歌手ソン・ダムビの「Red Candle」やIU(アイユー)の3rdアルバム「Modern Times」の収録曲「憂鬱時計」を手掛けた彼らしく、ジングルも素晴らしかった。ジングルのクオリティだけでも、彼がこの番組にどれだけ多くの愛情を持って参加しているのかが感じられた。

この日の番組では、人の心配の大半はすでに起こったことか、自分の力ではどうすることもできないことだから、そこで止まっているよりも先に進んで他のことをやった方が良いという彼の成熟した人生観を聞かせてくれた。また、自分自身に疑問が生じた時は自分に自信を与え、これからも上手くやっていけるという考えをする方だとも話した。これだけ聞いても、今後彼が進行していくこの番組を通じて、多くの人々が心を慰められるだろうと思った。誰よりも率直に自分の話を共有し、リスナーたちの話に共感するDJになって、リスナーたちを温かく抱きしめる番組へと育ててほしい。そうしたら、ひょっとするとジョンヒョンがソン・シギョンを越える甘い終わりの挨拶を代表するDJになるかもしれない。

記者 : イ・ジョンファ、写真 : MBC、SBS、SMTOWN Facebook、翻訳 : ナ・ウンジョン