「花よりお姉さん」男性中心の中で女性だけのバラエティ、人気の秘訣は?

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数多くの試行錯誤の末、目指すべきところに辿り着いたのだろうか。tvNの金曜バラエティ「花よりお姉さん」は一風変わっている。これまでお姉さんたちは何かと道に迷い、彼女たちを案内するはずのガイドイ・スンギもまた常に迷い、それにお姉さんたちが叱咤する姿は視聴者たちまでも不安にさせた。

このように旅行の目的と楽しさが何なのかをしばらく忘れさせるほど慌ただしい様子を見せた同番組だが、今や視聴者たちに静かな感動と共感の時間を提供している。その理由は一体何だろうか。


お姉さんたちのバラエティ、今は目指す所が見える

韓国のバラエティ番組は現在激しく偏っている。主流となっているのは観察バラエティだが、そのほとんどの番組は男性中心で構成されている。その中に女性が入り込む隙間はほとんどなく、あったとしても“見た目を華やかにする”レベルに留まっている。

その理由が、テレビの視聴者として女性が圧倒的に多いためなのか、それとも、男性に比べて女性タレントたちが面白くないためなのかは定かでない。しかし、決められた役割や態度から少しでも外れると叱咤される可能性がある社会的な雰囲気は、男性と女性もまた単純に二つに分けるようにして、それはバラエティにも同様に適応されてきた。

一つ明確なのは、決定が速い上に行動もはっきりしていて優柔不断に見えない男性に比べ、女性たちは受動的に描かれる場合が多く、比較的息苦しく感じられる時が多いということだ。しかし、それが実際の状況やバラエティのメンバーたちの本音とどれだけ一致しているのかを見極める方法はない。

そのような雰囲気の中で「花よりお姉さん」の足取りは、果敢かつ破格的だった。ガイドが男性ではあるが、メンバー全員を女性だけで構成したことは事実であり、現実的に見てリスクの大きい決定だと言える。MBC every1「無限ガールズ」などの廃止過程を見てもそうだ。

ユン・ヨジョン、キム・ジャオク、キム・ヒエ、イ・ミヨンの4人が旅行に出た当初は、その懸念が現実化するように思えた。これといった役割を与えられなかったせいか、4人はとても受動的に見え、あちらこちら走り回ったもののこれと言った成果を出せないイ・スンギとも絶えず不協和音を生じた。このような状況は小さな面白さを与えたが、この番組の趣旨であるバックパック旅行のアイデンティティを見つけにくくしたという面もある。

これに対して視聴者たちは息苦しく感じ、焦り始めた。しかし、そのような感じもまた、メンバーを誰かと比べることから生じたものではないだろうか。そして、その答えを今「花よりお姉さん」自らが少しずつ提示している。


個性的なメンバーと優しい編集の調和、他のバラエティとの差別点はそこにある

ガイドのイ・スンギはショッピングに夢中になっているキム・ジャオクをいつまでも待ちながら待って“あげる”のではなく“待っている”と言った。恩恵を施すようにするのではなく、相手の特性を理解しようとする寛大さが垣間見える部分だ。

どのような状況であれ“誰か”の立場になって考えることは容易なことではない。男性と女性の関係においては特にそうだが、今までのバラエティではそのような寛大さが多少歪曲されていた。それはただ、片方の視点や思考に合わせた、依存的で受動的な女性像を作ることに一助したとも言える。

「花よりお姉さん」はそのような点から少しずつ逃れており、希望が持てる。片方の一方的な視線によって作られるのではなく、メンバーたち本来の姿をありのままに見せることで共感を形成している。そしてそれはゆっくりと、徐々に視聴者たちの心に染み込んでいる。

実はこの番組のエピソードは、それ自体だけを見るととても些細で退屈なことばかりだ。便秘に苦労する姿、故障したコテを処理する過程、しょっちゅう道に迷うこと、ショッピングに時間を費やすことなど、何かスマートで明快な旅行を望んでいた視聴者たちにとってはがっかりするかもしれない。

しかし、彼らと何か違う人たち、多くの人たちの好みに合わせて行動できる人たちと比較しなければ、そしてメンバーの特性をありのまま理解しようとする気持ちさえあれば、この旅行記は悪いものではなく、非常に面白くて興味深いエピソードを盛り込んでいると言えよう。

遅かったり、せっかちだったり、弱い面を見せたり、愚痴を言ったりする各メンバーの個性は、この番組のゆったりした編集に出会い、さらに力を発揮している。それには、メンバーたちの様々な気質的特性を“ありのまま”繊細に表現する制作スタッフの優しさが大きな支えとなっている。それこそが、他のバラエティと差別化される「花よりお姉さん」だけの美徳なのではないだろうか。

記者 : ハン・ギョンヒ、写真 : CJ E&M