【ドラマレビュー】「応答せよ1994」昨年の「応答せよ1997」シンドロームの発展的踏襲

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写真=CJ E&M

スターのキャスティングよりも俳優の再発見を選択…演出と脚本の力はそのまま

2012年最高のドラマの一つは、誰がなんと言おうと「応答せよ1997」だった。ソ・イングク、Apink チョン・ウンジという、それほど知名度が高いわけでもなかった新人たちがドラマの主演を務め、その他の助演たちもウン・ジウォンやINFINITE ホヤを除けば大衆的な知名度を誇る俳優はいなかった。しかし、このドラマがケーブルという弱点を乗り越え、最高視聴率6%(ニールセン・コリア、ケーブル有世帯基準集計)を突破するほどの人気を集めた理由は簡単だ。優れた演出家と脚本家、俳優がいたからだ。

“ウンチル”シンドロームを作った本人たちは、おそらくこれらの公式を正確に理解していると見られる。驚異的な成功を収めた作品の後続作であるだけに、次作の興行に相当なプレッシャーを感じたと思われる。通常このような場合において、制作陣たちは“スター”を投入し規模を広げる。非常に一般的な公式だ。だが、「応答せよ1994」はスターよりも俳優の再発見の方を選んだようだ。

「応答せよ1994」は、「四捨五入」以降これといった印象を与えることができなかったAraと、ドラマではまだ主演を演じたことのないチョンウ、最近になって少しずつ知られ始めてはいるものの依然として知名度の低いユ・ヨンソクなどを選択した。

制作陣は、「応答せよ1997」が成功できた基本的な理由にさらに心血を注いだようだ。スポーツ試合とストーリーを絡ませたり、適切な音楽と映像を組み合わせる演出をしたりとさらにきめ細かくなった。例えば、ソン・ナジョン(Ara)がコミ(チョンウ)に噛み付くとき、サムチョンポ(キム・ソンギュン)のバッター練習では“初キス”という言葉が登場する。このような交差演出は、「応答せよ1994」が持つ物語の力を最大化している。

「応答せよ1997」でソン・シウォン(チョン・ウンジ)の夫はソ・イングクになるだろうという推測が少し容易だった反面、今回は“夫を推測する面白さ”もさらに極大化させた。キャラクター一人一人を印象づけるエピソードを通じて、2話目で視聴者をキャラクターとキャラクター間の関係にはまらせたのは、確かに台本の力だ。

1994年という時期的コードの中で、その時代を経験した者たちが最も簡単に、そして最も深く共感できる内容で環境を構成し、その中でキャラクターたちが自由に生きて動く感じがするのは、それだけ「応答せよ1994」の台本が徹底的に計算された作品だということを示している。

そしてこのような演出と台本の枠のなかで俳優たちは羽ばたいている。Araは少し大げさにも見えるが、台本と演出の力でそれが自然な性格となっているし、現在Araと最も多く呼吸を合わせているチョンウはこのようなAraの大げさな演技に安定した形で対応しながら、二人の演技の相性を見事に調整している。

サムチョンポ役のキム・ソンギュンは、出るたびに一人でシーンを独り占めしているような存在感溢れる演技を披露しており、ヘテ役を演じるソン・ホジュンも他の俳優に劣らない演技を見せている。まだ大きな活躍はしていないユ・ヨンソクも、演技の実力がすでに認められているため、素晴らしい演技を見せてくれると期待できる。

このように「応答せよ1994」は、前作の成功を発展的に受け継いでいる。規模を膨らませスターを育てるのではなく、演技が上手い俳優と面白い台本、そして素晴らしい演出にもう一度重点を置き、細かい部分を向上させた。

たったの2話しか放送されていないにもかかわらずドラマは面白く、共感でき、時には胸を打つ。「応答せよ1994」が「応答せよ1997」より大きな成功を収める瞬間、「応答せよ」シリーズは新しい形のドラマ、一つのクラシックとして評価されることになるだろう。

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記者 : パク・ジジョン