【ドラマレビュー】「未来の選択」軽いだけではないラブコメ登場“鋭い風刺”

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写真=KBS

新概念のタイムスリップもの、現状を指摘する鋭い風刺も際立つ

誰もが「過去に戻って違う選択をしたらどうなっただろう」と思う。しかし、現実は不可能だ。そのためさらに、「グッド・ドクター」の後番組として始まった「未来の選択」に関心が集まる。

14日に放送がスタートしたKBS 2TV「未来の選択」(脚本:ホン・ジナ、演出:クォン・ゲホン)では、未来から自分の過去を変えるために過去に戻ってきた未来のナ・ミレ(チェ・ミョンギル)と、現在のナ・ミレ(ユン・ウネ)が出会い起こるいざこざが興味深く描かれ、視線を引いた。

大手企業のコールセンターで契約社員として働く現在のナ・ミレは、悪質な顧客を専門として担当するのが主な業務だ。放送脚本家という夢はあるが、契約社員という現実に安住し、悪質な顧客のせいで常に涙しながらも、自分は幸せだと自己催眠をかける。

そんなある日、ナ・ミレは自身のことを未来から来たと紹介し、運命を変えたいと話す女性に出会う。ナ・ミレは非常に当惑するが、通常自分でないと知っているはずのないことに未来のナ・ミレが触れたため驚かされる。未来のナ・ミレは、彼女の夫のアナウンサーキム・シン(イ・ドンゴン)との出会いを止め、代わりに財閥3世のパク・セジュ(CNBLUE ジョン・ヨンファ)とつなげるために来たのだ。

未来のナ・ミレは、現在のナ・ミレがキム・シンと出会うのをやめさせ、どうにかしてパク・セジュとの出会いを成功させようとするが、思い通りにはいかない。怒った未来のナ・ミレは、現在のナ・ミレをひっぱたいて死ねばいいと罵倒するが、現在のナ・ミレはその言葉で正気に戻り、自分の夢である放送脚本家のための準備をしながら、未来のナ・ミレがあれほど止めようとしたキム・シンとの運命的な出会いに遭遇する。

この過程で輝いたのは、ホン・ジナ脚本家の現実批判だった。現実の壁を前に諦めて安住しながら、自らを幸せだと自己催眠をかけ生きていく若者たちに、「君はただ逃げているだけ。自信もなく、可能性もなく、その場にただ居座りたいだけ。一生そんなことなら、彼の荷物になるだけなのに、生きる理由なんかない。君なんか、そこで死んじゃえばいい」と未来のナ・ミレの言葉を借りて罵声を浴びせる。現在のナ・ミレへの言葉だが、この時代を生きる若者誰もがこの言葉から自由ではいられないだろう。

そしてまた、ニュースまでもが視聴率競争をする現状も指摘した。ニュースの価値について論ずるキム・シンに、YBS会長のイ・ミラン(コ・ドゥシム)は、視聴率を上げるためなら、アナウンサーでも露出も辞さない覚悟でなければならないと話す。ニュースの質とは関係なく、ただ視聴率だけ高ければいいという姿が、どこか現実と似ているようで、苦々しさが増す。

すでにホン脚本家は、前作の「ベートーベン・ウィルス~愛と情熱のシンフォニー~」「キング~Two Hearts」で台詞を通じてユーモアに溢れながらも鋭く現状をひねくり、視聴者から共感を得ている。ホン脚本家特有の現実風刺が、「未来の選択」でも取り入れられたようである。

新概念のタイムスリップものである「未来の選択」は、現在のナ・ミレをめぐるキム・シンとパク・セジュ、そしてソ・ユギョン(ハン・チェア)のロマンスを愉快に描くラブコメだが、そこにホン脚本家ならではの現実風刺を加え、軽い楽しさを求めながらも重いメッセージを伝えると見られる。

視聴率調査会社ニールセン・コリアによると、14日放送された「未来の選択」は視聴率9.7%(全国基準)を記録した。これは、前作の「グッド・ドクター」の初放送(10.9%)より1.2%低いものとなっている。

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記者 : イ・ヨングァン