ドラマ「事件番号113」2%足りない作品を救ったのは…“俳優たちの好演”

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※この記事にはドラマ「事件番号113」の結末に関する内容が含まれています。
写真=SBS「事件番号113」スクリーンショット
全2話のSBS特集ドラマ「事件番号113」(脚本:リュ・ソンヒ、演出:パク・ヨンスン)が連続して放送され終了した中、妙な余韻を残した。

韓国で30日に放送された「事件番号113」では、検事ホン・スンジュ(キム・ミンソ)と刑事チャン・ジュンソク(キ・テヨン)がハン・ドンホ(イ・イクジュン)を殺害した事件の真犯人を明かすシーンが描かれた。

この日、ウン・ヘリ(ハン・ユイ)が住んでいるオフィステル(事務所としても住居としても使える施設)で、密室殺人事件が起こった。スンジュとジュンソクはヘリを疑い、消えたドンホの遺体を探すために奮闘した。もう一人の容疑者キム・ギジュン(ヨン・ジェウク)はドンホが死亡していることに驚いて出てきたと陳述した。最終的にスンジュとジュンソクはヘリの母親であるカン・ヒギョン(キム・ミスク)が遺体を遺棄したのだろうと疑った。ヒギョンの疑問を抱かせる行動や眼差しに、スンジュとジュンソクは気を抜かなかった。最終的に遺体を見つけ出した。

スンジュはヒギョンが娘を守るために遺体を遺棄したと思った。ヒギョンが捏造したビデオまで提示し、自分が殺人をしたと主張したためだ。過去、ヘリはドンホが撮影した動画のせいで友達のミギョンとレスビアンであるという噂が広がり、これがきっかけでミギョンが自殺し、彼女はとても苦しんだ。ヘリにはドンホを嫌う理由があったのだ。最終的にヒギョンの裁判が行われる法廷に証人として登場したヘリは自分がドンホを殺したと告白し、ヒギョンを助けようとした。

しかし、スンジュはもう一人の容疑者だったギジュンが当時ミギョンと交際していた仲であり、彼にもドンホを憎む理由があったと指摘した。また殺人事件当日、ギジュンが逃げる際に彼のカバンの中にはドンホを攻撃したボウリングのボールがあったことを明かした。当時、ギジュンはリビングの飾り棚にあったボウリングのボールを凶器として使用した。現場写真で飾り棚が空いていることに気付いたスンジュによって犯行が明らかになったのだ。犯人はヒギョン、ヘリ親子ではなく、ギジュンであった。

何よりも「事件番号113」は、殺人事件をめぐって描かれる家族の和解や校内暴力が招いた悲劇を取り上げ、強烈な印象を残した。娘のために殺人犯だと名乗り出た母親と幼い頃の淡い記憶で母親を誤解し憎んでいた娘、そして私生児コンプレックスを乗り越えるために検事になった女性と、校内暴力の犠牲となった友達など多彩なキャラクターやどんでん返しを繰り返す緻密な展開と構成で視線を引きつけた。

序盤から意味深な雰囲気で妙な緊張感を漂わせた「事件番号113」は、刃物で刺される場面や遺体の顔をそのまま映すなど19歳以上観覧可能という等級に相応しいスリラージャンルをリアルに演出し、注目を浴びた。しかし、全2話ですべてを表現するには物足りなさがあった。捜査の過程を細かく描くことが不十分であり、緊張感を失った。

それにもかかわらず、「事件番号113」は俳優たちの好演でより一層輝いた。娘に執着する母親を上手く表現したキム・ミスクと不安定な心理状態を完璧に演じきった娘役のハン・ユイなどがうまく調和し劇をリードした。また熱血検事のキム・ミンソや刑事キ・テヨンはカリスマ性溢れる演技でドラマへの集中度を高めることに一役買った。殺人事件の鍵を握っていた犯人ヨン・ジェウクも両極端な感情を演じた。2%足りなかった作品は、彼らのおかげできれいに締めくくることができたともいえる。

「事件番号113」の後番組としては俳優イ・ジョンソク、イ・ボヨン、ユン・サンヒョン主演の「君の声が聞こえる」(脚本:パク・ヘリョン、演出:チョ・スウォン)が放送される。韓国で6月5日より放送がスタートする。

記者 : パク・グィイム