“成長する俳優”チョ・インソン、成長は依然として現在進行形

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写真=「その冬、風が吹く」
チョ・インソンはイケメンだ。顔を見ていると輝いて見えるほど素晴らしい。顔立ち、ボディ、プロポーションまで全て完璧だ。その完璧な容姿が、今のチョ・インソンを作ったといっても過言ではない。しかし、これは俳優として彼が乗り超えなければならない壁でもあった。イケメンスターに留まらず、“俳優”になるために、彼はどんな努力をしてきたのだろうか。

大先輩ユン・ヨジョンがチョ・インソンのふるった“毒舌”

MBC「ニュー・ノンストップ インソン&キョンリムの恋の行方」でスターになったチョ・インソンは、ソン・スンホン、ソ・ジソブに継ぐもう一人の“シットコム(シチュエーションコメディ:一話完結で連続放映されるコメディドラマ)スター”として早くから放送関係者の注目を浴びた。その後、彼はチョ・ジェヒョンの熱演で注目された「ピアノ」を経て、チョン・ドヨンと共演した「星を射る」、ソ・ジソブ、ハ・ジウォン、パク・イェジン等、同年代のスターたちと共演した「バリでの出来事」、コ・ヒョンジョンの復帰作として話題を集めた「春の日」等に相次いで出演し、自他共に認める放送業界最高のヒットメーカーとして定着した。

しかし、依然としてチョ・インソンは、“イケメンスター”に過ぎなかった。作為的な演技のトーンやシットコムでのオーバーアクションを捨てられなかったチョ・インソンの演技は、冷静に評すると最初から最後まで“生半可”だった。演技というのは、少し興奮しただけでも大げさに表現されがちだが、ほとんどの作品において彼の演技はオーバーアクションのものが多かった。

今だにバラエティ番組でパロディにされる「バリでの出来事」の演技がいい例だが、大先輩であるユン・ヨジョンは、チョ・インソンのこのような姿に率直な“毒舌”をふるい話題を集めたりもした。「前回、話のついでにこう言ったの。チョ・インソンは、どうしてそんなに演技が下手なの?(笑) どうして唾がそんなに飛ぶんでしょうね(笑) キム・ヨンオク教授より唾が飛んでますよ(爆笑)」(2005年タンジ日報「タンジインタビュー-女優ユン・ヨジョンに出会う」でのインタビュー)

当時、チョ・インソンに対するユン・ヨジョンの評価は冷酷だったが正確なものだった。後輩の演技を見抜く先輩の洞察力を侮ってはならない。ユン・ヨジョンが言ったように、キム・ヨンオク教授より“唾を飛ばす”彼の演技は、台本を暗記し役柄を真似するだけのレベルを脱することができていなかった。そのため、ドラマを見ながら役柄ではなく、“スターチョ・インソン”の容姿にだけ感嘆するという不思議な現象が起きていた。

そのような意味で、チョ・インソンが映画「卑劣な街」に出会えたのは、一生に一度の幸運だった。「卑劣な街」で、彼は節制の美徳を学んだ。感情の表現がほとんどなく、心の奥にある寂しさや孤独のため荒れていくビョンドゥ役を表現するために、彼は真っ先に“スターチョ・インソン”のイメージと決別した。ファッショニスタで素敵なプロポーションを持つ彫刻のようなイケメンは忘れ、野獣のように生きてきたヤクザに変身したのだ。

イケメンスターというイメージから抜け出すために、彼は本当に激しく戦ったように見える。その激しい戦いは、チョ・インソンがスターではなく、俳優として成長することのできる最大の原動力となった。「卑劣な街」を経て、若いイケメン俳優の“可愛い目”は、ようやく世界と人生を映し出す“大きく深い目”へと成長することができた。ユ・ハ監督に会って基本から叩き上げられたおかげで、俳優として第二の人生を迎えることができたのだ。

写真=CJエンターテインメント

成長するチョ・インソン、そして「その冬、風が吹く」

最近、チョ・インソンは8年ぶりのドラマ復帰作である「その冬、風が吹く」で、演技力と興行力を同時に証明し、変わらない人気をアピールしている。ノ・ヒギョン脚本家特有の台詞を自然にこなせるほど、彼は余裕のある自然な演技を駆使している。繊細な感情の表現と劇のバランスを取る感覚も抜群の成長を見せた。あたかもオ・スというキャラクターが彼のために生まれたようだった。

豊かな感性で絶えず視聴者と共感し、自身の役柄に正当性を与えることを怠らない。キャラクターではなく人間を描き、台詞ではなく人生を語ろうとする彼の演技は、それだけの真面目さと真心を持ってドラマの中で生き生きと動いている。彼から成長する俳優の悩みや、深くなる眼差しの円熟さが感じられる理由だ。

視聴率も満足できるレベルだ。200億ウォン(約17億円)をかけた大作「IRIS 2」も、ラブコメディで差別化を図った「7級公務員」もライバルにならなかった。少なくて3%、多い場合は5%もの差をつけて、1位の座を維持している。自身を支える人気を守ると同時に、俳優として確固たるアイデンティティや可能性を見せるのは容易ではない。だからこそ、チョ・インソンの現在は、余計に輝いて見える。

過去、チョ・インソンに毒舌を吐いた先輩ユン・ヨジョンは2010年、女性誌とのインタビューで、こんな言葉を持って彼を賞賛した。「あの発言の後、何度かチョ・インソンに会ったが、非常にハンサムで努力する俳優だと思った。これからも成長し続けるだろう。後でチョ・インソンに“あの先輩は、どうしてあんなに演技ができないのだろう”と言われても返す言葉がない」(「女性東亜」2010年4月号)

ユン・ヨジョンが認めたように、人々が変わらずチョ・インソンを支持する理由は、おそらく彼の成長する姿が好きだからだろう。かつて、演技が下手だという酷評を受け、自意識過剰がぎこちなくも感じられたが、結局彼はスターではなく俳優を目指す真面目な俳優だった。自身の限界を誰よりもよく知っており、その限界を乗り越えるために努力してきた彼は、今も変わらず自身の足りない部分を埋めていく勤勉さを誇る。

青二才のスターから全国区のスターに、そして韓国を代表する俳優としてゆっくりと変身したこの素敵な青年は、自分はまだ“青二才”に過ぎないと節制と謙遜の美徳を忘れないまま淡々と話し、率直に人々と向き合っている。俳優チョ・インソンの成長は、依然として“現在進行形”である。

記者 : イム・ソンギュ