【さよなら「優しい男」 Vol.2】ソン・ジュンギは“後遺症を残す専門俳優”?

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写真=KBS
KBS 2TVドラマ「優しい男」(脚本:イ・ギョンヒ、演出:キム・ジンウォン、イ・ナジョン)が第20話を最後に15日幕を閉じた。イ・ギョンヒ脚本家の前作とは違って最後に死を迎えた人物はいなく、視聴者が懸念していたサッドエンディングもなかった。

「優しい男」の終了とともに、視聴者掲示板にはこれ以上ソン・ジュンギが見られないことについて寂しいとの意見が続いている。作品ごとに視聴者を虜にし、“ソン・ジュンギアリ”(恋の病で寝込むような状態)にさせてきたソン・ジュンギは「優しい男」を通じて前作では見られなかった魔性の魅力を披露し、ますます視聴者を引き込んだ。

ソン・ジュンギは、この勢いだと“後遺症を残す専門俳優”になるのではないだろうか。「トキメキ☆成均館スキャンダル」を始めとし、「根の深い木~世宗(セジョン)大王の誓い~」(以下「根の深い木」)、「優しい男」まで。連続して3作品をヒットさせたソン・ジュンギの歴史を辿ってみた。

「トキメキ☆成均館スキャンダル」……ビジュアルで視線を釘付け

ソン・ジュンギはKBS 2TVドラマ「トキメキ☆成均館スキャンダル」で女林(ヨリム)ク・ヨンハ役を務め、図々しいキャラクターを演じきった。色白の貴公子のようなルックスで“キラースマイル”“キュートなウィンク”などを披露し、“ジュンギ・ホリック”を巻き起こし、視聴者を喜ばせた。ソン・ジュンギは当時“チャルグム4人組(JYJ ユチョン、ソン・ジュンギ、ユ・アイン、パク・ミニョン)”の中でも大きな人気を得た。ク・ヨンハのパロディが溢れ、「女林外伝」が作られるほどだった。

ソン・ジュンギも過去に某メディアとのインタビューでもう一度演じてみたいキャラクターとしてク・ヨンハを挙げ、キャラクターへの深い愛情をアピールした。


「根の深い木」……演技力で好評を得る

ソン・ジュンギは「トキメキ☆成均館スキャンダル」を通じてスターに浮上したならば、俳優として認められたのはSBSドラマ「根の深い木」だった。ソン・ジュンギは劇中でハン・ソッキュが演じた世宗(セジョン)イ・ドの青年時代を演じた。当時、視聴者は「ソン・ジュンギがここまで演技が上手い俳優だとは思わなかった」「ソン・ジュンギの再発見」「キャラクターに完全に溶け込んでいる」などのコメントを残し、ソン・ジュンギの演技力を認めた。しかし一方では「すでに大人になったソン・ジュンギがなぜ子役を選んだのか」という疑問もあった。

これについてソン・ジュンギは、昨年9月に行われた「根の深い木」の制作発表会で自身の演技への情熱をアピールした。ソン・ジュンギは「出番の量を重んじていたなら、『根の深い木』に出演することはできなかっただろう。素晴らしい脚本家のもとで演技ができるということがとても嬉しいし、もっと上手くなりたい。世間にも認めてもらいたいが、脚本家に認めてもらいたいという気持ちのほうが大きい」と伝えた。

「優しい男」……ビジュアル+演技力で“トップ俳優”に成長

ソン・ジュンギは「優しい男」で、純粋な心を持っている医学部の学生から明晰な頭脳と魅力的な外見で女性たちの心を奪う魔性の詐欺師に生まれ変わり、波乱に満ちた人生を生きる男カン・マル役を演じて、衝撃的な演技での変身を試みた。

自分の生きる理由だった女性、ハン・ジェヒ(パク・シヨン)のために喜んで自らを犠牲にした一途な男と、自分とは正反対の人生を生きてきたもう一人の女性、ソ・ウンギ(ムン・チェウォン)の恋心を自身の復讐のために躊躇うことなく利用する悪い男の一面まで、ソン・ジュンギは一人の男性が持っている黒と白の両面を演じわけ、女性視聴者を虜にした。

ソン・ジュンギは劇中、抜群のビジュアルとともにカリスマ性溢れる熱演を披露した。復讐に目が眩んだカン・マルの心理の変化を繊細な表情で表現し、非の打ちどころのない演技で視聴者を引き込んだ。その結果は、視聴率でも確認できる。「優しい男」は9月12日の初放送以来、3話目で水木ドラマの視聴率1位を達成し、その後最終話まで1位の座を守り抜いた。

ソン・ジュンギは“マルアリ”(ソン・ジュンギが演じるカン・マルに夢中になること)を残して去った。最終話までエンディングを予測できない展開で緊張感を維持してきた「優しい男」を通じて、ソン・ジュンギはビジュアルと演技力を兼ね備えたトップ俳優としての潜在力を見せ付けた。

ソン・ジュンギは15日に「(ドラマが)終わったというのが信じられなく、とても好きになった“世界のどこにもいない優しい”監督、脚本家、スタッフや俳優たちと別れるということが本当に名残惜しい。とても幸せな時間だったし、感謝する気持ちを改めて感じられた時間だった。『優しい男』に声援を送ってくださった、そしてカン・マルを愛してくださった視聴者のみなさんに心より感謝する」と放送終了を迎えた感想を伝えた。

記者 : シン・ナラ