映画「私が告白したら」見ると恋愛がしたくなる映画

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インソン(キム・テウ)は映画監督だ。映画を作る製作者でもあり、小さい劇場の所有主でもある。初めての演出作品は“星2つ半”をもらったが、新たに着手したシナリオで“大ブレイク”するために必死である。時間があればおいしいお店を探し回って、ペク・ソクの詩集を読む。恋愛には興味がない。ユジョン(イェ・ジウォン)は看護師である。江陵(カンルン)に自身が所有しているアパートを持っており、この前既婚男性との関係を整理した。時間があればおいしいお店を探し回って、映画を観にソウルへ向かう。恋愛には興味がない。ところが、この2人が奇妙な同棲を始める。

【鑑賞指数】

恋愛がしたい、江陵に行きたい…7/10点

江陵が好きで来る男とソウルが好きで行く女。この2人が毎週末お互いの家で過ごしたりする。日常の空間であると同時に各個人の趣向が詰まった溜まり場でもあるこの家は、秘密の場所でもある。誰かを家に招くこと自体が意味を持つ行動であるほど、相手に家を訪ねることを許可したインソンとユジョンが恋に落ちる展開は特別ではない。その代わり「私が告白したら」は男女が出会い、本格的な告白をする前までを綿密に描き出す。誰かと関係を結ぶことを“複雑でおかしい状況”と考える鉄壁女(チョルビョクニョ:周りを鉄壁で囲んだように、恋愛を拒んできた女性を意味する)と好みに合う一人だけの空間を維持したがる草食系男子の恋愛は容易くはないが、特別なものでもない。オオカミ少年と少女の恋のように切ないものでもなく、優しい男との世界でたった一つだけの恋愛でもない。しかし、映画は彼の本棚で私が好きな本を見つけた時、好きな食堂で彼と偶然出会った時のような現実の小さな瞬間を見逃さない。小さいが輝いた瞬間を集めて恋愛の材料にする手腕はユーモアと恋愛、日常を扱うバランス感とともに映画を愉快なものにする。そのおかげで、他人の恋愛話をこそばゆい思いをすることなく目撃できる。ところが、この映画のように恋愛がしたくなるのは「私が告白したら」の長所だろうか、短所だろうか。

記者 : イ・ジヘ、翻訳 : ハン・アルム