Vol.1 ― 「母なる復讐」ナム・ボラ“性的暴行の被害者演技はとても辛かった”

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自分が経験していないことを本当のことのように演技するのは難しい。

しかし映画「母なる復讐」(監督:キム・ヨンハン)でナム・ボラは経験できない事件、経験してはいけない事件を実際に経験したようによく消化した。性的暴行の被害者になった後、結局、自殺という極端な選択をしたウナ役を演じ、俳優として感情を見事に表現した。

ナム・ボラは「ウナというキャラクターに引かれた。感情とか、幸せだったある少女がだんだん破壊される過程を描きたくて選んだ」と映画の出演動機を明かした。

このような選択は「母なる復讐」制作報告会に参加し「できる限りすべての感情を表現して見たい」と話したが、その話の延長線でもある。

ナム・ボラは「持っている感情をすべて表現したかった。そのような感情があったため選択した。映画『凍える牙』のジョンア、ドラマ『太陽を抱く月』のミンファ姫もあったが(できる限りすべての感情を表現するシーンは)少しだった。ウナは幸せなシーンから不幸なシーンまでの過程がつながっているため、そのような感情がより上手に表現できると思った」と説明した。

演じるのは簡単ではなかった。性的暴行の被害者のキャラクターを完璧に演じるため、資料を探して見たが、実際に被害者の感情に対して詳しく示している資料は殆どなかった。

彼女は「経験したことのないことを表現するのが簡単ではないということを『凍える牙』を撮影する時多く感じた。麻薬を吸った気持ちもよく分からなく、「麻薬を吸ってないキャラクターのようだ」とも考えました。私の演技した姿は2%ぐらい不足だと感じた」とし「性的暴行の被害者の感情をどう表現したらいいかを考えた。資料を見ても被害者が話したことはほぼなく、話したとしても詳しくは話していなかった。そのため、絶え間なく想像をした」と説明した。

また「『ウナはどんな気持ちだったか』を考えながら、引き続きシナリオを書いてみたりもした。それで撮影する間はずっと大変だった」とし「その意志があまりにも強くなり、私がウナになりたいと思った。ウナの感情を維持しようとしたため、日常生活にも影響を与えた。周りの人も私も大変だった。泣く日も多かった」と告白した。

一方「その時間にはあまりにも憂鬱で、感情がより激しくなった。それでよりウナのことを理解することができた。より『近づいたな』と感じた」と話しながら、辛かった時間のおかげでよりウナに近づくことができたと説明した。

ナム・ボラの記憶には「母なる復讐」撮影現場の憂鬱で辛かった記憶だけが残っているのではない。明るい姿のウナを演じる時はナム・ボラも楽しくて幸せだった。

彼女は「明るいシーンを撮影する時は、普段の性格が明るいので問題なく演技した。気楽だった。一日中重い気持ちにならなかったため幸せだった」と感想を伝えた。

ナム・ボラの熱演が見事である「母なる復讐」は世の中に一人しかない娘(ナム・ボラ)を失った母親(ユソン)が法律の代わりに復讐をする過程を描いた映画である。未成年の性犯罪加害者に対して厳しい法的規制がない韓国の現実に問題を提起する作品で11月22日に韓国で公開される。

記者 : キム・ミリ