韓国版「花ざかりの君たちへ」の豪華なジニーハイスクールよりも「応答せよ1997」の釜山クァンアン高校に転校したい

OhmyStar |

写真=SBS

「花ざかりの君たちへ」「応答せよ1997」描く高校生たちもそれぞれ

最近、気になる学校が二校ある。高校生に成りすましてでも転校したい「花ざかりの君たちへ」のジニーハイスクールと、「応答せよ1997」の釜山(プサン)クァンアン高校だ。

SBS「花ざかりの君たちへ」は、リアリティに基づく共感よりは、代理満足を目指すドラマだ。ハイジャンプ選手カン・テジュン(SHINee ミンホ)に憧れジニーハイスクールに偽装転校した男装女子ク・ジェヒ(f(x) ソルリ)のように、非現実的なストーリーの中で、ずさんな転校手続きなどは当初から問題にならない。

「花ざかりの君たちへ」が見せたい学校は、羨望の対象だ。ホテルのような寮に、大学顔負けの(実際ロケは大学校で行われた)校庭は、運動するイケメンたちが出没する場所を、さらに豪華にする仕掛けになっている。生徒たちがパーティでシャンパンを飲むシーンが、“酒が入ればキスマスターになる”テジュンの可愛い(?)癖を説明するために使われるここは、学校を装ったイケメンたちの遊び場だ。

写真=SBS
ドラマの背景が代理満足を担当しているならば、さらに共感させるストーリーでバランスを取るべきだが、それもままならないように見える。ジェヒが男装してまでジニーハイスクールへ来るしかなかった理由として、“テジュンへの憧れ”だけを挙げているのは弱い気がする。アメリカで人種差別を経験したジェヒの物語は、少しでも蓋然性を加えるための工夫に見えるが、その悩みの深さよりは、ストーリーのためのストーリーという手の内が丸見えなのだ。

人物の悩みと感情は、結局二人の男女を近づかせ、ロマンスへ向かう土台になるだけだ。ジェヒを男だと思っているウンギョル(イ・ヒョヌ)が彼に妙な感情を感じ、性的アイデンティティの混乱を感じる姿は、概して正常でない自分の姿に当惑するコミカルなシーン程度に描かれている。彼らの三角関係に集中するために、原作にあった様々なキャラクターを削った末、学園モノとしての特徴も減ってしまった。

15年前釜山の高校生の物語、「応答せよ1997」は

1997年を振り返るtvN「応答せよ1997」もやはり、高校生の恋と悩みを取り上げている。その根底には、ジニーハイスクールというファンタジーでは得られない、リアリティが存在している。外貨危機や政権交代、第1世代アイドルたちや彼らにつきまとうファンたちの登場のように、普遍的に知られている時代的要素を背景にし、視聴者各自の個人史を思い浮かばせる物語で内容を埋め、内外から共感を得ようと試みている。

写真=CJ E&M
2012年、同窓会で再開した彼ら。結局誰が誰と恋の結実を結ばせたかを追うのが「応答せよ1997」の要点ではあるが、1997年クァンアン高校の生徒たちの日常がその仕掛けにはならない。それぞれ好きなアイドルグループを応援して神経をとがらせる教室と、ポケベルに残された音声メッセージを聞こうと公衆電話に列を並ぶさりげない設定は、本当に実存する誰かを再演したようで、キャラクターを生き生きとさせている。

このようなドラマの背景を基にして、アイドルの“オッパ(兄の意。女性が親しい年上の男性やスターを呼ぶ呼称)”が好きだったはずが、現実のオッパに目を覚ますシウォン(チョン・ウンジ)の変化や、同性のユンジェ(ソ・イングク)を好きになったジュンヒ(INFINITEのホヤ)の辛い成長痛も生命力を得ている。思い出が連想される背景からも、時空に縛られない恋物語からも、好みに応じて集中すべき余地があちこちに存在している。

「花ざかりの君たちへ」と「応答せよ1997」は、共に視聴率4%台を記録している。一方は地上波放送で非常に低い数値で苦戦中だが、もう一方はケーブル放送で記念すべき成功と褒め称えられている。歳の近いアイドルが出演している二つのドラマに対する反対の評価は、どうしても代理満足よりは共感の方に点数を与えたい視聴者の方が多いということを証明しているのではないだろうか。

記者 : イ・ヒョンジン