「私は王である!」「王になった男」など、映画界に“ファクション”ブーム到来

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写真=20世紀フォックス 「リンカーン/秘密の書」のポスター
2011年に大ブレイクしたSBSドラマ「根の深い木」に続き、今年はファクション(事実(Fact)と虚構(Fiction)とを織り交ぜた作品)のブームが映画界に拡大した。

映画「リンカーン/秘密の書」をはじめ、「私は王である!」や「王になった男」など、公開を控えているこれらの作品は、実在の人物の人生に事実と虚構を織り交ぜたファクションである。

1. リンカーン大統領はヴァンパイアハンターだった?!映画「リンカーン/秘密の書」

ティム・バートン監督が制作に参加し、映画「ウォンテッド」で韓国でも知名度の高いティムール・ベクマンベトフ監督がメガホンを取ったアクション映画「リンカーン/秘密の書」は公開前からポータルサイトの検索ランキング1位を記録するなど、多くのネットユーザーから注目を集めている。

映画「リンカーン/秘密の書」はそのタイトルからも分かるように、米国でもっとも偉大な大統領として知られているリンカーン大統領が主人公である。同作品は“あのリンカーン大統領がヴァンパイアハンターだった”という斬新なコンセプトから制作された。想像力とビジュアルの鬼才と呼ばれるティム・バートン監督のシンプルなコンセプトだけで、原作が出版される前に出版権を買い取ったという。好奇心をくすぐるストーリーに制作者として参加しようとした「ウォンテッド」のティムール・ベクマンベトフ監督が、19世紀のストーリーに独自の想像力豊かなビジュアルを求めるため、直接メガホンを取った。

190cm以上の長身に黒いあごひげ、そして帽子で知られているリンカーン大統領は、実際にもレジェンド的な存在である。小さいころに両親が亡くなり、愛する人を失うという深い悲しみを経験した。名家の出身でもなく、政治的基盤もなかった彼は、無名の弁護士として活動して米国の大統領となった。さらに南北戦争の勝利と奴隷制度の廃止は、まさにヒーローもののエピソードである。

同作品はティム・バートン監督とティムール・ベクマンベトフ監督の指揮下で、実話とファクションを行き来するストーリー、リンカーン大統領が生きていた19世紀を再現した撮影現場と様々なロケ地、映画「アバター」の3D技術を担当したスタッフ、映画「ウォンテッド」のスタントマン、映画「パイレーツ・オブ・カリビアン/生命の泉」のアクションを担当したスタッフなど、ハリウッドの実力派制作陣と100%のシンクロ率を誇る俳優たちの熱演によって愉快なアクション映画となった。

映画「リンカーン/秘密の書」は、日本では11月1日、韓国では8月30日から公開される。

2. 世宗(セジョン)が即位する3ヶ月前の出来事を描いた映画「私は王である!」

歴代君主の中で、もっとも優れた君主とされている世宗大王。しかし世宗が王になることを拒んで家出してしまったら?

映画「私は王である!」は世宗が即位する3ヶ月前の出来事を描いている。世宗大王という実在の人物に、彼にそっくりな奴隷という虚構を織り交ぜたファクション映画となった。

集賢殿(李氏朝鮮初期に設置された学問研究のための官庁)を設置して学者の育成を図り、政治と各制度をまとめて民の生活を安定させ、ハングルの制定を行った世宗大王。実在の人物に虚構を織り交ぜたファクションは、尊敬される王、その裏側の人間性溢れる姿を見せて観客の笑いを誘う。映画「ぼくらの落第先生」「里長と郡守」などで面白さと時代を反映したチャン・ギュソン監督がメガホンを取り、身分が入れ替わった皇太子と奴隷という独特な素材と朝鮮時代初期の華やかな宮殿と庶民の生活が窺える撮影現場に力を入れた。

映画「私は王である!」は韓国で8日に公開される。

写真=ロッテエンターテインメント、CJ E&M 「私は王である!」「王になった男」のポスター

3. 光海君(クァンへグン)の隠された秘密を素材にしたファクション映画「王になった男」

ハリウッドにまで進出した俳優イ・ビョンホンが主演を務め、映画「あなたを愛してます」のチュ・チャンミン監督がメガホンを取った映画「王になった男」は、朝鮮の第15代君主であり、悲運の君主であった光海君の隠された秘密を題材にしたファクション時代劇である。

実兄と腹違いの弟を殺して継母である仁穆大妃(インモクテビ)を廃位させ、彼女の家門を破滅させたという光海君は、暴君というイメージが強く、燕山君(ヨンサングン)に続いて史上最悪の君主として知られている。しかしもっともドラマチックな王だったと言えるほど、様々な事情と偉大な業績を残した光海という実在の人物に、毒殺の恐怖に怯え、自身とまったく同じ容姿をしている代役を探すという虚構が加わった。

映画「王になった男」は韓国で9月に公開される予定である。

記者 : ペ・ソニョン