2012上半期のK-POPは?Busker Buskerの襲撃とSM、YG、JYPの突撃

OSEN |

BIG3が猛威をふるい、Busker Buskerがホームランを放った2012年上半期だった。

歌手は増えたが、新しく人気を得たスターは多くなかった韓国の音楽業界は、上半期にBusker BuskerブームやBIG3の“地位固め”以外はこれといった成果を得られなかった。増えている音楽番組や韓国内外のイベント開催でその規模を増やしながらも、急変する人々のテイスト、そしてリアルタイムで変わる音楽配信ランキングにヒヤヒヤせざるを得なかった。

Busker Buskerブームは記録に残るようなものだった。去年Mnet「SUPER STAR K3」の編集に不満を抱き辞退したYery Bandに代わって、劇的に生放送に合流したBusker Buskerは、若い層に大きくアピールし、準優勝となり、3月に発売した初のアルバムはまさにホームランを放った。去年Leessang(リッサン)やBIGBANG、少女時代が記録した“収録曲でランキング上位独占”を果たし、4月中、音楽配信ランキング1位となった。

トレンディでもなく、ドラマティックでもない淡々とした楽曲が、映画「建築学概論」で劇場から吹き始めた初恋ブームと重なり、人々の感性を刺激したのだ。このブームは、アイドルのきらびやかな音楽に耳が疲れ、久しぶりに初々しい感性に触れたためなどと解釈された。伏兵にあった音楽業界は“パニック”になった。若者の間では「麗水(ヨス)の夜の海」を聞きながら麗水を訪れるのが流行にもなった。

ブームは数値でも確認できる。5月19日、GAONチャート基準でBusker Buskerの1stアルバム収録曲11曲は、計1300万件を超えるダウンロード数を記録した。タイトル曲「桜エンディング」は200万件を超え、「理想のタイプ」「初恋」「麗水の夜の海」「花房が」「寂しさ増幅装置」等、計6曲が100万件以上のダウンロード数を記録した。アルバム販売も順調で、10万枚を突破できると予想されている。

Busker Buskerは、音楽業界で影響力を高めているMnetの作品であったが、既存のBIG3の存在感も手強く、さらに強くなった。SM、YG、JYPエンターテインメントは、新曲を次々と出し、人々の注目を一瞬も逃さなかった。また、3社がともに参加したSBS「K-POPスター」は数人の秀才を発掘する成果を出した。

SMエンターテインメントは、3月からSHINee、EXO、少女時代 テティソ、f(x)を次々とカムバックまたはデビューさせ、JYPエンターテインメントは「ドリームハイ2」OSTを始めとし、miss A、パク・ジニョン、JJ Project、Wonder Girlsのニューアルバムをリリースした。YGエンターテインメントは、SE7ENとBIGBANGのアルバムを出し、先日はHyundai Card社とコラボレーションしたBIGBANGのスペシャルアルバムをリリースした。K-POPブームをリードするプロダクションらしく、各種のワールドツアーを続けて行い、海外からのラブコールも絶えなかった。

「K-POPスター」は、この3社の存在感を再確認させた。プロダクションの内部は華やかなものであり、彼らの手を通して出演者たちがどれほど成長するかを証明した。怖いけれど優しいヤン・ヒョンソク、デリケートでプロフェッショナルな“音半分・空気半分”のパク・ジニョン、しっかりしているけど人間的な魅力も見せたBoAが、各社のキャラクターをアピールしながら好感度を高めた。

しかし、音楽業界全体で見れば、容易な状況ではなかった。一気にトップに上り詰めた本当の意味での“新星”もなく、人気グループもリアルタイムランキングで一時だけトップに立っては、すぐ順位が急落した。1位を1日もキープできただけでも良い方で、1位になって正午も過ぎないうちに順位が下がってしまう場合も多かった。音楽を配信した瞬間から毎時間ランキングをチェックし、順位圏外になっていないか不安がる姿は、音楽業界ではよく見る光景となった。

野心的に復帰したMBC「日曜の夜-私は歌手だ2」(以下「私は歌手だ2」)も通用しなかった。イ・ウンミ、キム・ゴンモ等を立ててもう一度センセーションを呼び起こすものと期待されたが、深刻すぎるコンペティションは、視聴者のストレスを増すという評価を受けた。歌唱力から来る感動はすでに去年経験したもの。新しいものが何もなく「私は歌手だ2」は、話題性においても後発番組といえるKBS「不朽の名曲」に負けてしまった。「私は歌手だ2」で逆転を狙っていた歌手たちにとっては興ざめな感じがあった。

アイドルグループは、市場を拡大させられなかった。気まぐれなファンが移動しながら色々な歌手を応援し、ファンを獲得するための競争が激しくなった。少しだけ活動が減っても、瞬時に他のグループにファンをとられ、ファンダム(特定のファンの集い)が弱くなることも多かった。10代のファンだけでなく、認知度を幅広く広げようとしても、リアルバラエティやオーディション番組が主流となっている地上波の放送に足を踏み出すことは容易ではなかった。

今年夏と下半期はさらに厳しい展開となりそうだ。夏はそれこそトップ歌手たちが大挙して活動を再開し、下半期は大統領選挙などもあり、音楽業界が話題を集めにくいものと見られる。

記者 : イ・ヘリン