SBS「追跡者」 ― 「光と影」「ビッグ~愛は奇跡<ミラクル>~」の間で生き残れるか

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SBS月火ドラマ「追跡者 THE CHASER」(以下「追跡者」)5月28日放送開始

一件のひき逃げ事件で何人かの運命が変わった。ペク・ホンソク(ソン・ヒョンジュ)刑事は娘を失い、事故を起こしたソ・ジス(キム・ソンリョン)は韓流スターPKジュンとの浮気が発覚しそうな危機に陥り、ソ・ジスの夫で現職国会議員のカン・ドンユン(キム・サンジュン)はこの事件をうまく利用すれば大統領選挙に出馬できる機会が得られる。カン・ドンユンが金と権力を利用して事件を隠そうとしている時期、ペク・ホンソクはPKジュンを逮捕して、カン・ドンユンの義妹ソ・ジウォン(コ・ジュニ)は記者の使命感からひき逃げ事件を取材している最中に、事件に自分の家族が関わっていることを察する。


MBCは視聴率20%、KBSはコン・ユとスジ…SBSは生き残れるのか

MBC「光と影」はすでに視聴率20%を越えており、KBSは甘いロマンチストのコン・ユと初恋の象徴となったmiss A スジが出演するドラマ「ビッグ~愛は奇跡~」を準備している。高い視聴率と人気のある青春スターの間で、「追跡者」の武器は“深く交錯するストーリー”だ。野望と父性愛、死と復讐、国会議員と検事、真実を隠すことで成功する男と真実を明かすことで娘の死を認めてしまう男。一度見ると簡単には抜けられない、重みの感じられる展開が予想できる作品だ。「1~2話目の衝撃的な場面で、引きつけられる」というソン・ヒョンジュの話のように、初めの部分で視聴者らの目を引けば、競合する他のドラマにも十分勝ち目はある。


“おじさん vs おじさん”…カリスマを持つのは誰か

「追跡者」は無精髭が似合うおじさん(ソン・ヒョンジュ)とスーツが似合うおじさん(キム・サンジュン)の“カリスマ対決”だ。二人の男の目つきから始まり、宣戦布告で終わる予告編映像を見るだけで分かる。髭剃りもちゃんとできてない、やつれた顔で「私が捕まえますよ、あいつは」と話す、ペク・ホンソクを演じたソン・ヒョンジュは、表情だけでも見ている人が悔しさを感じられるようなカリスマを持っている。妻の殺人を利用して義父(パク・ク二ョン)と手を組もうとする、カン・ドンユンを演じるキム・サンジュンの目を見るだけでヒヤリとさせられる。ソン・ヒョンジュとキム・サンジュンの強烈な二つのエネルギーがぶつかるその瞬間、このドラマのクライマックスになるだろう。


大統領候補は魅力的なキャラクターなのか

夢を叶えるために勝ち取るべきものと捨てるべきものがはっきりしている大統領選挙の候補は、すでに夢を叶えた大統領よりもきわどくて、誰よりも強い欲望を持っている人物である。ペク・ホンソクがすでに起こった事件の原因を探るキャラクターだとすると、その事件に糸口を提供しながらドラマに一番大きな緊張感を吹き入れる人物は、支持率60%を超える大統領候補のカン・ドンユンだ。彼は大統領選挙に出るためならペク・ホンソクの娘を手に掛けることもすれば、自分を阻止しようとする人物には「私がダメになれば、あんたも終わりだ」といった警告も簡単に告げることもする。キム・サンジュンには“演じる価値”があり、視聴者には“見る価値”があるキャラクターになるだろう。

記者 : イ・カオン