Vol.1 ― クォン・サンウ「カンヌに来るたびに刺激と感動をたくさんもらって帰ります」

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写真=キム・ボムソク
フランス南部、地中海の強い日差しのためか、滞在先であるマジェスティックホテルでポーズを取っていたクォン・サンウは「記者さん、ちょっと待ってください。いきなり明るいところに出たら、目がまぶしくて涙が出てしまいます。カンヌに来たことで感激し、泣いているのではありませんから」と笑った。

ジャッキー・チェンと共演した中国映画「ライジング・ドラゴン」で第65回カンヌ国際映画祭に出席したクォン・サンウに19日正午(現地時刻)、ルミエール劇場近くのマジェスティックホテルで会った。クォン・サンウは「カンヌには3回来たことがあるけれど、映画のために来たのは初めてです」とし「ジャッキー・チェンの専用機に乗ってニース空港に着きました。専用機でもWi-Fi通信が可能で不思議でした」と笑った。

クォン・サンウは「カンヌに初めて来たのは7年前のことで、映画『同い年の家庭教師』が公開された後に知り合いと来ました。昨年は妻とカンヌで10日間旅行したこともあります」とし「来るたびに思うんだけど、ここの日差しと余裕溢れる人々を見ると、ここは神様の恵みに溢れた都市だと思う」と話した。そんな彼にレッドカーペットを踏んだ感想も聞いてみた。

「カンヌのレッドカーペットは韓国のよりも少しフワフワするだけでした(笑) 天井には専用の照明施設があり、音楽も中低音が雄壮で品格が感じられました。今回はプロモーションイベントのために来ましたが、次はぜひ競争部門に進出した映画の主演俳優資格で来てみたいですね」

彼はこの日の午後2時からは外国メディアのインタビューがあり、夕方には中国のメジャースタジオであるファイブラザーズで主催するパーティーに参加した後、20日に出発する。帰る時もジャッキー・チェンの専用機に乗るのかという質問に彼は「そうですね。専用機なので出入国手続きも簡単で、出発する時間もターグァ(中国語で兄さんの意―彼はジャッキー・チェンのことをこのように呼んだ)が決めるから面白い。短所と言えば中間帰着地であるカザフスタンに寄って燃料を補充しなければならないことくらいかな」と笑った。この飛行機にはジャッキー・チェンの専用機であるだけに龍の絵が描かれており、ジャッキー・チェンと親しい関係の李冰冰(リー・ビンビン)とユ・スンジュンも同行したという。

「ここでもジャッキー・チェンの人気を実感しました。どこに行っても街にたくさん集まったファンが彼を囲い、ジャッキー・チェンと連呼しました。彼のように、東洋の俳優がヨーロッパの老若男女に愛されることは非常に稀なことだと思います。尊敬しました」

ジャッキー・チェンが事実上の引退作だと公言した「ライジング・ドラゴン」でクォン・サンウはジャッキー・チェンに続いて2番目に大きな役割を担うキャラクターを演じた。ジャッキー・チェンが中国俳優ではなく、クォン・サンウを選んだ理由は何か。

「彼は僕が出演した『火山高』『青春漫画~僕らの恋愛シナリオ~』『マルチュク青春通り』を全部観たと言い、アクション俳優として活動したことを高く評価してくれました。幼い頃の僕と自分が似ていたという話もよくしてくれました。現場でも僕のことを“ヒョン(お兄さんという韓国語)”と呼びながらいろいろと気を使ってくれました。セリフを少しでも多く与えようともしてくれました。そして、どこか繊細な方でした」

12月12日を起点に中国と世界で公開されるこの映画は、アクション映画だと知られているが実は家族の物語だという。ジャッキー・チェン映画特有のヒューマニズムが描かれた映画だという説明が続いた。

韓国との時差が7時間あるカンヌで、彼は妻と電話よりメールで連絡を取っているという。彼は「息子であるルッキの世話でテヨンが一人で大変だろうなと思う」とし「中国とフランスで映画を撮影していた時も1ヶ月以上会えないとあまりにも会いたくて、妻が来たり僕が休みをもらってソウルに戻ったりしました。妻と離れて過ごせるのは1ヶ月が限界だと思う」と微笑んだ。

「ここに来るときも荷造りは妻がしてくれました。タキシードの色に合わせて靴下も細かく用意してくれるので、本当に結婚して良かったと思います。もう結婚して4年になりますけど、まだ恋愛しているような気持ちです(笑) 昨年も妻と二人でニース、モナコ、カンヌに来ました。妻がネットで飛行機、ホテルの予約を全部済ましてくれました。それが旅行の真の楽しみだと思います」

妻をベタ褒めする彼の話がなかなか終わらない中、「昨日『G.I.ジョー バック2リベンジ』のポスターを見たが、ビョンホン兄さんが主演の4人の中に含まれていて嬉しかった」と話題を変えた。するとクォン・サンウは「事情をよく知らない人は運がいいと言うかもしれない。でも10年前からネイティブと一緒に暮らしながら英語を勉強したビョンホン兄さんの努力を知っている僕にとっては、彼が羨ましいと同時に誇らしいし、とてもすばらしい先輩だ」と話した。

「ビョンホン兄さんはパク・チュンフン先輩に続いてハリウッドに進出した、事実上の初の韓国俳優だと思います。刺激をたくさん受けています。僕も英語や中国語の勉強をしていますが、兄さん並みになるのはまだまだだと思います」

クォン・サンウは今秋に“大物3”とも言われるドラマ『野王』に出演する。ドラマ『青春の罠』の男性バージョンだといえるが、全く新しいイメージを披露することになった。相手の女優としてはスエさんだと言われている。キャラクターとのシンクロ率が100%だと思うので、ぜひスエさんと共演したいと思っている」と話した。漫画家パク・イングォンの作品が原作のドラマに2回連続出演することになった彼は「これからは中国での活動にも力を入れようと思っているが、1~2年に1回くらいは必ず韓国のドラマに出演して感覚を維持したい」と話した。

「夕方に開かれる中国映画祭パーティーは僕にとって、すごく重要です。プロデューサーも紹介してもらえるし、僕を知ってもらうこともできるセールスの場だからです。まだ覚えていない中国語もたくさんあって、英語の実力も不十分です。コミュニケーションがちゃんととれるか心配です(笑)」

映画「痛み」で深さのある演技で注目されたクォン・サンウは「作品性も重要ですが、僕は興行の方をより渇望している」とし「先日、『悪いやつら』を観たが、演出と演技が本当にすばらしかった。カンヌもいいが、まずは韓国の映画祭で頻繁に選ばれる俳優になりたい」と話した。

「一番好きな俳優は、フランのシャンソン歌手の一生を描いた映画「エディット・ピアフ~愛の讃歌~」でエディット・ピアフを演じたマリオン・コティヤール(Marion Cotillard)という女優です。素敵な演技に感動しました。世界で最も演技がうまい女優を選ぶと、たぶん彼女が1位になると思います。僕も人々に感動と喜怒哀楽を与えられる俳優になりたいと思います。もし僕が怠惰になってしまったように見えたら、いつでも厳しく言ってください」

記者 : キム・ボムソク