「屋根部屋のプリンス」視聴者を虜にした緊張感と2%の物足りなさ

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写真=TVレポート DB
スピーディな展開は視聴者の視線を虜にしたが、2%の物足りなさがあった。

21日、SBSドラマ「屋根部屋のプリンス」(イ・ヒミョン脚本、シン・ユンソプ演出)は朝鮮時代のJYJ ユチョンの涙のシーンから始まった。

300年前、朝鮮時代の皇太子だったイ・ガク(ユチョン)は、ある日突然亡くなった皇太子妃(チョン・ユミ)を見て嗚咽した。イ・ガクが皇太子妃の殺人事件を捜査しようと特別調査団を立ち上げて捜査を進める過程が緊張感の中で描かれ、ユチョンの演技にはさらに注目が集まった。

ユチョンは皇太子妃の死を追いかける途中に300年後にタイムスリップした皇太子のイ・ガク役と300年後のテレビショッピング会社の会長の孫、テヨン役を演じ、一人二役を無難に演じきった。

彼はKBS 2TVドラマ「トキメキ☆成均館スキャンダル」やMBCドラマ「ミス・リプリー」を通じて時代劇と現代劇両方でその演技力を認められていた。

劇の後半はハン・ジミンがリードした。ハン・ジミンはこれまでの清純なイメージから抜け出し、明るくてお転婆娘な“キャンディ”のような少女として視線を引き付けた。

「屋根部屋のプリンス」は朝鮮時代の皇太子、イ・ガクが皇太子妃(チョン・ユミ)を亡くし、臣下らと300年の歳月をタイムスリップして 21世紀のソウルで前世で咲かせなかった愛を咲かせるというファンタジー・ラブコメディ。“

しかし、いざ蓋を開けてみると単なる若手俳優らによるラブコメディではなかった。殺人事件から始まる同ドラマには、血筋に絡む葛藤や孤児、記憶喪失など視聴者の興味を引きつけられるような要素が多くあった。

朝鮮時代のイ・ガクを巡るパク・ハと皇太子妃の葛藤とともに、現在のソウルでのテヨン、テム(イ・テソン)、パク・ハ(ハン・ジミン)、セナ(チョン・ユミ)の葛藤が描かれた。前作ではSBSドラマ「千日の約束」で純粋な少女のヒャンギ役を演じたチョン・ユミは、悪役への変身を予告していた。

MBCドラマ「太陽を抱く月」で子役として登場し、劇の序盤にシンドロームを巻き起こしたイ・ミノとキム・ソヒョンが登場したことも視聴者の関心を引き付けるには十分であった。キム・ソヒョンは美しい女性に扮し、「太陽を抱く月」と同じく自身の代わりに四柱単子(新郎の四柱を記した書状)を受け取った幼い妹(チョン・ミソン)を火傷させ、皇太子妃の座を奪った。

皇太子妃の死を追いかけるために集まった調査団のウ・ヨンスル(チョン・テソン)、ド・チサン(チェ・ウシク)、ソン・マンボ(イ・ミノ)は、重くなりがちな劇の内容にユーモアを与え、ドラマの面白みを倍増させた。また、彼らはユチョンとともに「トキメキ☆成均館スキャンダル」のあとを継ぐ“イケメンF4”として登場し、女心を揺さぶった。

しかし、同ドラマには物足りなさもあった。当日はKBS 2TVドラマ「赤道の男」、MBCドラマ「キング~Two Hearts」が同時間枠で一斉にスタートしたためか、劇中で刺激的な要素が次々と登場し、理解を妨げた。キャラクターへの理解を高めるよりは事件だけが並べられ、視聴者からすると不親切な構成であった。

それでも「屋根部屋のプリンス」への期待が消えないのは、複雑に絡んでいる登場人物の運命がどのように展開されるのかが楽しみであるためだ。ドラマ「ミスターQ」「トマト」「明朗少女成功記」を通じて女優キム・ヒソンやチャン・ナラをトップスターに作り上げた脚本家のイ・ヒミョンをはじめ、シン・ユンソププロデューサーへの期待や、ユチョンやハン・ジミン、イ・テソン、チョン・ユミをはじめチョン・ソグォン、イ・ミノへの愛情があるためだ。

記者 : ソ・ミヨン