“4倍速の男”マ・ドンソク、最もコスパの高い俳優

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写真=キム・ジェチャン
旧正月の連休で最高の興行成績をあげた映画「ダンシング・クィーン」(イ・ソクフン監督、JKフィルム製作)には、たったのワンシーンで観客を爆笑の渦に巻き込む男が登場する。

最もコストパフォーマンス(コスパ)の高い俳優のマ・ドンソクだ。劇中で彼は、恋人の男性と人権派弁護士のジョンミン(ファン・ジョンミン)を訪ねて相談を受ける依頼人だ。同性恋愛者だという理由で解雇され、訴訟を準備するためにジョンミンを訪ねたマ・ドンソクは「こんな状況、本当にイヤ」という台詞で観客の爆笑を誘った。ワイルドなルックスとは似合わない少女のような台詞で、アンバランスな面白みを与えた。

最近、マ・ドンソクの活躍と映画界への貢献が輝かしい。映画「深夜のFM」や「クィック!!」に続き、韓国で昨年の秋夕(チュソク:韓国のお盆にあたる祭日)から公開された映画「痛み」まで、“マ・ドンソクが出演した映画”と“出演していない映画”に分けても良いほど、八方美人な魅力をアピールしている。出演の依頼が絶えず、映画界では“4倍速の俳優”と呼ばれているという。

最近マ・ドンソクの存在感が際立っていた代表的な映画は、なんといっても「パーフェクト・ゲーム」(パク・ヒゴン監督)だろう。彼はこの映画で、ヘテタイガーズの万年補欠のキャッチャー、パク・マンスに扮し、胸に響く感動を与えた。家族にさえ胸を張れない父として惨めな思いをしていたパク・マンスは、キム・ウンリョン監督の用兵術で9回裏に代打として出場し、奇跡のようなソロホームランで勝負を原点に戻す勝負師としての面を見せ付けた。彼のホームランは、不況で肩を落としている父親たちへの希望のメッセージだった。

マ・ドンソクは映画「ネバーエンディングストーリー」(チョン・ヨンジュ監督)にも出演し、さらに注目が高まった。女優チョン・リョウォンとドライブデートをしていたオム・テウンと道路で喧嘩が始まり、険悪な雰囲気となる直前にオム・テウンの面子を立ててくれる役だった。コミカルな「このジージャスクリスマス」という台詞は、彼が務めた役がいかに無知な人物であるかを良く物語っている。

来月2日から韓国で公開される映画「悪いやつら」(ユン・ジョンビン監督)では、妻の兄であるチェ・ミンシクの右腕として直属の部下を演じ、コミカルな演技の頂点を見せてくれた。劇中で彼はテコンドーの師範だが、チェ・ミンシクの提案でナイトクラブの営業常務に就き、夜の世界に入る。

同じ組織の構成員であるにも関わらず、根っからゴロツキのヒョンベ(ハ・ジョンウ)の部下と神経戦を展開し、ヒョンべの部下のナンバー2にビール瓶で殴られてしまう。組織で彼は巻き返しを狙っている負け組だ。何回も“武道家”出身であることを強調しながらゴロツキを貶し、「1対1で勝負したらとりあえず勝つ」が口癖だが、実際は喧嘩が弱く、哀愁漂う笑いを誘う。俳優チョ・ジヌンとともに、最近絶好調であるという評価に相応しい演技を見せた。

映画会社チョイスカットのチェ・ナククォンCEOは「最近最も抜群の助演演技を見せている俳優はマ・ドンソクだ。捨て所のない演技と表情が逸品で、彼が画面に映されると観客が爆笑を期待するほど特別な存在感を持っている」と述べた。

記者 : キム・ボムソク