「きみはペット」目が離せないチャン・グンソクのワンマンショー

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映画「きみはペット」(監督キム・ビョンゴン、製作プロダクションルデンス)は人がペットになるという設定で、女性観客の心を満たすラブコメディである。

人間をペットとして飼うという設定は、まるでケーブルTVの番組で見られるような興味満点の素材。白い肌に背も大きく愛嬌溢れるペット、チャン・グンソク(カン・イノ)を掲げた「きみはペット」は、女性の心を掴むには十分だと言えるだろう。

顔、スタイル、能力をすべて兼ね備えたキャリアウーマンのジ・ウニ(キム・ハヌル)と、居場所がなくて自らペットになろうとするミュージカル振付師イノ(チャン・グンソク)。ウニが飼っていた犬モモの代わりとなったイノとそんな彼をペットとして飼おうと思ったウニが恋に落ちてしまう、というラブコメディの典型である「きみはペット」。観客に「これってあり得るの?」という疑問を与えながらも、ロマンスを夢見る人には大きな感動を与える。

ウニは表面的には完璧だが、人間関係の構築能力はゼロ。ひたすら自分のキャリアだけを気にする、プライドの強いブランド品専門雑誌の編集者である。今の時代を生きている人々を代弁するキャラクターだ。

しかし、そんな彼女に気を遣う、たった一人の存在がいた。初恋の相手であるリュ・テジュン(チャ・ウソン)である。テジュンがウニの会社があるビルで働くようになり、二人は再び過去の感情に浸るようになる。ウニはいつもテジュンの前で緊張し、完璧な姿を見せようと頑張る。

ところが対照的にイノのそばではガードを下ろして、なんだか自然体になれる彼女。結局ウニはテジュンとの生活を断って、イノに心を開く。ウニの初恋だったテジュンは彼女が本当の愛、つまりイノに対する心に目覚めるパイプ役となったのだ。

映画「散策」の助演出身のキム・ビョンゴン監督のデビュー作である「きみはペット」を見て、「彼は欲張りなのかな」と思った。「きみはペット」は始まりから派手だ。目を離すことができないカットは観客の心を一気に掴み、インド映画に出てくるようなミュージカルシーンもユニークだ。

単なるミュージカル舞台として処理してもいいシーンが、一本のミュージックドラマとして描かれ、アジアのプリンスと呼ばれるチャン・グンソクはさらなる真価を発揮する。彼は劇中で歌い踊り、愛嬌まで振りまきながらウニの守護神の役目を十分に果たす。

しかし、あまりにも多くのものを見せようとしたのか、「きみはペット」は見所だけが多い映画になってしまった。パフォーマンスに偏ったあまり、カットとカットがスムーズにつながらず、真剣なシーンでタイミングのずれた笑いを誘う時もあった。ビジュアル面では成功したものの、長く記憶や感動として残る映画とは程遠くなってしまった気がする。

映画のハイライトは噴水シーンだ。監督は街の楽師の演奏に合わせて踊る二人の姿をロングテイクで演出し、ロマンチックなムードを倍増させた。休み時間に裸足で遊ぶ姿を描写したようなこのシーンでは、ラブコメが好きだというキム・ビョンゴン監督の心が読み取れた。

小川彌生の同名漫画が原作であるため、もしかすると容易に比較されるかもしれない。しかし、チャン・グンソクが仕えるキム・ハヌルと、そんなキム・ハヌルを手車に乗せているペット“チャン・グンソク”が描くストーりはそれなりにインパクトがある。「きみはペット」は1月21日に日本で公開される予定だ。

記者 : チェ・ミンジ