KBS「乱暴なロマンス」 アンチファンとロマンス築けますか? ― 見る?見ない?

10asia |


主な出演者

イ・ドンウク(パク・ムヨル役)、イ・シヨン(ユ・ウンジェ役)、オ・マンソク(ジン・ドンス役)、ファン・ヒソン(オ・スヨン役)


ストーリー

乱暴でカッとしやすくバカだけど有名な野球選手のムヨル(イ・ドンウク)。彼は自分のアンチファンで、乱暴でバカなウンジェ(イ・シヨン)と偶然ケンカとなり、見事な背負い投げを食らう。この場面は事もあろうにネットに流され、ムヨルの所属チームでは慌ててウンジェを雇用。実はウンジェがムヨルのガードウーマン(?)で二人は護身術の練習中だったと弁解する。こうしてトラブルメーカーの野球選手ムヨルと彼のアンチファンかつガードウーマンのウンジェがチームになるが、待ってましたと言わんばかりに事件が続く。


プレビュー

水と油の男と女が出会い、事あるごとにぶつかっては結局お互いを理解し恋に落ちる。あまりにもありふれた内容だが、「単純なロマンスではなく“いい話”となっている。」と語ったオ・マンソクの言葉のように、「乱暴なロマンス」(脚本パク・ヨンソン、プロデューサーペ・ギョンス)は「男と女の恋だけでなく、夢を持つ者と才能を持つ者の話」(プルディーサーのペ・ギョンス)を通して人生の夢と幸せまでを見つめ直そうというドラマである。だから乱暴でバカだけど好きな人や野球に関しては純粋な、素晴らしい才能の持ち主ムヨルと、歳取るごとに夢は好きな野球チームの優勝だけと小さくなっていくウンジェの二人が出会って作り出す物語に好奇心が持てるのだ。彼らは、“自分には才能があると思っていたのに、球団での立場さえ危うく、引退の分かれ道で悩む”ドンス(オ・マンソク)や、そんなドンスの夢のために惜しみなく支援する彼の妻のスヨン(ファン・ソニ)と関わるうちに“大人の夢”を捜すようになる。男女のロマンスを越えた共感を得るために「乱暴なロマンス」は、“乱暴”と“バカ”に代表される二人の主人公が繰り広げる珍騒動と、“夢”や“幸せ”についての味わい深い視線をどう調和させていくのか見ものである。


見る?見ない?

見る?
財閥2世と変凡な女性で代表されるロマンチックコメディの図式から離れ、乱暴でバカな男女の主人公キャラがユニークで興味深い。彼らが繰り広げる小競り合いも一般的な甘いそれとは異なり「ジャンプで首を抱きかかえたら360度回転してアンバをかける」(イ・シヨン)ほど、アクション劇さながら。いろんな意味で普通のロマンチックコメディとは少々味わいが違いそうな「乱暴なロマンス」だが、「ミステリー要素まで入っているのでジャンルを一つに統合する作家の力」(イ・ドンウック)が期待されるドラマである。SBS「恋愛時代」、KBS「いいかげんな興信所」、「ホワイトクリスマス」などによりユニークな雰囲気でマニアなファン層を獲得して来たパク・ヨンソン作家と、KBS「噂のチル姫」、「太陽の女」などで実力を証明したペ・ギョンスプロデューサーがどんな相乗効果をだすのか見守ってみたい。

見ない?
4日には放送局3社の水木ドラマがいっせいにスタートする。同名のベストセラーロマンス小説を原作にした、ファンタジー時代劇の「太陽を抱く月」や航空機のパイロットとキャビンアテンダントをテーマにした航空ドラマ、SBS「お願い、キャプテン」に比べると、「乱暴なロマンス」は平凡なロマンチックコメディだと思われやすい。だからこそ、スタートから強い個性を見せることが出来るかが問題だ。ムヨルとウンジェという主人公二人のキャラクターが強いだけに、それに埋もれないくらいのしっかりとしたストーリー展開も必要だ。ペ・ギョンスプロデューサーはこれについて、「二人のバカな男女による騒動とミステリー仕立てのストーリー、愉快でコミカルタッチと言う三つの見所で始めの4話まで“これでも見ないか?”と視聴者にアピールする戦略を持っている」と自信をのぞかせた。「乱暴なロマンス」は他のドラマに比べ、始めから飛ばして行く力が必要そうだ。

記者 : キム・ミョンヒョン、翻訳:イム・ソヨン